第42話 脳筋こそ正義
「じゃあホノカ、発動するね?」
……うわ。範囲広すぎて気持ち悪いわ。
えっと…………? おや、地形も透過できるタイプの探知魔法にしたはずなのに、山の中が一部映っていないな。まだ遺跡の結界が残っているのか?
さて、入口っぽいのは……………………、あった。
「ホノカ、あったよ。ここから600mくらい登ったところだね。標高はだいたい2400mくらいかな? さすがに車出してもらう?」
「んー、まあ、しょうがないね」
「あ、いた。……すみません。別の入口らしきものを見つけたので、車を出して欲しいのですが。……できれば山を登れるやつを」
「今深刻な魔導石不足でよっぽどのことがないと車はちょっt…………別の入口? 別の入口って言いました?! ほんとですか!???!????!?!? ちょっと待ってください。すぐに全員を集めて出発します」
なんだか慌ただしい空気の中、魔導石ないはずなのに高機動車が十台も行くことになった。金大丈夫かこれ。
目的の場所があと少しのところで、俺たちが乗っている高機動車が何かにぶつかって止まった。普通に凹んだけど大丈夫なのかこれ。
ぶつかったのはおそらく結界。結界が力で破壊できることは(勇者パーティー内では)有名な話なので、調査隊には後ろに下がっていてもらい、破壊してみる。
「じゃあホノカ。お願い」
「はぁい。【炎弾】——。あれ、思ってたよりも硬い……」
「ほんとだね。多重発動しても無理か。上級魔法を使えばいけるだろうけど…………ダンジョンじゃないから山が危ないね。ちょっと結界はろうか…………ん。張れたよ」
「行くよ? 【轟炎槍】」
さすがに上級魔法の多重発動には耐えられなかったのか、結界は壊せた。
壊した結界の先には、案の定入口があった。やはり何らかの力で修繕されているのか、古代文明時代のものとは思えないほど新しく見える。開いてるかな? 開いてるといいんだけど。
「ねーレオ。開いてない。どうにかして」
「どうにかしてって言われてもなぁ。……すみません。これって力づくで破壊してもいいんですか?」
「…………いやー、微妙ですね。上に確認してみます」
(レオ、これいい感じにシステム乗っ取って制御したりとかできないの?)
(さあ……、無理じゃないかなぁ……。とりあえず開ける方法探してみようか。)
「———えぇ、えぇ。そうですね。おそらく。…………えぇ。……いいんですか!? わかりました。五分後に実行します。……はい、はい、はーい。失礼しまーす」
「許可取れた感じですかね」
「山を跡形なくぶっ飛ばしたりしない限りはいいそうです。できるだけ損害を少なく、良識的な範囲内でお願いします。あと五分後に実行してください」
「どうするホノカ、どうやって開けてみようか」
「こないだ作ったやつ使おうよ。厚さと強さ変えながら動かせるし。魔力多めで」
「そうだね」
五分後、【炎鞭】を扉の隙間に捩じ込み、思いっきりこじ開ける脳筋戦法を試した。
結果は…………
「よっしゃ行くぞ! 燃料は惜しむな! 好きなだけ調査機器をぶん回せ! 金の心配は後からでいい!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
はい。開きました。調査隊の皆さんの元気のよろしいこと。
「それじゃあ、行こうか」
「ん」




