↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
従妹と親密な婚約者に、私は厳しく対処します。  作者: みみぢあん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
29/59

29話 クレマンの友人3

 

 クレマンと待ち合わせをした食堂へネリーと二人で行くと、クレマンも友人を一人連れて奥のテーブルに座っていた。


 私たちの姿を見つけると、クレマンはニコリと笑って礼儀正しく席を立って迎えてくれた。



「待たせてしまったかしら、クレマン?」

(あら、今度は誰かしら……? 珍しいわね。クレマンが昼食にお友だちを連れて来るなんて。私がネリーを連れて来ると言ったからかしら?)


 今まで私と昼食をとる時は、婚約者同士で親密な話をたくさん出来るように。クレマンは二人っきりになれるようにしていたから。


「大丈夫だよミレイユ。少しも待ってないよ」


 少し遅れてクレマンの友人も一緒に席を立った。

 テーブルの上にはクレマンが注文した、四人分のランチセットが並んでいる。


「ごめんなさいクレマン様、私もご一緒しても良いかしら?」


 私がクレマンと昼食をとる約束をした時点で、ネリーが同席することを先に話していたけど。恋人たちの邪魔をするのは気が引けると、ネリーは律義にクレマンに許可を求めた。


「もちろんだよ、ネリー嬢! 僕もちょうど友人を君たちに紹介したくて、連れて来たんだ」


 クレマンたちが確保していた席に座る前に、ネリーがたずねると。クレマンは隣に立つ友人を私たちに紹介した。


「ミレイユ、ネリー嬢、僕の友人メリダン男爵家のドミニクを、紹介するよ!」


「初……初めまして。クレマンとは入学したばかりの時に、共同で研究する課題を一緒にやった時からの仲なんだ」


 あまり社交的ではないのか緊張した様子のドミニクは、頬を赤くしてクレマンとの出会いを話した。


「ドミニク、僕の婚約者のミレイユと。ミレイユの友人のネリー嬢だよ」

 続けてクレマンはドミニクに私たちを紹介し。順番に握手の手をドミニクに差し出した。


「初めまして、ドミニク様」

「こんにちは、ドミニク様」


「こんにちは。あの、ミレイユ嬢、ネリー嬢。僕のことは気軽にドミニクと呼んで下さい。緊張してしまうから……」

 ドミニクはおずおずとだが礼儀正しく、二人の手を軽く握り。握手に応える。


「あらっ…!」

「ふふふっ…」

 私とネリーは顔を見合わせて微笑み合った。


「でしたらドミニク。私たちも気軽にミレイユとネリーと呼んでくださる?」

「はい……!」


 ドミニクはホッとした顔で薄っすらと笑った。そこに便乗してクレマンが口を挟んだ。


「なら僕もネリー嬢に、クレマンと呼んで欲しいな」

「ふふふっ……ミレイユがそれで良いなら。クレマンもネリーと呼んでください」


 ネリーは笑いながら『いいかしら?』と私を見たから、私はニコリと笑った。


「ネリー、私に反対する理由は何もないわ。今までそうしなったのが不思議なぐらい」


 いつだって思慮深いネリーは、間違ってもパトリシアのように、周囲に変な誤解を生まないように。

 今までクレマンを自分の友人としては扱わないで。ネリーは一歩引いて、クレマンは親友の婚約者という扱いを貫いてきた。

 それはクレマンも同じだった。


 敬称をはぶいて名前を呼ぶということは、クレマンとネリーはお互いを友人として扱うことに決めたらしい。


 私たちが向かい側の席に座るのを、男子二人は行儀よく待ってから静かに座る。さすがに椅子を引いたりはしなかったけれど。

 



 昼食を半分以上食べ終わったところで、クレマンが口を開いた。


「実は二人にドミニクを紹介したのは、ドミニクも卒業したら下級文官の試験を受ける予定なんだ。それで試験のことを相談したら、いろいろ助言をもらってね」


「あら!」

(なるほど。確かに同じ道を進もうとしている人に、助言をもらえるなら心強いわね。たくさん友人がいる、クレマンだからできる方法だわ)


「ドミニクはね、すごく賢いんだ。男子学園生の中で三年連続で首席なんだよ」

「……三年も⁉ それはすごいわ、ドミニク!」


 クレマンは自分のことのように、自慢げにドミニクを褒めた。

 ネリーと二人で驚いていると、ドミニクはもじもじと家庭の事情を話す。


「いや……僕は貧乏な男爵家の次男だし。それに妹たちの持参金の問題もあって……学園を卒業したら、僕は実家を頼れないから」


「妹さんのことまで考えて? まぁ……ドミニクは優しいのね」 


 ドミニクの話を聞き、私とネリーがほんわかとした気持ちで感心していると。 


「それと……ドミニクが僕に『ギヨームが間違った噂を流している』と警告してくれた友人なんだ」


「ええっ⁉」

「ええっ⁉」


 私とネリーは同時に驚きの声をあげた。 







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。