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Ver1.23

新キャラ登場



「それじゃあ皆、今度は次のログインで」


 そう言い残し市場に向かった。

 

 ログアウトまで後3時間それまでに終るかな?


 とりあえずは変更したというか・・・ライズに強制的に変更されたミスリル装備はシャツとパンツ靴、グローブは黒一色にジャケットのみ濃い紺色にされた。

 何でも自分も含め桜花とエイシャの服装をエディット(デザイン作成)したのはライズだった。

 形もいろいろ弄られてインナーっぽい仕様で黒い玉に宇宙人と強制戦闘させられるマンガの強化服っぽくなり更に身体の線が見えるようになった。

 この上に皮鎧とかつけるつもりだからいいかと諦める。 バンダナだけは「素材がせめて皮ならヘッドギアに形が固定できるのに・・・」とぼやいていたが


 まあ、その装備のアバター(形状)変更の時、ミスリル素材と作った職人について聞かれたので正直に十一のことを紹介したら先に紹介した九影ともども弄り倒されていたのは二匹に悪いことをしたと思う。


 作業が済むまでは九影がガイ達PTメンバーとエイシャにモフモフと抱きつかれ困惑気味だった。 その時に一応ガイ達を覗きの説教&護衛クエストに誘い是非にと参加決定。 説教はダイとかに冷やかされて不発に終ったのは・・・いつか仕返ししちゃる。 とりあえずは夜営等考えれば9人に二匹が居れば十分だろうと思っていたが数名がペットをほしがりテイムすると宣言。 それならとテイムアイテムを安く売るぞと提案したら全員食いついた。


ペットの首輪×3 初期 野獣系テイムアイテム 500C

トリモチ×3 初期 鳥系等 羽持ちモンスターテイムアイテム 500C

奴隷の証×4 初期 亜人系テイムアイテム 1000C

妖精の楔×1 初期 妖精系 精霊系テイムアイテム 2000C


と、つけて売ると言ったら『安い!』と言って全部売った。 自分が要る分は抜いてある。

 ほしいのが被った者はジャンケンと言うことで敗者には涙をのんでもらう。 何気にぴこがジャンケン弱かった・・・後、やはりというか桜花は強かった。

 先読みというか・・・相手の手を見ながらしてたのは黙して語らず・・・オレだってするし・・・勝負の世界は厳しいのだ。


 そんなことを回想しながら歩いて行くと数分で市場に到着 そこの人々の活気を感じ高揚するのは独特の雰囲気に祭りに似たところがあるからだろうか。 正直に言えば祭りに今だ興奮するオレはまだ心情的にガキなのかも知れない・・・別に遠まわしでまだ若いと言ってる訳ではない!


「ここか・・・」

 武器や防具が立ち並ぶ露店に着いた。

 詩乃が言ってたのはここなんだが・・・

「ソコの旦那武器をお探しかい? ここは防具専門だが旦那の防具ほど良いもんは置いてないよ」

 店の奥から聞こえてくる声の内容に、こちらの装備を見定めた様子が見れたため期待はできる!・・・のだが落胆も激しかった。 主に声の質に・・・


「なんだよ・・・ボクの顔見た途端がっかりしたような顔をするのは失礼じゃないか?」


 そうだ・・・詩乃の知り合いってとこで女性だと言う可能性は少しあったはずだ・・・オレの想像のマッチョなオヤジの鍛冶屋を想像してたのは単に思い込みだった。 しかし今度はボクっ娘って・・・このゲーム女性のプレイヤーそんなに多かったっけ?


「すまない・・・ガルムさんかな?」

「おお、ボクがガルムだよ」

「ああ、やっぱりそうか・・・すいません、正直『ガルム』『凄腕』『鍛冶屋』という詩乃の言葉で厳ついマッチョなおっちゃんを想像してたので気が抜けました」


「詩乃・・・ああ、あんたがあねさんの世話になったって言う・・・しかしソコまで正直に言われると失礼通り越して清々しいな・・・ちっと癪だけど」


 歳の頃は20前後ぐらいの長い赤髪を背中で一本に編んだ小柄な女性・・・それがガルムの第一印象。 しゃべらなければこれもカワイイお姉さんなんだろうが口調で損をしてるタイプかも・・・いや今どきならギャップ萌えとか言うんだろうか?

