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冷たい
疲労が溜まった身体で人がちらほらと歩く街中を俯きながら歩いた。家に帰るのではない。ただひたすら歩きたいのだ。目的地も決めず…馬の足も借りず…
冷めた夜空を仰いでみても、好きな酒を飲んでみても気分は一向に晴れなかった。国壁に貼られた新聞には大きな見出しで【ヤダナシカ村 虐殺】の文字が赤字で書かれている。残り少ない力を一層奪った。
「…おい、アイツ、ヤダナシカ村の……」
「ん?あぁ、そうだ。人殺し部隊の隊長だ。あんなひでぇ事しといてよく酒が飲めれるもんだ」
「おっかねぇよ」
「あんな人が軍界で国を守っていいの?さっさと街から出ていってくれればいいのに」
「これっ!声が大きい。見て見ぬフリするのが一番。ほら、行くわよ」
冷たい視線を背に浴びながらセヴィルは歩いた。
手に持つ酒瓶の中身もあと僅かだ。
『何処にも、逃げ場はない…か』
悟った事を酒と一緒に飲み込んだ。




