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悪魔と狩る者達(2)

悪魔対策本部の拠点『地の砦』は、地中に建造された地下要塞である。


世界各地に設置された転送装置からしか入る事が出来ず、その正確な所在地等の情報は一般の構成員達にも秘匿されている、超重要機密だ。


部外者を招き入れる事もその情報漏洩に繋がりかねない為、当然禁止である。先程転送元の装置の傍に居た術士が渋っていたのも納得だ。


センカの先導にて何処かに向かう道すがら、そんな説明を俺はセンカから受けていた。そして、


「報告前に寄り道。付いてきて」


そう言って、センカは何処かの一室に入っていく。その部屋の扉には、『武器開発部』と書かれていた。


そこで、俺はふと、一つ疑問に思った。


(何で俺、字が読めるんだ……?)


その扉の文字は、明らかに自分が元いた世界とは違う言語だと直感でわかる。しかし、何故か俺はそれを読む事が出来ていた。


知らない文字なのに読める、それが俺には堪らなく気持ち悪く思った。


そんな事を考えながら、俺はセンカの後に続いた。


室内は、如何にも工房と言った感じであり、中央に大きな作業台と、手入れの行き届いた工具類が収納された棚、金属の加工でもするのか大きな釜らしき物まで見られた。


そして、そんな室内には煤の付いた服を着ている二十代位の男がいた。作業台の前で何か武器らしき物をいじっていた。


「久し振りね、クロム」


「ああ? 何だセンカか。今回は随分と遅かったじゃねぇか……てっきり死んだかと思ってたぜ」


「ちょっとね。それよりもこれ、修理お願い」


センカはそう言って、鞘に収められた剣をクロムとやらに投げ渡した。


クロムは鞘から剣を抜き、その折れた刀身を見ると明らかに愕然とした表情を浮かべていた。


「おいおいまた随分派手にやりやがったな!!? 折れた刀身は!!?」


「知らない、どっか飛んでって無くなった」


怒鳴るクロムにも意に介さず、センカは何食わぬ顔をしながらそう告げた。


「ちゃんと回収しろよ!! ったく、テレジア合金も数に限りがあんだぞ……!!」


「テレジア合金?」


俺が疑問に思い口から言葉を零すと、センカがこう説明してくれた。


「対悪魔武器に使われる特殊な合金の事よ。クロムが言う通り希少な金属で数に限りがあるわ」


「成る程……それを平然と無くしたと言われれば、この苦言も納得だな」


「ん? そういや、そのガキは何だ? ……まさか、そいつが例の!!?」


「ええ、彼が『クリミナル・ワン』よ」


「おお!! そうか!! 会いたかったぜ!!」


クロムはそう言うと、かなり興奮した様子で俺に詰め寄ってきた。


「それじゃあそれじゃあ、早速『アレ』見せてみろ!!」


「あ……アレ……?」


「『聖剣』だよ!! ヘクターのレポートにもあった、クリミナル・ワンの機能!! この目で見たかったんだよ!! さぁ!!」


「わ、わかった……」


クロムの放つその圧に気圧されてしまい、観念した俺は聖剣を出して見せた。


「おお……これが聖剣か!! 何だこれは最早剣なのか? 凄ぇ!! この牙が動くのか? なぁ、ちょっと動かしてみてくれよ?」


「あ、ああ……」


俺はクロムの言う通り、聖剣の刀身の牙を奔らせた。唸りを上げながら牙を奔らせる聖剣を見たクロムは、それよりも大きな声で歓喜の唸りを上げた。


「うおおおお凄ええええええ!!!!」


「……じゃあ私は報告に行ってくるから、貴方はクロムとここで話をしてて」


「え? ちょ、センカ……?」


「大丈夫、彼はちょっと変人なだけで悪い人間じゃないから」


センカはそう言い残して、部屋を後にした。


「いやぁ良いもん見せて貰ったぜ!! サンキューな!!」


「ああ……それじゃあ、今度は俺から訊いても良いか?」


「ん? ああ、俺が答えれる範囲であればな」


「助かる……じゃあ教えてくれ、この『世界』についてを」

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