 本人はそのファニーフェイスと言うのか?をしかめて苦笑している。


「申し訳ない・・・性分だ」


 機嫌を損ねたようなので頭を下げる。


「全くフォローになってねえよ! まあ頭を上げてくれ客なんだろ?」

「ああ、込み入った話なんだが・・・」

「あと、タメ口、敬語はいんねえよ。 あんたのことは姉さんから聞いてるんでな政十郎さん」


 ニヤリと笑う・・・笑ったつもりなんだろうが・・・子供がイタズラに成功したときの笑顔みたいだと言ったら怒りそうだな。


「そんなら助かる。 初対面の女性にはできるだけ丁寧に対応してるんでな。 特に成人してる方は個人を尊重して?」


「・・・いきなり砕けるもんなんだ・・・なあ、何でボクが成人してるって分かった?」


 今度は目を見開いて聞いてくる彼女はある種・・・猫のように表情が変わる。


「ん? 雰囲気かな・・・自立してる女って感じがした。 後は勘」


 彼女の顔が今度は満面の笑みに変わった・・・ああ、お持ち帰りしたいとか言うのはこういう愛でる対象に使うんだっけ? やったら犯罪だろうが年寄りに人気が出そうなキャラかもな・・・


「あんた・・・ああ~いい難いから政さんでいいか?」


「ああ、そう言われる方が慣れてる」


「政さんいい目~してるわ! セジにしても気に入ったこれからよろしくな!」


「ああ、よろしくな」


 小さな手を出してくる。 その手にオレは手を重ねて握手に答える。 握手なんてアメリカで営業してた時以来だな・・・そんな感想だった。



「ほんじゃあどういった注文なんだ? ボクにできることなら武器と防具は揃えれる・・・あと少しなら強化と付与か」


 案外できることが多いと思うが昨日の今日で凄いもんだ・・・良く見るとガル(本人希望頭脳な戦艦のシューティングではない)・・・ガイと間違えないようにしよう・・・のLVは20でカウントストップしている。


「ずいぶんできるようだが・・・鍛冶職ってそんなにLV上げやすいのか? オレがいえたことじゃないが・・・」


「ああ、LVね・・・鍛冶職は物を作っても経験が入るんだがなんか野郎共が家に仕事を持ってくるのが多くてね後オマケとかいって素材を結構くれるんだよ」


「ほお・・・モテルもんだな」


「止めてくれ・・・昨日なんかハンマーもって狩りに出たら何とか言うアニメのキャラに似てるからって勘違いされて何人かに付きまとわれたんだ!」


 心底イヤだったのか両腕で自分の身体を抱いて震えるようなジェスチャーで顔をしかめている。 ・・・赤毛・・・ハンマー・・・ロリ? ああマジ狩るなのに出てくる守護者のあれか! 確かに赤い服装したら・・・


「忠告しとく・・・赤いゴスロリきてベレー帽かぶって外に出ないことだ」


 何故かガルは驚いた表情


「何でボクの狩り装備のアバターを知ってるんだ!?」


 おう・・・紙よ・・・既に遅かったようです。 だから絡まれたんだな・・・ファンに・・・

 その後『高速作画』でそのキャラを描いて見せてやると「にゃあ~~~!?」と本気で猫のように驚いていたのは別の話。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そしてその後同じようにイラストでどんな感じの鎧が良いかを見せて話し合い

