2 人間の少ない世界なんだって・・・マジで?
神様はヤンデレ・・・実はヒロイン?
「神様・・・・?」
「そうだよ。よろしくね中村陽介くん」
笑顔でそう言った目の前美女に様々な疑問が浮かぶ。
何故俺の名前を知ってるとか、神様って何だとか、ここが異世界ってどういうことだとか、色んな言葉が出るけど・・・俺がそれらを口に出す前に美女は言葉を続けた。
「混乱するよね?まあ、でもほんとに端的に言えばここは異世界なんだよね。それで、君はトラックにひかれて死んだから僕がこっちに喚んだんだ。」
「えっと・・・それが本当ならなんで俺を?」
信じる信じないは別にしてもそれは気になった。
すると目の前にいる美女は濁ったような瞳で愛しそうにこちらを見つめた。
「それはね・・・君ならこの世界で上手くやれそうだからだよ。この『人外』の多い世界で」
「は?人外?」
「そう。獣人、エルフ、ドワーフ・・・ファンタジーな存在から始り、妖怪やらアンデッドとか人以外の知能がある種族が多いのがこの世界。人間もいるにはいるけど・・・世界でも1割くらいの比率かな?」
1割・・・一体どのくらいの比率なのかにもよるが、それが本当なら本当に人間は少ないのだろう。
「それだと、この世界の人間は相当レアな存在なんじゃ?」
「そうだね。とはいえ特に贔屓もされてないし、逆に奴隷のような扱いも受けてはいないよ。・・・まあ、種族によっては人間が雑に扱われたり、神様のように崇められたりするけどね」
「極端だな・・・」
「でも・・・人間が少ないのはうれしいでしょ?」
呆れたように呟いた俺に美女はニヤリと不適に笑った。
しかし、瞳にはこちらを見透かしたような強さがあって、俺はその言葉と瞳にどきりとする。
「知ってるんだよ。君が人間不信・・・いや、人間が嫌いなこと。その原因もね。だからこそ・・・君はこの世界がピッタリだ」
「な、なにを・・・・」
「人間がダメなら人外ならどうだろう?少なくともこの世界を知る僕から見れば・・・君なら上手くやれるだろうと思ってね」
言葉に詰まる俺に構わずに美女はこちらに少しづつ距離をつめてくる。
「実際、この世界も君のいた世界も人間とは愚かだと僕も思えたよ。なかには面白い子もいたけど、人外の方が穢れが少なく純粋な分僕好みだしね・・・そんな中で君を見つけた」
1歩1歩確実に近づいてくる美女。
俺はそれに動けずにいた。
「人間に絶望しながらも他の存在を求めて・・・それをひた隠しにする君を僕は愛しく思った。可愛いとね・・・」
美女の瞳は澄んだ色をしているが・・・心なしか濁ったような色がところどころに見えて、その瞳は圧倒的な熱があった。
「しかも、君は最後の瞬間に『ようやく終われる』なんて思っていたし・・・本当に僕好みの可愛い存在だよ君は・・・」
美女が目の前にたどり着き、そっと手を伸ばして俺の頬に触れた。
恐怖はない、嬉しさや、異性へのドキドキもない。
あるのは目の前の存在への疑問。
「どうして・・・」
溢れた言葉はそれだけだった。
しかし、美女は嬉しそうにその言葉に微笑んだ。
「理由はいずれ分かるよ。陽介くん、僕のことはシーと呼んでくれていいから・・・また会おうね。今度は会ったらその時は・・・」
妖艶に微笑んだ美女・・・シーは俺から離れる前に俺の額にキスをした。
「はっ・・・?」
「大好きだよ・・・陽介くん」
そんな突然の展開にぼけーとしている俺にそう告げて次の瞬間にはシーの姿はなかった。
なんていうか・・・ほんとに神様なのかな?
色んな疑問が頭を駆け回るけどとりあえずは・・・
「結局ここって異世界なの・・・?」
それしか言葉に出来なかった。




