第28話 お話ししようね
相変わらずでかいな、ギルド本部。外周を走ると30分かかるとも言われ、何気に冒険者のトレーニングコースとして人気だ。
「こちらのお部屋です」
通されたお部屋はギルドで一番セキュリティーの高いお部屋。
国家機密レベルの情報を扱う際にしか使わないので、普通の冒険者は一生縁のない部屋だ。……俺たちは何回か使っているけど……。
おや、難しそうな顔をしているギルド長と、おめめキラッキラな所長がいるな。Why?
何はともあれ、この部屋でお叱りはさすがになさそうだ。めでたしめでたし。
「……アレオ殿、ホノカ殿。単刀直入に聞こう。新しい最上級魔法を作ったと聞いた。真か?」
「あぁ、作りましたね。とはいえ、もともとあったのをちょっと改造しただけですよ? ね、ホノカ?」
「レオの言うとおりです!」
「……すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ——」
おやおや?? ギルド長が己の肺活量を披露し始めたぞ? そして所長のおめめが眩しいぞ?
「——ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………。そうか。そうかそうか。……ちなみに、どんなものだ?」
「【炎龍】をベースに作った【蒼焔龍】という魔法です。魔力効率を格段に良くし、炎の温度を大幅に上昇させました」
「……威力は?」
「第97層で種135824番、4体を含む83体を一撃で撃破しました。大体【炎龍】の二倍くらいの威力ですかね」
「……さすがに、デメリットはあるよな?」
「頑張ったのですが、発動するための最低魔力量がかなり上がってしまい、魔法式が原初魔法ぐらい複雑になりました。俺とホノカが一緒にやらないと発動できません」
「……いつも一緒にいるしもはやデメリットではないな…………。頭を冷やしてくる。所長、あとは任せた」
あらあら、ギルド長が出ていってしまった。さて、目がキマってるこいつは何を言い出すかな?
「その魔法を! 見せてもらうことは!! 可能でしょうか!!!!????????」
「うちのパーティーハウスの訓練場かダンジョンじゃないと全てが壊れますが、いいですか?」
「それでもいい!! 見せてくれ!!!!」
「いやだめだろ。ホノカ引いてるし一回落ち着けよ(おっと口が……まあいっか)」
「……そうか。それは残念だ。見せてもらうのはまた今度にしよう」
「いや何事もなかったかのようにするんじゃねぇよ」
「ははっ。ちなみに魔法式はどのくらい複雑になっている?」
「えっとですね……今書いたやつ持ってないな。ホノカ、魔法式の構築だけ一緒にやってくれる? 並列構築で」
「ん」
空中に【炎龍】と【蒼焔龍】魔法式を構築していく。相変わらず赤くて綺麗だなぁ……。お、できた。
「こっちがベースの【炎龍】で、こっちが【蒼焔龍】ですね。あ、魔導具で記録とかできないようにしてあるので、記録は諦めてください。そもそも俺らの魔力じゃないと構築できないようにしてます」
「????????!!!! そうか! これは研究せねば! さらば!!」
バタンッ。
……とんでもない勢いで所長も帰っていった。
「あの人やっぱ変な人」
「まあ、魔法大好きな変人だから」
「ふぅん。まあいいや、レオ、ご飯食べ行こ」
「うん。いこっか」
あとがき
次回からはダンジョンにお戻りします。