 素材を提供する段でひと悶着あった。


 ボス素材の狼王各種が今のガルでも加工できないということだった。


「こんな素材どこで手に入れたんだよ・・・初めて見る素材だし説明文の(ボス)ってやっぱりあれか?」

「ああ、森の奥の巨狼のドロップ・・・らしい」

「らしい?」

「クエスト達成の時の初討伐記念の宝箱から出たんだよ」

「ほう・・・他にドロップは?」

「『盗賊』の『ピックポケット』で取ったのは金が大半でな・・・何故か素材が出なかったんだ。 あとこんなのも出た」


 そういって『曲刀の設計図』を出した。


「!? おま、これってスゲエ! 鍛冶職なら絶対ほしいアイテムだぞ!」


 やはりか・・・えらく驚いてる。


「ほしい?」


 オレの言葉に一瞬躊躇。


「・・・ほしいな・・・」


 しかしそのアイテムの魅力が勝ったのか声を低くして呟くように言った。


「あげない・・・(ニヤリ)」


 そしてお約束の意地の悪い笑みで返し、すぐにフォローに入る。


「冗談だ、タダじゃ・ないってこった・・・だからその振り上げたハンマーを下ろせ」


 そう言って曲刀のスクロールをガルに放り投げる。

 慌ててそれを受け取ると二へ~っと笑う・・・こんなとこが無防備だな・・・この娘は・・・

 まあ、心配しても始まらん。 交渉に移ることにする。


「なあ・・・ガル聞きたいんだが・・・」

「おうなんでも聞いてくれ! 今ならスリーサイズでも教えてやりたい気分だ」


 凄く嬉しそうにサラリとエライコトヲ言ってくる。


「そんなんいらん・・・それよりもガルさんよ、お前さんこのテスト終ってもこのゲームやる気はあるかい?」

「そんなこと扱いは凄く女として心を抉られる気がするけど・・・あ、別に抉れてないからな! 出るとこでてるからな!」

「んなことはどうでもいいから・・・曲がりなりにも男にそんな話をフルな! 対応に困る」

「おお・・・悪い・・・そっか女扱いはしてくれるんだ・・・」


 小声で何か言ってるが聞こえない聞こえない・・・


「なにボソボソ言ってる・・・で?」

「ああ、大丈夫だ製品版の予約も取るって決めた。 姉さんに誘われてやってみたけど結構ハマッテルしな」

「詩乃に? もしかしてリアルフレンド?」

「うん、ボクは姉さんの後輩で学生ん時からの付き合いなんだ。 今は仕事でも後輩」


 ガルは少し嬉しそうに顔を綻ばせる。 よほど詩乃を慕ってるんだな・・・


「ほお~ソコまで付き合いが続くってよほど縁があるんだな」

「いや~実は姉さんに憧れて追っかけていったってのが正直なとこなんだわ。 でもやりたいことが重なったから同じ会社とこを選んだだけでボクだってソコまでミーハーじゃないからな!」


 照れた様に独白し・・・ハッと何かに気付いてまくし立てるように言い直す姿はほほえましい。


「ああ、それを聞いて安心した・・・人の趣味にどうこう言わないがそっち方面の人かと思っちまった。 すまん」

「そっちって・・・!? 違うからな! ボクは普通に姉さんに憧れてるけどちゃんとした男が好きだからな!」


 ここで男好きか・・・と茶化すのもいいが脱線しまくってるから話を戻そう・・・


「ワカッテルって・・・で続けるならそれは先行投資でガルにやるよ」


「なんか納得イカねえ・・・ってホントにいいのか!? 多分これ売ったら凄い価値になるぞ?」


「もう一つ持ってるんでそれは売る・・・でだ、ガル・・・お前の腕を見込んで頼みがある」

「さっきからもったいぶってるが・・・そんなに深刻なことなのか?」

「そうだな、簡単に言えばオレの戦闘装備のほぼ全てを任せたい。 プレイヤーメイドからデザイン、ドロップアイテムやレアの強化やこれから実装されるであろう鍛冶の利点を全て」

「専属ってヤツか? それだけなら他にも下心出してる野郎が言ってきたが政さんなら喜んでやるよ? でもソコまで念入りに前フリしたのは何でだ?」


 そこにガルは不思議そうにしているがある程度訳がある。


「オレが考えてる戦闘方法なんだがな・・・PVP特化で考えてるんだわ」

「対人戦か? それで?」

「ぶっちゃけると手品みたいな戦い方なんだが・・・タネが分かると効果が下がる」

「・・・なるほど・・・そのタネをボクに作ってほしいんだね?」


 ガルも要領を得たようで二人してニヤリと笑う。


理解わかってくれた様で話が早い。 実際に思いついたら説明して作成してもらう。 代価はそのつど適度に払う。 タネについては秘密厳守ってことだ」

「秘密厳守は分かった・・・でもまだPVPって実装されて無いだろ? それに手品ってそんな余裕もだけど強いのか?」

「そうだな、趣味的に見せるだけの物も考えてる演武みたいなのとか? あと・・・『念動』ってスキルがあるんだが知ってるか?」

「演舞? 『念動』・・・『サイコキネシス』って魔法なら知ってる」


 小首をかしげた後『念動』でなく魔法を言ってきたが・・・『サイコキネシス』って魔法があったんだ・・・


「それってどんなものだ?」

「『サイコキネシス』か? そうだな『第六感』をとった魔法職の知り合いがスキルで取れるようになったからってポイント使って取ったんだけど・・・」

 聞きながらスキル欄を開き確認する。 ・・・あったよ・・・『テレパシー』と『サイコキネシス』・・・・・・あれ? 

「おお!!?」

 思わず声を上げてしまった。

「なんだ!? どうしたんだ!?」

「ん・・・ああ、すまん話聞いて確認してたらチョットいいスキルを見つけたんでな」

「そ、そうか・・・ならいいが・・・」

「話を折って悪い・・・で?」

 驚かせたようだが話を進めてもらう。

「ん~どこまで話したっけ・・・あ~何でも使えないってことだった」

「使えない!? なんで?」

 あんなに使い勝手がいいスキルが?

