第六十七話 光弾
次回新章です。
「……もしや其の耳飾りは、製造神が造っていたあの空疎な魔具か」
ペルデレは低く呟いた。
「お前は何故こんな事をする?……他者を傷つけ、命を奪う事がそんなに楽しいか?」
私はペルデレにそう言った。
「俺は唯、修羅を好むだけだ」
ペルデレは低く、そう言い放った。
「そうか……かかって来いよ、格下が」
そう言い放った瞬間、私は右手を前方に突き出した。
掌の前に淡い光が集まり、瞬時に光の銃が形成された。銃身は純白に輝き、引き金に指をかけた瞬間、
轟音と共に、光弾がペルデレに向かって放たれた。
ペルデレは右腕を軽く振るだけでそれを弾き飛ばすが、私は構わず銃を撃ち続けた。
この銃は弾切れにはならない。
――その代わりに魔力を消費する。
光弾を次々と撃ち、周囲の地面を抉る。私はさらに銃を形成し、二丁の銃を連射した。一発がペルデレの右肩を掠め、血が飛び散った。
ペルデレの動きがわずかに止まる。私は息を荒げながらも、銃をさらに高速で撃ち続けた。二発が右脚と右腕に命中し、深く抉れた傷が刻まれた。ペルデレの体から血が滴り落ちた。
――再生が明らかに遅れている。
「いける……!」
私は興奮と疲労で震える指で、銃をさらに大きく形成した。今度は銃身を長くし、一発の威力を極限まで高める。
弾がペルデレを直撃し、胸を大きく抉った。血が噴き出し、ペルデレが大きく後退した。
――いける……勝てる。
その瞬間、駝荊毀壊城跡の地面が激しく隆起し、巨大な亀裂が音を立てて走った。城壁が倒壊し、岩石が粉々に砕けながら飛び散る。遠くから、無数の悲鳴が一斉に上がった。
「うわあああっ!」
「お母さん!起きて……お母さん!」
周囲が瞬時に地獄と化した。大地が大きく裂け、人々が悲鳴を上げながら地割れに飲み込まれていく。逃げ惑う者は崩れ落ちる巨大な岩に潰された。死んだ母親の体を必死に揺さぶる幼子がそのまま土砂に埋もれていった。
血の臭いが風に乗って鼻を突いた。
私は呆然とその光景を見つめていた。
「……二人は……?」
振り向こうとしたその時、頭上から巨大な岩が落ちてきた。私は咄嗟にシールドを展開しようとしたが、魔力はもうほとんど残っていなかった。
激しい衝撃が全身を襲った。落下した岩が、私の体を直撃した。視界が真っ赤に染まり、口から大量の血が噴き出す。激痛が体に走った。
「あっ……」
駝荊毀壊城跡は完全に崩壊し、周囲の全ての命を飲み込んだ。そして私は意識を失った。




