悪魔と狩る者達(4)
「……と、いう感じで報告して来たわ」
「……ドン引きだよお前」
センカの話を聞いて、クロムは思わずそう言葉を零した。
正直、俺も同じ気持ちであった。この調子では、さぞ敵の多い人生を送ってる事だろう。
「それで、次の任務というのは?」
「報告の後、改めて任務の通達があってね。『クリミナル・ワンを連れて七罪の捜索と討伐に当たれ』って。そういう訳だから、明日出発するわ」
「それ怒りを買って追い出されたんじゃ……」
「まぁ、この女にとってはいつもの事だ……」
クロムは深く溜息をつき、部屋の隅にある鍵付きの棚から剣を一本取り出して、それをセンカに投げ渡した。
「一日じゃオメーの剣は治せねぇからそれ渡しとく。次会う時迄には治しとくから、代わりにそれ使っとけ」
センカはその剣を鞘から引き抜き、その刀身を見た。
センカの使っていた細身の片刃の剣とは違い、それより幾分幅広な両刃の剣だ。それを見てセンカは小さく頷き、鞘に収めた。
「ま、無いよりマシね。ありがとう、使わせて貰うわ」
「けっ……さて、それじゃあ次は」
クロムはそう言って、今度は俺の方を見てきた。
「お前の服、そのままじゃあんまりだろ。足も素足だしよ……てかセンカ、お前は何か用意してやろうとか思わなかった訳?」
「思ったわよ? だからまずここに連れて来たのよ」
「端っから俺に用意させる気だったなテメェは……」
何の悪びれも無く言うセンカに対し、顔に青筋立てながら苦言を漏らすクロム。
「……なんか、すまん」
「いや、良いよ。それじゃあえっと……そういや、お前何て呼べば良いんだ?」
「そういえば貴方、記憶が無いんだったわね。確かに名前が無いと不便ね……じゃあ仮の名前として『ハジメ』と付けるわ。どうかしら?」
「お前クリミナル・ワンの一から取っただろ、安易過ぎるわ……」
「俺は……別にそれで構わない」
「じゃあ決まりね。貴方の部屋は手配してるから、服の仕立てが終わったらそこで休みなさい……じゃあ明日から宜しくね、ハジメ♡」
センカはそう言って俺の肩を叩くと、部屋から出て行った。
「……はぁ、あーその、アレだ。碌でもねぇ女なのは何となく察してると思うけど、まあ頑張れ……何かあったら、何時でも言えよ?」
「あ、ああ。ありがとう……」
そうして、クロムに服を仕立てて貰い、その後センカが用意してくれた部屋で休ませて貰った。
そして、その日の夜の事だった。




