蘇った街(1)
転送装置により転送後、俺達はラウザの街へ向かった。
しかし、そこには、
「何よ……廃墟のまんまじゃない……?」
目の前の廃墟の待ちと化している、嘗てラウザの街だった物を見て、センカは言葉を零した。
通信が取れなくなったという構成員曰く、いつの間にか街が復活していたという話だったが、その街は何処にも見当たらなく、目の前に広がるのは悪魔によって滅ぼされたゴーストタウン只それだけだった。
「……嫌がらせで偽の情報聞かされたって事は、無いか?」
「無い……と、言い切れないのが悲しいわね……」
上層部とやらとあまり仲良く無さそうなセンカなら充分有り得る、と俺も思った。が、可哀想なので口には出さなかった。
「取り敢えず、中を見てみましょう。ハジメ、手分けするわよ」
「分かった」
そして俺達は、廃墟の街の中を二手に分かれて散策した。
しかし、日が暮れるまで探しても、大した物は何も見つからなかった。
その夜、この街で夜営する事にした俺達は、焚き火を囲んで食事を摂っていた。
センカが持ち込んだ携帯食料という食べ物で、堅いパンみたいでやたらパサパサとしていた。正直あんまり美味しくない。
俺はそれを水筒の水と一緒に頬張り、喉の奥に流し込む様に平らげた。
そして、お互い食事を終えると、センカから話し始めた。
「結局、街なんて何処にも見当たらなかったわね……」
「これからどうするんだ?」
「そうね……一度本部に戻って、情報を流した奴を絞め上げる事にするわ」
(目が据わってる……怖い)
明らかに機嫌が悪いセンカを見て、俺は心の中で呟いた。
「今日はもう寝ましょう……お休みなさい、今日はお疲れ様」
センカはそう言って、さっさと寝てしまった。
「……俺も寝るか」
俺は焚き火の後始末をして、同じ様にさっさと寝る事にした。
地面に敷いたシートの上に寝転がり、毛布に包まる。センカが持ち込んだ簡易的な寝具だ。
寝心地はあまり良くは無いが、寝るのには問題無さそうだ。俺は眠りにつこうと目を瞑った。
「……?」
しかし、そこで俺は何か違和感を覚えた。
俺達の周囲で、何か『良くない物』を感じ取ったからだ。俺は目を開けて上体を起こし、周囲を見渡した。
そして、その異変は確信へと変わった。
「せ、センカ……!!?」
センカが、居なかった。
先程まで彼女が寝ていた筈の簡易寝具の中はもぬけの殻であり、その枕元に置いていた剣と通信端末を残してその姿を消していた。
「何処行った!!? おい、センカ!!」
「……は?」
確か私は、ついさっき、あの廃墟の街の中で寝ていた筈。
それが、何故こんな所にいるのだろうと、私の頭にはそんな疑問が浮かんでいた。
夜だった空は昼間の様に明るく、廃墟だったのが嘘の様に何ともなくなってる街の建物、多くの人々が行き交う往来。
気付けば私は、すっかり元通りになっていたラウザの街の中で立っていた。
「……は?」
私の困惑は尽きず、ただ茫然とその場に立ち尽くしていた。




