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悪魔と狩る者達(1)

「……着いたわ。ここよ」


 あれから長距離を歩き、すっかり憔悴した顔をしていたセンカが、俺にそう告げた。


「やっとか……なんか、思ってたのと違うな」


 てっきり要塞みたいな物を想像していた俺は、目の前のそれを見て正直拍子抜けていた。


 一見すると石の外壁に囲まれた、一階建ての木造の平屋であり、とてもではないが一組織の拠点とは到底思えなかった。


「ここは『入り口』の一つなの。さあ、中へ」


 センカがそう言って平屋の中に入ると、俺も追従して中に足を踏み入れた。


 そして、その平屋の中央には、


「これは……?」


 何かの紋様が刻まれた台座がそこにあった。そしてその周囲には、三人の人間が立っている。


「本部へ繋がる転送装置よ。ここに駐在している術士達が起動して、本部へ行けるわ」


 センカは説明すると、装置の傍の術士の一人に駆け寄り、声を掛けた。


「構成員No.651 センカ・ギンガイと同行者一名、本部への転送をお願い」


「はぁ? 何言ってんすか? 部外者連れ込んで良い訳……」


 センカは舌打ちすると、ヘラヘラしていたその術士が言い切る前に、その首を掴んで絞め上げた。


「お、おい!!? センカ!!?」


 センカに絞め上げられ、バタバタと苦しそうに悶えている術士を見て、俺は狼狽えながら声を投げ掛けた。


「彼は例の兵器よ、部外者じゃないわ……早くしろこっちは疲れてんのよ早く早く早く……」


 据わった目で術士を睨みながら、その手でギリギリと首を絞めるセンカ。あまりの彼女の迫力に俺や他の術士達は完全に気圧されてしまい、近付けないでいた。


「わ……わかりました……!! さーせん……!!」


 術士が了承すると、センカは術士の首を離す。術士は自身の首を掴みながらゴホゴホと咳き込み、その場にへたり込んだ。


(この女ひょっとしてかなりヤバい女なのでは……?)


「さぁ、行くわよ。台座の上に乗って」


 センカは何事も無かった様に言うと、俺は頷いて台座の上に飛び乗り、センカも続いて上がってきた。


「そ、それじゃ、行きます……」


 周囲の術士達が両手を前に翳し、装置とやらを起動する。すると、台座の紋様が強く輝き出し、俺達の身体は光に包まれ視界が白く染まった。


 そして、光が消えると、俺達は先程とは違う場所に来ていた。


 先程と同じ様な台座には立っているのは同じだが、その台座の置かれてい場所が違う。木造の平屋の中ではなく、石造りの広い部屋の中となっていた。


「お帰りなさい、センカさん。遅かったですね」


「ただいまニコ。道中ちょっとトラブルがあってね」


 センカの知り合いであろうか、台座の傍に居た術士達の中の一人が、センカに声を掛けてきた。センカも親しげに、そのニコという女性の術士に言葉を返している。


「センカさん……其方の子は、もしかして例の?」


「そう、例の兵器よ……さて」


 センカはそう言って、俺の方に向いてこう言った。


「ようこそ、悪魔対策本部拠点『地の砦』へ」

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