 話を聞いてると納得もする話だった。

 今は初日と言うこともあって一部のスキルの能力決定を解除するアイテムが格安で出回ってるらしい。 それを使って魔法職の有志が検証を行った結果。

 最大重量60kgまで操作可能・・・しかし接触で振り回すにしても質量がある分遅い当たらない。 武器の必要筋力を無視できるも威力は武器任せ。 魔法職が両手剣を片手で持てるやったーと思ってたらMP消費が凄くて1分持たない。 威力も普通に魔法を唱えたほうが3倍以上の効果がある。

 逆に発動距離を特化したら5mまで伸びたが1kgしか動かせない。 石を操作して投げたところ操作に慣れないと標的にあてることも難しい。 5m内なら当てられるがやはり武器ダメージのみとMP燃費の悪さが目立った。

 結論は距離は中途半端、重量も30kgでもあまりいい使い道が無くそれなら普通に杖で殴ったほうがダメージ高いだろという意見が出る。

 消費MP減少も極フリしても意味が無くあまり実用性は見られなかった。

 途中オレみたいに重量50kg距離10cmが最適で飛んできた矢を『サイコキネシス』の壁で防ぐということができた。 しかし魔法の壁を展開するほうがコストが安く1分持たない壁で敵の攻撃を待つなら魔法撃てということになった。

 後は重量極フリで土砂や水を運ぶとかしか運用方法が無く、お遊びスキルと言うことになる。


「なるほどな・・・」

「聞いてるとホント使えないスキルだろ?」

「いや・・・『サイコキネシス』も『念動』と同じで使えそうだぞ」

「ええ~さっきの話聞いてたんだろ? 『念動』ってのも聞いてるとMPからAPに変わっただけだろ?」


 疑わしそうにジト目のガルにさっき試してたことを実演してみる。


「見てろよ・・・」


 まずここでもできることでやってみる。

 『浮身』で体重を0にそして『念動』で身体を持つようにイメージ


「・・・・・・え? ええ!? 浮いた!」


 そう、今オレは露店で胡坐をかいて座ったままどこぞのサイキック戦士みたいに浮かんでいた。 訓練場は広かったのでバカみたいに飛び回っていたが・・・なんで最初に空を飛ぼうって発想に行かなかったか悔やむところだ・・・フィーとの戦闘で絶対役にたったはず。


「な? 他のスキルと併用すればこれくらい簡単にできるし空も飛べたぞ」


 そういいながら元に戻る。


「え~~~! いいな~ボクも飛んでみたい! どうすればできるの!?」

「まあ、まて・・・これが手品だ・・・ただし一部な」


 ニッとイタズラ成功の笑顔を向けてやる。


「政さん・・・その顔悪そうだから止めた方がいいよ? まあ悪の幹部っぽい好きな人はいるかも知んないけどさ・・・」

「巨大なお世話だ・・・」

「ははは・・・でも確かに飛べるってだけで凄いアドバンテージだよな・・・政さんのタネは極秘にするのも頷ける・・・だから教えて」

「可愛く言っても変わらんぞ・・・タネは教えるんだから無駄なことは止めろ」

 呆れた口調でたしなめると二へッといい笑顔になる。

「は~い♪」


 とりあえずガルを弟子にして『教え上手』セット『重心移動』は反復横跳びでゲットその後椅子に乗ってもらい、『重心移動』で全体重を椅子に移す、戻す、移すで『浮身』をゲット。 後は『第六感』を習得するまでできないので取り方を教えて習得したら連絡するということになった。 フレンドがまた増えた・・・携帯のメアドでその人の交友関係が分かるというが・・・俺のフレンドが女性が多いのはいかがしたものか・・・

 そんなバカなぼやきを過去にオレからの初依頼は・・・


「携帯糸巻き機?」

「ああ、最低二つできれば壊れた時用にスペアも二つほど、構造は・・・こんな感じか」『ピロン!』

 『高速作画』で図面を書き終わった瞬間、スキル取得のシステム音がなった。


『政十郎作成レシピ』

説明を入れてください


こんなアイテムができたので変更

 

