貴方は最終兵器(3)
「ガァァァァァ!!!!」
「!!?」
先程ぶっ飛ばした怪物が起き上がり咆哮する。俺は視線をその怪物に向け身構えた。
全力で殴り飛ばした筈だったが、あの怪物には大してダメージは入ってない様子だった。
「ちっ、何なんだあの化け物は?」
俺は隣で未だ起き上がれずにいる女に問うと、女は息絶え絶えの様子で答えた。
「悪魔よ……あれは、専用の武器が無いと倒せない……」
「成る程……それで、その武器はあるのか?」
俺が言うと、女は右手に持っていた剣を見せてきた。その刀身は半ばで折れており、刃はナイフ程度しか残っていなかった。
「……よしわかった、それじゃあ俺が奴を引き付けておくから、アンタはどうにか逃げてくれ」
倒せないのなら仕方ない。俺は逃げ延びる方向で話を進めようとし、その悪魔とやらに向かっていった。
「グアアッ!!!!」
俺が駆け出すと、悪魔もこちらに向かって来ていた。悪魔は俺に向けてその巨腕を振りかぶった。
「ふっ!!」
俺はそれを受け止め、悪魔の右腕を掴む。そして俺はそのまま掴んだ腕を力任せに引いて、
「はぁぁぁぁっ!!!!」
悪魔の巨躯を振り回し、女のいる方とは反対方向へとぶん投げた。悪魔の巨体は屋敷の壁を突き破り、外に放り出された。
俺はこのまま悪魔を遠ざけようとし、悪魔の方に向かおうとした。
「待って!!」
すると、女は俺を呼び止めた。俺は女の方に視線を向けた。
「貴方は……悪魔を倒す為の最終兵器として開発された兵器クリミナル・ワン!! 貴方には、あの悪魔を倒す為の機能が隠されている筈……!!」
「? いきなり何を言ってるんだ? 俺が……兵器……?」
「思い出して!! 貴方なら、あの悪魔を倒せる!!」
「んな事言ったって……俺には記憶が……」
「ガァァァァァ!!!!」
「!!? ちっ、もう向かって来てる」
俺は再び身構えた。そして構えながら、女の言っていた事について考えていた。
(俺が、兵器? 悪魔を倒す為の?)
もしそうであるなら、奴の硬い身体を斬り裂ける様な剣の一本でも出せたらと、そう思った。
「!!?」
すると、俺の頭の中にあるイメージが浮かんだ。
それは、一振りのとある『剣』のイメージ。
そして、俺の右腕には、イメージで出てきた剣が姿を現していた。
「これは……!!?」
初めて見る筈なのに、何故かその剣の名前がわかる。その名は、
「第一の機能……聖剣『デモンブレイカー』!!」
それは、聖剣というにはあまりにも無骨で禍々しい形状をした刀身で、その刃には更に、無数の牙の様な小さな刃が並んでおり、それが獣の唸り声みたいな音を立てながら刃を伝って高速で『奔って』いた。
「……随分厳つい剣が出て来たな」
そのあまりにも凶悪な形状に、呼び出した俺自身が引いていた。
そうしてると、悪魔がこちらに向かって走ってくる。俺はそれに迎え撃つ様に駆け出し、その聖剣を振るった。
「うおおおおおっ!!!!!」
俺は聖剣を悪魔の頭上目掛け振り下ろした。
聖剣の刀身は、その無数の奔る牙で悪魔の肉を削り飛ばしながら食い込んでいき、悪魔の身体はそのまま頭から真っ二つに斬り裂かれた。
そして、引き裂かれた悪魔はそのまま、物言わぬ二つの肉塊と化した。
「凄い……一撃であの悪魔を……」
それを見ていた女が、驚いた様子で呟いていた。
「さて……今度こそ話を聞けそうだな……アンタ、そろそろ立てそうか?」
俺が手を差し出すと、女はその手を取って立ち上がった。




