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従妹と親密な婚約者に、私は厳しく対処します。  作者: みみぢあん


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49話 ミレイユの叔母たち


 クレマンが従妹と浮気をしていたと。アルブライトン公爵家の嫌がらせで広がった醜聞のせいで。

 私の母方の叔母(最初にクレマンを私に紹介した人)に捕まってしまう。



「叔母様、浮気の噂は全部、デタラメなのよ?」

 クレマンを助けようと、私は叔母様に説明したけど。


 悪戯をした子供のように、クレマンは叔母様に扇でパシッ! と手を叩かれたうえに。


「申、申し訳ありません、伯爵夫人!」

「オルドリッジ子爵家の令息なら、浮気の心配は無いと思っていたのに。本当に残念だわ! ミレイユに相応しい令息は他にもたくさんいるから……でも、今からでも遅くないわね」


「叔母様、お気持ちだけでじゅうぶんよ」


「いいえ、もっと他の殿方も紹介するべきだった。……そうだわ! 北方の辺境伯家の令息がとても凛々しくて素敵な殿方なの。あなたより四歳年上だけど一度会ってみない?」


「どうか、それだけは……僕の軽率な行動で、ミレイユに大きな迷惑をかけたことを、心から反省しお詫びします!」


 チクチクと叔母様に嫌味を言われ続けて、クレマンは涙目になってしまう。



 ―――だが、それぐらいのことはまだ序の口だった。

 国王の最側近である私のお父様に、もう一人の叔母(父方の叔母)に紹介された時は…… 


「私の可愛い姪の婚約者はあなたね?」

「……はい。王妃陛下」


 私の隣に立ち、王妃陛下の問いかけに答えるクレマンの腕が、ぷるぷると密かに震えていた。


「あなたの噂は、私の耳にも届いているわよ?」

「はい………」


 凍てついた真冬の湖のような瞳で、王妃陛下(父方の叔母)に見つめられ。クレマンの顔は血の気を失い、真っ青になっている。


「無能で愚かな者ほど他人に濡れ衣を着せて、足を引っ張ろうとするものです。あなたも愚か者と呼ばれたくなければ、気を付けなさい」


 王妃陛下は夜会が始まる前に、実兄である私のお父様からクレマンに関する醜聞は、アルブライトン公爵家が流したデタラメだと聞かされている。


「は、はい! 王妃陛下!」


「……それにしても、そのような虚偽を信じる愚か者が、この王国にいるとは。何とも嘆かわしいことですね!」


 王妃陛下は夜会に招待された貴族たちが見守る中。厳かにクレマンの醜聞は濡れ衣であり、それを信じる者は愚か者だと言い放った。


 大広間にはクレマンの醜聞を流した王妃陛下の政敵。第二王子を王太子にしようとしている、アルブライトン公爵家の者たちもいた。


 学園の食堂で、ミレイユたちに絡んで来たジョゼフの姿もある。


「ねぇミレイユ。あなたも、そう思わないかしら?」

 王妃陛下は打って変わって、私に温かい眼差しを向けた。


「はい、王妃陛下。私も数日前に学園でとても愚かな人と出会いました。自分が犯した不正を恥じることもなく、私の婚約者に嫌がらせをするような卑劣な人たちでした」


 学園の食堂でジョゼフにされたことを思い出し。私はとっさにその時のことを口に出した。

 少し前までニヤニヤと笑っていたジョゼフの姿が、ちょうどミレイユの視界に入り怒りを感じたからだ。


「ああ、ミレイユ……なんと嘆かわしいことでしょう!」


 政敵アルブライトン公爵家への嫌がらせと、可愛い姪のために。王妃陛下は憂いをおびた声で、貴族たちの前で嘆いて見せる。

 


 少し前まで、クレマンの話で花を咲かせていた貴族たちだが、王妃陛下と私の会話を聞いた後は。『誰がクレマンに嫌がらせをしたのか?』に話題が変わっていた。




 

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