第56話 第98層地下一階フロアボス戦
削ると言っても、どうするべきか?
記録は……多分ダリオスがやってくれてるだろう。
「【炎龍】——」
とりあえず小手調べとして、ホノカの最上級魔法をいくつか発動してみよう。
最初はやっぱり【炎龍】から。
慣れているので一番制御しやすく、ダメージも大きい……はずだ。
まずは最小限の魔力で体当たりをしてみる…………が、HPは60しか減らない。
通常のモンスターならこれでHP300くらいは軽く持ってけるのだが、やはり硬いようだ。
じゃあ、魔力をあげてみると?
炎龍への魔力供給量を一気に増やす。炎が輝き、あたりの温度が急激に増す。
……これあとでメンバーになんて言い訳すればいいんだ? 俺戦闘要員じゃないんだぞ。
幾分も反応が良くなった【炎龍】を転回させ、先ほどの5倍のスピードで突っ込んでみる。
さあ、普通のモンスターならこれで1000くらいはいけるのだが……………………、やはりというべきか。HP100しか減らせなかった。
うーん、HPあと1900近くもあるんだけど……。
炎龍は安定性に若干の問題があり、体当たりは魔力を最大まで渡しても五回くらいしかできない。これだけ硬いともうちょっと少なく、三回くらいかもしれない。
この問題点を魔力効率の最適化をして解決し、ついでに威力を二倍近くにしたのが【蒼焔龍】なのだが、ホノカと俺が一緒にやらないと発動できないようにしてしまった。
というかそうでないと危険すぎて、最悪の場合術者が死ぬ。
……ホノカが回復するまで耐えれるか?
先ほどの様子を見る限り安全な状態になるまでは急いであと三十分。
だが、ポーション系はイリナさんの治療に優先的に回されるだろうから、なかなか回復できないかもしれない。
「【炎鞭】、【炎陣】、【轟炎槍】」
ひとまず、気休めに【炎鞭】でボスを拘束しつつ、【炎陣】で少しでもダメージを与えておく。
十秒でHPは30ほどしか減らない。流石にこれで回復まで耐えるのは無理だよなぁ……。
いっそのこと【蒼焔龍】を改造するか?
いやだが危ない。それに相性の関係で他の人とは使えないはずだ。
……そういえば、あいつ口あるな。内部からの攻撃はどうなんだ?
「【炎弾】」
外から攻撃しても中級魔法であるこいつは効かない。
中からならダメージが通りやすいということに希望を抱き、——ついでに魔力をめっちゃ込め、普通の物体じゃありえない軌道で飛ばしながら————ボスの口に向かって送り出す。
…………お、入ったっぽいな。あとは爆発させてっと。
「「ボンッ!!」」
あれ、ボスの体の内部で爆発させたはずなのになんか音が伝わってくる。
……威力強すぎたか?
違う、そんなことを言っている場合じゃない。ダメージは?
恐る恐る指揮車の外部に表示している観測情報を見る。
HP1883……? 1883? あれ、さっきはいくつだっけ…………? あ、そうだ1899だ。
ということは……………………効いたってことか。
いや、でも【炎陣】の分もあるし……。
よくわからないので、試しに展開しっぱなしで待機させていた【炎龍】も突っ込ませてみる。
もちろん魔力は最大で。
さーて、HPはどうかな〜?
おっ、HP1679。やっぱり中の方が耐久低いか。
他のモンスターよりもちょっと硬いようだが、外部からのダメージと比べると二倍も入っている。
これならワンチャンいけるな。
「【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】、【轟炎槍】」
「おー、眩しーね」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ドゴォォォォォォォン」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
っぅるっさ。耳壊れるって。
バンッ
「レオ!? なにしたの!???」
「ほのか、安静にしてようね。あと扉はもっと丁寧に使おうね」
「いや安静にするもなにも『静』をぶっ飛ばしたのはレオでしょ」
「あははははははははは面白いことを言うねなんのことかなほのかちゃん」
「むぅ……。それに、あたしもう魔力六割回復したのっ! だからお手伝いする!」
「え? 早いね。あと二十分くらいは最低でもいるんじゃないかと思ってたよ」
「ユリウスが、邪魔だからさっさと回復してくれって」
「いやなにしてんのあいつ頭おかしいんかさっきホノカのことお願いって言ったよなあとでぶん殴るぞついに気が狂ったか」
「まあまあまあまあまあまあ、なにはともあれ、回復したしできることある?」
ホノカと視線が絡み合う。
「じゃあ」
「ふふっ、わかってるよ」
「だろうな」
ホノカの目は綺麗だなぁ……。
できるとかある? とか聞いてきた割には、やっぱりこれからやることをちゃんと理解してるみたいだ。
可愛いやつめ。
さあ、魔力を再び繋ぎ、空中に魔法式を書く。
「「————————【蒼焔龍】。」」
一分後、ボスは蒼色の炎を纏った龍に焼かれ
————ダンジョンへ、光の粒となって吸い込まれていった。
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<第98層地下一階ボス戦>
時間:0:42:19:74
場所:第98層地下一階ボス部屋
敵:第98層地下一階ボス。
消費:
対空誘導弾96発、機動戦車主砲弾454発、同ライフル弾2693発、手榴弾126発。
移動式大型魔導砲03、05が爆発、大破。
魔導砲魔導石内魔力を6947消費。
魔力ポーション542瓶、医療用キット3箱。
ホノカのMPを99%消費(数値測定不可能)・魔力欠乏にて一時ダウン、イリナが負傷(右脚より出血)・MPの多くを消費(数値測定不可能)、マイアのMPの多くを消費(数値測定不可能)、シズネのMPの多くを消費(数値測定不可能)、アイギスのMPの多くを消費(数値測定不可能)、レオンのMPを1324消費。タケルの盾が大きく破損。その他装備損傷大。
<敵モンスター情報>
データベース登録なし。新種。
第98層地下一階フロアボス。
移動形態:二足歩行
外見:アンデッド。非常に大型(背高12m)。
最大HP:3000
ドロップ:なし
その他:
防御力が異常に高いほか、HPが非常に大きく、危険度が非常に高い。
また、種135824番のように撃破後光の粒となって迷宮に吸い込まれていった。
しかし、種135824番とは異なり攻撃の分析、映像の撮影が可能。
SSSランク級モンスターに相当すると考えられる。
データベース登録完了(種番号136000番)
あとがき
さあ、これから先どうなっていくのか。
果たして第99層はまともな階層なのか?
考えながら読んでいただけたら幸いです。
なんか話そうと思ったけどなんも話すことないわ。
どうもお邪魔しました。以上、作者でした〜。台風怖いよぉ。




