第40話 古代遺跡ピュルゴス
「みなさん、つきました。ここが、センチネルの見つかった遺跡、ピュルゴスです。」
「ほのかぁ、起きて〜。ついたって」
「ぅん……ぇ? あっ! おはよう!!」
「ホノカ殿はよく眠るのだな。驚くほど起きなくて驚いた」
「あはは。普段はレオの方が朝弱いんですけどね〜」
(れおぉ……レオンさんいるの忘れて爆睡しちゃったよ〜…………)
(それは知らんよ)
センチネルが見つかったらしいこの「ピュルゴス」という遺跡は、ルメア王国屈指の山岳地帯であるレイノス山脈の端、晴れた日には王都のある平野を一望できる場所にある。
最近まで発見されていなかった理由は、そもそも山岳地帯であり滅多に人が立ち入らないこと、山の中にある洞窟型の遺跡であることのほかにもある。
なんと、つい一年ほど前まで認識阻害の結界が張られていたのだ。
このような古代文明時代の遺跡で認識阻害の結界があるものは非常に珍しい。
そもそも古代文明があったと考えられているは八千年以上前。これほどまでの長い時間を耐えれる結界などほぼほぼ存在しない。仮にあるとしても、そこらの建物には張ろうとしないだろう。張るとしたら最重要の施設ぐらいなものだ。
そういった理由で、認識阻害の結界が張られていたこの遺跡は古代文明における最重要施設だったと考えられている。
実際、この遺跡はかなり大規模なもののようで、発見から一年が経過した今現在も、新たな部屋の調査が続けられている。
今のところ、センチネルを含む様々な兵器が発見されていることから、現時点では防衛設備の一種だったのではと考えられている……が、まだ調査中なのでなんとも言えない。
どうやら入口についたようだ。やけに横幅の広い入口で、センチネル程度の車両であれば並んで二十台は通ることが可能だろう。
「ここがこの遺跡の主な入口だと考えられています。この広い通路、我々は【第一ブルバード】と呼んでいるのですが、奥へ向かって二百メートルほど続いています」
「この先には何が?」
「【第一ブルバード】の突き当たりには、シャッターのようなものが見つかっているのですが、閉まっており……。無理やり突き破ることも試したのですが、そもそも未知の非常に硬い物質で作られていたため、最上級魔法を用いてもなお破ることができませんでした。現在はどこかに操作できる部屋があるのではないかと探している最中です」
「そうでしたか」
「センチネルが見つかったのはこの通路を百五十メートルほど進んだところ、右手の部屋です。こちらもシャッターのような装置が設置されているのですが、開いており、何事もなく侵入することができました。ご案内します」
「破れない壁だって、レオ」
「そうだね」
(ねぇ、レオが本気出したら破れたりしないのかな?)
(さあ? 仮に破れるとして、何が起こるかわからないから所長の許可は必要なんじゃないかな?)
「そっかあ…………」
案内されたのは部屋というよりも格納庫といった方がいいような、確かに乗り物が置かれていそうな非常に広い空間だった。
遺跡であるはずなのに劣化をほとんど感じない。塗られている色も鮮やか、設置されている照明などの機器も、外見からは壊れているとは思えない。これも結界の効果か?
「ここです。部屋の奥、他の部屋へと続く大きな扉の前、この場所に置かれていました。置かれていた時は車体に大きな傷があり、とても動くような見た目ではありませんでした。しかし、一人が乗車したところ、普通にシステムが起動。全て古代文字でしたが、システムは現在とほぼ同じ状態で実際に動かすことも可能でした」
「最初から動いていたんですか? エネルギーはどこから?」
「そうです。それが問題なんです。何千年もの間放置されてきたはずなのに、起動し走行できるだけのエネルギーがあったのです。大気中から吸収しているのか、何か別の方法があるのか。実は現在でもどのようなエネルギーで動いているのかはよくわかっていません」
「なるほど…………」
「えーっと、所長からの命令で、彼らはきっと何かすごいことをするはずだから自由に調査させろと言われています。というわけでどうぞ」
「は、はぁ……………………」