『携帯糸巻き機』

腕の内側に装着するリール


「なあ、政さんこれって作成レシピだぞ・・・」

 なんか真面目な顔でガルがオレの造った?アイテムを見てる

「そう説明に書いてあったな」

「レシピって作成始めて完成したらやっとできるものなんだよ! 手で描いた落書きがレシピになるって初めて見たぞ!」

「落書きとは失敬な、建築図面製作、製図、CADの資格はちゃんと持ってるし、仕事でも通じたプロの図面だぞ」

「政さんそっち方面の仕事なのか・・・ってかリアル技能も反映するのかよ!?」


 あ、『製図』ってスキルゲット・・・に『レシピ作成』ってある。


「いや、SEシステムエンジニア系統だ」

「ぜんぜん関係なかった!?」

「資格マニアなもんで・・・でも実用はさせてるぞ・・・実用できないのもあるけど」

「何もんだよ・・・あんた・・・」


 なんか呆れられた。


「何はともあれ作れるか?」

「ああ、レシピ使うよ?」

「ああ・・・その為のレシピです」


 ガルがシステムを開いて操作をしている。


「政さん、素材だけど何使う? 木、銅今なら鉄も少しあるけど?」


「これ使えないか?」


 テーブルにミスリル塊をゴトンと置いた


「なんだそれ? ・・・・・・もう何もいわねえぞ」

「使えるか?」

「やっぱ言わせろ! ナンだよこのミスリルってむちゃくちゃ純度たけえよ! これで少なくとも10個はミスリルマテリアルが作れるよ! でも・・・」


 イキナリ威勢が落ちた。


「どうかしたか?」

「ボクの腕だと失敗するかも知れない・・・基本LV20になってるけど『鍛冶』スキルは14なんだ・・・もう少しLVが上がれば成功率も上がるんだけど・・・」

「かまわんやってくれ」


 ガルは信じられないモノを見たように目を見張る。


「なあ、悪いことはいわねえから今回はランク下げたほうが良いって。 この素材だけで今買えるヤツなんていねえよ。 それがもしかしたら消えるかもしれないんだぞ?」

「なら、一回だけやってみてくれ消えたところで元々ひろいもんだ」

「・・・そりゃ~ドロップだしな・・・わーったよ! マテリアルにするのには失敗しないからとりあえずいくらに分かれるかやってみる!」

 ガルがヤケ気味になって作業場に向かう・・・露店の中に作業用のアイテムってシュールだ・・・

「おう頼んだ」

『ますたーてつだう』

『ん? 何かできるのか』

『うん、みすりるの精霊、はだてじゃない~』

『よし、やってみろ』

「ガル!」

「なんだ!? え?」

「助っ人だ」


 十一がガルの頭に乗っかると静かになった。

 念話でなにか話しているらしい。


「分かった・・・サンキュ政さん」

「おう」

「キュウキュ♪」

「!っぷ・・・ははは!」


 なにやら二人・・・と、しとこう・・・が話しをしながら笑ってる。

 チラチラとオレを見るガルの様子でなにかしら言われてるのかも知れんが・・・まあ緊張はとけたようだな。


 ガルがミスリル塊に向かって数回ハンマーを振るうたびに塊が小さくなっていく。

 それが最初に振るった回数より小型化の間隔が狭まっていき・・・塊が無くなった。

 ガルが良い笑顔で向き直る。 なんかやり遂げたって感が凄い。


「政さんよ・・・ざまあみやがれ! 全部合わせて19個のミスリルマテリアルだ!!」

 「おう、見てたぞ・・・それに腕が上がったんじゃないか? 見てる分に分かるくらい最初と最後の動きが変わってたが」

 オレが言うと「え?」と、言う呆然とした表情から慌ててシステムを開いて即驚いた顔になる。


「政さん・・・『鍛冶師』のスキルが・・・17になってる」

「何!?」

「今ならミスリルで防具でも剣でもできちまうぞ! しかも・・・さっきのボス素材も加工できそうだ!」

「ほう・・・ならちょっと待ってくれ、図面をひきなおす」


 『製図』をメインに『高速作画』との『レシピ作成』で新しいレシピが完成した。


『ストリングアーム』

手の甲に装備する小型ウインチ


 動力は『念動』だが糸を挟んで止めるストッパー付き。 カバーも厚く超小型の盾みたいなもの。 むき出しだった機構は完全カバーの一品。


「なんでこんな複雑な機構を瞬時に考えられるのかね・・・」

「そんなもんエンジンのチューンや、水車の粉ひき小屋の設計に比べたら軽いもんだ」

「比べるもののチョイスの統一性の無さが怖いわ! まあいい作るぞ!」


 そういって十一を頭に乗せたまま作業に入るガルであった。




今回のスキル


R『製図』PS

作成、設計図面を作成『レシピ作成』使用可能

器用 知力にSLV分大補正

条件・・・基本LV20以上 『精神集中』『描画』取得 『スクロール学』MSTの条件が揃い アイテムの図面を作成すると取得できる


ドンドン装備と個性的なフレンドが増えていく政ちゃんでした。

なお作中の『サイコキネシス』は化ける魔法の典型ですね

LV20以上がアップデートでLVキャップ取れたら・・・

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