表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
従妹と親密な婚約者に、私は厳しく対処します。  作者: みみぢあん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/59

24話 父の提案


 お父様は首を傾げる私に、ニコニコと笑いながら説明した。


「ルドヴィクの提案を実現するなら、下級文官になるのが、現実的で近道だからだよミレイユ」


「現実的な近道……? 下級文官がですか?? んんんん……???」

(増々わからないわ。ルドヴィクお兄様はクレマンに王立騎士団入りを要求して、騎士見習いになれといったのに。……それがなぜ、下級文官になるの? ルドヴィクお兄様の提案を実現する⁉)

 

 公爵家出身の家柄や血筋などで、お父様は宮廷伯の地位を勝ち取ったと思われ勝ちだけど。……実際は純粋に能力を認められて、お父様は国王陛下の最側近になった。


 そんな優秀な知性を持つお父様は……時々、別の世界が見えているような、お話をされるから。平凡な知性しか持たない私には、まったくお父様の考えが見えない。


 増々意味がわからず、私の首は増々傾く。 


「父上…?」

 騎士団入りを提案したルドヴィクお兄様も、私と一緒に首を傾げる。


 お父様は柔和な笑みを浮かべて、クレマンに説明を始める。


「学園を卒業するまで、まだ半年はある。その間に死ぬ気で学べば、クレマン君も下級文官の試験に合格するのも夢ではないだろう?」


※下級でも、王宮の文官(国家公務員)は学園生の場合。学園の成績上位10位以内にはいる程度の学力が無ければ合格は見込めない。

 ちなみに、上級文官試験は先に下級文官となり、数年の実績を積み。上司の推薦をもらって試験資格を得なければならない。


「はい……?」

 ルドヴィクお兄様の提案にどう繋がるのか。クレマンはあまり意味を理解できていないらしく。お父様への返事に戸惑っているように見える。


 そんなクレマンにどことなく意地悪そうな笑みを浮かべるお父様。


「そして運良くクレマン君が下級文官になれたら。最初に必ず合格者がたずねられる『希望する配属先』を、王立騎士団付きの文官にするんだ」


「ああ、なるほど! 父上わかりましたよ。騎士団で文官をしながら、見習い騎士扱いで鍛錬に参加させようという訳ですね?」


「そうだ!」

 すぐに内容を理解し話を引き継いだお兄様に、お父様は満足そうに笑った。


「さすがです、父上!」


「……それに王立騎士団付きの文官は、就任してもすぐに辞めてしまうと問題になっているから。最近は騎士の誰かが文官の代わりをしているし。……おそらく新人でも希望を出せば、すぐに騎士団付きの文官になれるはずだ」


 王宮で働きたくて、文官の試験を受けるのに。王宮内ではなく騎士団本部に出向させられ、気の荒い騎士団長に酷使させられるのだ。

 そのせいで文官たちは、やる気をなくしすぐに辞めてしまうのだ。

(騎士団勤務は出世コースから外れているのも、文官が居つかない理由の一つでもある)


「どうだろう。クレマン君?」


 お父様はクレマンに向けてニコリと笑うが、猛禽類の鷹を連想させる鋭い目は少しも笑っていない。


 お兄様は自分の分厚い胸をバンッ! と力強く叩き。クレマンの前で獲物を狙う肉食獣のように、ニヤリと笑う。


「クレマンが下級文官試験に受かったら、オレが騎士団長を説得して、クレマンも鍛錬に参加できるようにしましょう!」


 軽く説明しているが。お父様とお兄様が提案した道は、言い出した二人が過去に歩んだ道であり。

 クレマンが進めば、厳しい道のりになることは明白だった。


 私のお父様とお兄様は、二人そろって『ミレイユが本当に欲しければ、お前の根性を見せてみろ!』…と、クレマンに言っているのだ。



 二人が叩きつけた試練の意味を理解すると、クレマンは即答した。


「やります!」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