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Frange ruinam   作者: S
毀壊編
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第七十五話 終結

「……何で生きてるの?」


モラは振り返り、こちらを見た。


「私……してもらって……だよ」


モラは言葉を途切れ途切れに紡いだ。


「何て?」


「……てろ」


ネブラは私を見て、短くそう言った。

二人はそのまま、ペルデレへと攻撃を仕掛ける。


「二人とも、何だか言葉が途切れ途切れじゃない?」


私は近くにいるムリエルに問いかけた。


「そうだね。まるで――」


ムリエルがそう言いかけた、その瞬間、地面が揺れた。


「此処は危ない。離れて!」


「……分かった。君もだよ」


「私はまだ行ける」


私はそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。

ムリエルは私をまっすぐ見つめた。


「……それが君の選択なら、止めないよ」


そう言うと、ムリエルは背を向けた。


「ムリエルさん!」


私は咄嗟に声をかけた。


「どうしたの?」


ムリエルは振り返る。


「……本当にありがとう」


「どういたしまして」


ムリエルはそう言い、その場を立ち去った。


「……気味の悪い女が係っているな」


ペルデレはネブラとモラを見ながらそう言った。


「かなり……レナ……るよ……!」


モラはネブラに向けて、途切れ途切れにそう言った。

ネブラは眉をひそめる。


何故、二人はうまく言葉を喋れないのだろうか。

それに――気味の悪い女とは何だ?


「……レナ!」


次の瞬間、ペルデレが目の前に迫っていた。振り下ろされる拳を、私は反射的に後方へ跳んで躱した。ネブラが声を掛けていなければ、死んでいた。――考えるのは、後だ。


私は光を放つが、すべて空を切る。身体をわずかに傾けるだけで、ペルデレは攻撃を避け続けた。


「っ……!」


その瞬間、口から血が溢れた。

――これ以上魔力を使うと死ぬ。


その時、ネブラが前に出た。ハルバードを顕現させ、ペルデレに振り抜いた。血が飛び散る。


やはりペルデレは動きが鈍くなっている。

――いける。


「……あれ?」


ネブラとモラの姿が僅かに透けている。……気のせいか。きっと生命エネルギーを失っているせいで、そう見えるだけだろう。 


私は大きく息を吐いた。その瞬間、上空に無数の光の矢が形成された。私は腕を振ると、光の矢が雨のようにペルデレへと降り注いだ。喉が焼けるように熱い。それでも、止めない。


ネブラが矢を避けながら、踏み込み、モラがシールドを展開しながら背後へと回る。ペルデレは数本の矢を受け、避けきれていなかった。


「……よ」


モラの声は、ほとんど音になっていなかった。ペルデレが攻撃を避けようとした、その軌道に、私は光を放った。光は肩から胸にかけて、深く抉った。


「……っ」


小さく息を漏らし、ペルデレの体が揺れる。


そこへ、ネブラの一撃が叩き込まれた。さらに、モラの魔力が至近距離で放出され、轟音と共に、ペルデレの体が吹き飛んだ。地面に叩きつけられ、土煙が舞い上がる。


「破壊神ペルデレ、決着をつけよう」


私はそう言うと、一気にペルデレへと距離を詰めた。


「驕るなよ。塵芥が」


ペルデレが低く言い放つ。


「コルスカーティオー・ルイナエ」


私がそう呟いた瞬間、ペルデレの真上から光が落ちた。瞬きするよりも速く、一直線に叩きつけられる。

その瞬間、ペルデレの体が地に沈んだ。


――終わった。


そう思った瞬間、大地が激しく揺れた。足元が崩れ、私達はその場に倒れ込む。


「……ハハハハハハ」


ペルデレの笑い声が、空に響き渡った。

――まだ、終わっていないのか。


「……ナ……!」


薄れゆく視界の中で、ネブラとモラがこちらを見ていた。


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