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Frange ruinam   作者: S
破壊編
57/84

第五十七話 決戦

10日間、私達はただひたすらに鍛錬を積んだ。

そして――決戦の日が訪れた。


「行くぞ」


ネブラの声は低く、静かだった。


モラは地面を見つめたまま、動かなかった。そして、肩が小さく震えていた。


「どうした?」


「スパティアですら敵わなかった相手に……私達は勝てるのかな。もし、負けたら……」


声が掠れる。


「モラ」


ネブラが静かに呼びかけた。

モラは一度深く息を吸い、顔を上げた。


「……ごめん。行こう」


二人は黙って歩き出した。しばらく進んだところで、ネブラが足を止めた。


「言っておくが、我は負けるつもりはないぞ」


「……ネブラ。うん、私も同じこと思ってたよ!」


「……」


ネブラは小さく息をつき、わずかに呆れたように目を細めた。やがて、風の止んだ跡地――駝荊毀壊城跡に辿り着いた。


「ここだよね……」


「ああ」


二人が石畳の中央に足を踏み入れた瞬間、祠の前からゆっくりと姿を現した。茶色の髪をした男――破壊神ペルデレだった。


「……待ってやったというのに、随分と僅少な面々ではないか」


嘲るような笑みを浮かべた。

モラは一歩前に出て、はっきりと言った。


「こっちには、とっても頼りになる人がいるんだよ」


その言葉に、ペルデレの目が細まる。


「いいだろう。さあ――いざ、闘おうではないか」



御稜威山の頂、祠の前で、私はスパティアと共に、静かに佇んでいた。


「……前に話したことは、覚えてる?」


スパティアは上半身だけの姿で宙に浮かびながら話していた。


「魂の集合体を先に送り込む。それから空間を開いて、ここから攻撃を加える――でしょ?」


「あぁ。その間に助っ人が来るのが理想。そして我がそこで参戦する」


「……それで、本当にできるの?空間を利用した封印術が」


私はスパティアにそう問いかけた。


「本来なら不可能。だけど……魔力だけならば、可能だ。半分でも奪えれば上々かな」


「……その状態で、本当に戦えるの?」


「問題ない」


スパティアは右手を掲げ、空間を裂いた。裂け目の向こうに、駝荊毀壊城跡の光景が浮かび上がる。


「ネブラ達が着いた。始まるよ」


私は拳を固く握りしめた。遠くで、私達の運命を賭けた戦いが、今、幕を開けようとしていた。


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