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ゴースト・ガード!~超人気配信グループを男装女子がお守りします~  作者: 天咲リンネ


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19/26

19:悩み相談

 昼休み。

 わたしはいつも通り、SEASONのみんなと屋上でお弁当を食べていた。


「――なあ、あげはちゃん。聞いてる?」

 玲央先輩に名前を呼ばれて、ハッと顔を上げると、みんながわたしを見ていた。


「えっ? えーと、すみません、聞いてませんでした。なんの話をしていたんでしたっけ?」

「キリヤにゲスト出演してもらって、ゲーム実況したいっていう話だったんだけど」

「ああ……そういえば」

 右から左へ聞き流してたけど、思い出してみれば、先輩たちは『レジェハン』の話をしていたような気がする。

『レジェハン』っていうのは、先週発売されたばかりの世界的大人気ゲーム『レジェンドハンター・デルタ3』のこと。

 クラスのゲーム好き男子の話題はいま『レジェハン』のことばかりで、わたしの小学生の弟も超ハマってる。


「すみません。誘ってもらえたのは嬉しいんですが、わたしはゲーム下手なので。皆さんの足を引っ張ってしまうと思いますし、止めておきます」

「そっか、わかった。それは別にいいんだけどさ……」

 玲央先輩はなにか言いたそうな顔をしているけど、わたしは視線に耐えられなくて、うつむいた。

 わたしの頭の中では、今朝の岩清水さんの声がループしている。

 わたしがSEASONのみんなと友達になったことを、岩清水さんは妬んでいた。

 それなのに、のんきに配信に混じることなんてできるわけがない。

 岩清水さんの他にも、わたしのことを妬んでる人はたくさんいるのかなって思うと、胸が苦しくなる。

 ……わたし、本当に、このままみんなと仲良くしてていいのかな……。


「立切さん、体調悪いの? 全然食べてないし」

 春宮くんはお弁当箱に蓋をしながら、心配そうな顔をした。

 気がつけば、まだ食べ終わっていないのはわたしだけだ。


「ううん、元気だよ。ちょっとぼんやりしてただけ」

 慌てておにぎりを一口頬張ったけど、味がしない。

 それでも、みんなに心配かけたくないから、頑張って胃に詰め込んだ。


「ごちそうさまでした」

 どうにかお弁当を食べ終えると、それを待っていたかのように司先輩がズバリ聞いてきた。


「ねえ、あげはちゃん。悩みごとでもあるの?」

「いえ、特になにも」

「嘘だね~。いつもなら、ボクらのくだらない話で笑ってくれるのに、今日は一度も笑ってないよ~? ず~っと浮かない顔で黙り込んでるから、心配だよ~」

「なんか悩みがあるなら話してよ。あげはちゃんはオレたちを助けてくれたんだ。オレたちだって、あげはちゃんを助けたい」

「解決できるかどうかわからないけど……友達として、できる限りのことはする」

 玲央先輩も、白銀くんも、大真面目な顔でそう言ってくれた。


「……みんな……」

 胸の奥がジンとしびれた。

 岩清水さんのことを話せば、みんなはきっと怒ってくれるだろう。

 でも、岩清水さんの名前は出したくない。まるで悪口を言っているみたいだもん。


「……その。わたしとSEASONのみんながこうやって、屋上で一緒にご飯食べたり、仲良くしてることをよく思ってない人がいるみたいで……」

「何それ。その人に何か言われたり、嫌がらせされたりしたの?」

 具体的な名前をぼかして言うと、春宮くんが眉根を寄せた。


「ううん、そんなことはないんだけど……うちの神社で、わたしとSEASONの縁が切れますようにってお願いするところを見ちゃったの……」

「なんだ、そんなことか」

「そんなこと?」

 わたしは朝からずっと悩んでいたのに、玲央先輩にささいなことみたいに言われて驚いた。


「神様にお願い? くだらねー、勝手にさせとけよ。オレたちの縁は神頼みで切れるような、うっすい縁じゃねーだろ?」

「そうだよ~。神様も、そんな身勝手なお願い叶えるほど暇じゃないと思うよ~?」

「少なくとも、おれは誰に何を願われようと、立切さんとの縁を切るつもりはないよ」

 白銀くんはわたしの目を見て、きっぱりと言い切った。


「深冬。そこは『おれ』じゃなくて、『おれたち』でしょう」

 春宮くんは白銀くんの腕をぽんと叩いて、微笑んだ。


「それとね。悩んでる立切さんには悪いけど、ぼくはいま、ちょっと嬉しいかも」

「嬉しい?」

「だって、そんなお願いをされるくらい、ぼくらが仲良しだって思われたってことでしょう?」

 キョトンしていると、春宮くんはニコッと笑った。

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