上手くいくかな……
初行式が始まった…始まってしまった。
ルカとシャナは父達に見つからないよう後列で背を丸め顔を下げた。女にしては2人とも身長が高いのだ。
「だから私は背を小さくしたかったのよっ!」
小声でシャナはそう言い放った。
167cmのシャナは伸び続ける身長を止めるため大好きだった牛乳を辞め、飲み過ぎると骨を溶かすというコーラを毎日がぶ飲みする努力をしていた。
「今そんなこと言ったって仕方ないでしょっ!…とにかく、どうにかここを抜け出して馬の所へ――」
「無理よ」
「どうして?」
シャナが指差す方向を見ると、ちょうど門兵が重厚な扉を閉めた後だった。
ガシャン……
もう外には出られなくなった。
「ど、どうしよう……出られないと帰れないし、父様達に見つかったら絶対に怒られるわ…シャナ〜、どうする?」
「落ち着いて、ルカ。こういう時こそ置かれた状況を簡単に考えるの」
「どうやって考えるっていうの?」
ルカは既に泣く一歩手前だ。
「外に行けないなら中に入ればいいの。――建物に潜入するわよ」
「っ!?な、何言ってるの?そんなことしたら余計見つかるんじゃ――」
「見つからないわ、絶対にね」
シャナの余裕ありありな顔にルカは首を傾げた。
「これから合否番号が掲示されるわ。その後、父様から合格者に向けて賛辞の長い言葉が送られるの。それが終わると彼等は自由に軍界内を探索して回り式はそれで終了。だから私達は誰もいない建物内に隠れていて流れこんでくる彼等に紛れて外に出るのよ。その頃にはあの扉も開いてるでしょう」




