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異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


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❷❷

登場人物


―第二十二話:黒傘の来訪者―



セラ


シンガミ世界へ取り残された少女。

黒い異世界で新たな来訪者達と遭遇する。



シンガミ


新世界を支配する観測終焉体。

外来観測者である小鴉と鴉天狗を“異物”と認識する。



小鴉


黒い日傘と巨大なロードソードを持つ謎の剣士。

旧観測世界側の存在であり、セラを迎えに来た。



鴉天狗


巨大な黒翼を持つ監視者。

小鴉と共にシンガミ世界へ侵入した。



黒人形


シンガミが生成した新世界住民。

感情が薄く、観測命令に従って行動する。



用語


ロードソード


小鴉が持つ巨大剣。

シンガミ語とは異なる“古い観測文字”が刻まれている。



観測剣


世界や観測領域へ干渉できる特殊武装。

ロードソードもその一種。



外来観測者


シンガミ世界外から侵入した存在。

小鴉と鴉天狗はシンガミにより異物認定されている。



シンガミの闇


LOOP崩壊後に形成された真っ黒な異世界領域。

現在の新世界そのもの。

第二十二話


―黒傘の来訪者―


真っ黒な世界。


風もない。


音もない。



黒い塔だけが並ぶ異世界。


その空を。


巨大な黒い月が見下ろしていた。



セラ は一人歩いていた。



黒人形達。


黒獣。


シンガミ語。


まだ慣れない。



「……ほんと異世界だ」


小さく呟く。


その時だった。



ザァァァ……


黒い霧。


闇そのものが流れ始める。



セラ。


「!?」


空間が裂ける。


いや。


“闇”が開いた。



そこから現れる影。



長い外套。


黒い日傘。


肩へ巨大な剣。



ロードソード。


異様な存在感。



そして。


ゆっくり降り立つ。



小鴉


日傘を傾けながら。


黒い世界を見る。



「ここが」


「シンガミの闇か」


低い声。



セラ。


「……誰?」


小鴉は答えない。


代わりに。


肩のロードソードを地面へ突き立てる。



ゴォン……


黒い大地が震える。



すると。


空から羽音。



バサァァッ!!


巨大な黒翼。



空間を裂いて降りてくる影。


長い鼻。


漆黒の羽。


人ではない。



鴉天狗


鴉天狗が空中で静止する。


赤い目。


セラを見下ろす。



「見つけたぞ」


「記録保持者」


セラ。


「また変なの来た!!」



小鴉が日傘を回す。


静かに。



「騒ぐな」


セラ。


「いや無理でしょ!」



その瞬間。


黒い世界へシンガミ語。



∴ WARNING

Λ FOREIGN ENTITY DETECTED



空間震動。



黒い塔の奥。


白黒混合の光。



シンガミ


静かな出現。



シンガミ。


『外来観測者確認』


鴉天狗が笑う。



「相変わらず硬い喋りだ」


小鴉。


「まだ機械やっとるんか」


セラ。


「知り合い!?」



シンガミの白黒の瞳が揺れる。


ほんの僅か。



『……小鴉』


『鴉天狗』


静寂。



セラ。


「誰なのこの人達」


鴉天狗が空中で腕を組む。



「旧観測世界の残党だ」


小鴉。


「言い方」



小鴉が日傘を少し上げる。


その目。


鋭い。



「迎えに来た」


セラ。


「え?」


小鴉。


「この世界は長く持たん」


シンガミ。


『否定』


即答。



鴉天狗。


「もう崩れ始めてるぞ」


黒い空へヒビ。


小さく。


確かに。



セラ。


「……え」


シンガミ。


『問題なし』


小鴉。


「問題だらけや」



その瞬間。


ロードソードが黒く発光する。



シンガミ語とは違う。


もっと古い文字。



鴉天狗。


「観測剣か」


小鴉。


「まだ使えるみたいやな」


セラ。


「全然分からない」



シンガミが静かに前へ出る。



『異物は不要』


小鴉。


「そらこっちの台詞や」


黒い風。



ロードソード。


白黒の観測光。


黒翼。



真っ黒な異世界で。


新たな戦いが始まろうとしていた。

―シンガミのダイスゴロク―


黒い世界。


静かな塔。


動かない空。



その中心。


巨大な黒テーブル。


いつの間にか。


存在していた。



セラ は固まる。



「……何これ」


テーブルの上。


巨大な盤面。


マス目。


数字。


黒い駒。



完全に。


“すごろく”。



セラ。


「世界観どうしたの!?」



その奥。


玉座みたいな黒椅子。


そこへ座っている。



シンガミ


無表情。


静か。


なのに。


なぜかノリノリだった。



シンガミ。


『新世界管理方式』


『決定』


セラ。


「嫌な予感しかしない」



シンガミが手を上げる。


すると。


黒い空間へ巨大文字。



∴ SHINGAMI GAME

Λ DICE LOOP SYSTEM



セラ。


「LOOP残ってるじゃん!!」


シンガミ。


『別物』


即答。



その時。


空から黒いサイコロ。



ゴォン!!



セラ。


「でっか!?」


黒い六面体。


一面ごとに変な文字。



Λ

0

???



セラ。


「最後なんなの!?」



シンガミ。


『特殊マス』


静かな説明。



『止まると世界崩壊』


セラ。


「軽く言うな!!」



その時。


横から声。



小鴉


「おもろそうやん」


セラ。


「乗るな!!」



空中。


黒翼を広げる。



鴉天狗


「負けた奴が管理者か?」


シンガミ。


『可能性あり』


セラ。


「ゲームで決めるな!!」



すると。


盤面が動き出す。



マスが増殖。


塔。


海。


終焉。


黒月。


意味不明な地名。



【絶望マス】

【管理者の間】

【観測停止】

【クロガミの店】

【セラ強制イベント】



セラ。


「最後やめろぉ!!」



小鴉がロードソードを肩へ乗せる。


笑う。



「まぁええ」


「暇やったしな」


鴉天狗。


「付き合ってやる」



シンガミが静かに立ち上がる。



『ゲーム開始確認』


その瞬間。


黒い世界全体が盤面へ変化する。



セラ。


「うわぁぁぁ!?」



巨大なサイコロが浮く。



∴ START



シンガミ。


『最初のプレイヤー』


静寂。



『セラ』


セラ。


「嫌ぁぁぁぁ!!」



黒いサイコロが。


ゆっくり回り始めた。



次回。


第二十三話


―最悪の一投―

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