第144話 次の蔣琬を、誰が止めますか
【延熙二十年 秋|成都】
官を選ぶ仕組みを、作った。
四十四年かかった。
そして、作るきっかけは、死んだ人だった。
◆
延熙二十年の秋。西暦二五七年である。俺は、五十になった。
蔣琬は、十一年前に死んだ。董允も、同じ年である。費禕は、四年前。そして、諸葛亮は、六年前に死んだ。七十である。
十一年で、四人。そして、四人とも、後任を残していた。
蔣琬は費禕を、費禕は董允の弟子を。馬謖は、越巂の吏を三人。
それでも、足りない。残っている者が、少ない。
評定に出てくるのは、こうである。
姜維。五十五。桟道整備を、二十四年やっている。そして、待っている。
張翼。七十を過ぎた。三十年、出兵に反対し続けてきた。
王平は、九年前に死んだ。馬岱は、五年前。馬謖は、二年前である。
そして、郤正。五十二。記録を扱っている。
譙周。五十七。学問所である。そして、四十年、政に関わらない。
◆
きっかけは、人事の報告だった。
「陛下」
尚書が言った。
「新任の官、四十七名」
「はい」
「名簿を、お届けいたします」
俺は、それを読んだ。そして、三度読んだ。
「尚書どの」
「はい」
「出身を、数えましたか」
この人は、怪訝な顔をした。
「出身、でございますか」
「はい」
俺は、自分で数えた。
【新任官 四十七名 出身】
父または祖父が官 四十一
それ以外 六
うち、南中出身 二
四十一。そして、六である。
俺は、その数字を、長いこと見ていた。
八割七分。官の子が、官になっている。
蔣琬の後任——尚書令が、こう言った。
「陛下」
「はい」
「当然でございます」
「なぜですか」
この人は、答えた。
「字が書けますゆえ」
正しい。そして、四十四年前、俺は同じ数字を見た。
建安十五年である。龐統が、兵籍を整理した。そして、こう出た。
《読み書き可能者 三十四名》
七千人のうち、である。そして、俺は、あのとき木簡にこう書いた。
《いつか、書けるようになる》
《そのときは、名前で書く》
「陛下」
郤正が言った。
「はい」
「魏の登用を、調べました」
俺は、顔を上げた。
「令先どの」
「はい」
「命じていません」
この人は、答えた。
「命じられておりませぬ」
「……」
「書いておくものでございますゆえ」
俺は、そこで、少し笑った。
潘濬と、同じである。喋らない。代わりに、全部書く。そして、書いたものを、誰も読まない。
「令先どの」
「はい」
「読みます」
この人は、少し驚いた顔をした。そして、竹簡を出した。
「九品官人法と申します」
姜維が、そこで一つ言った。
「陛下」
「伯約どの」
「私は、その下で官になっております」
俺は、そこで、顔を上げた。
三十年前、天水で降った。そして、その前は、魏の参軍である。
「では、内側から説明していただけますか」
「はい」
姜維は、こう言った。
「三十八年前、陳羣が定めました」
「はい」
「郡ごとに中正を置き、人物を九つの等級に分けます」
「はい」
「そして、等級に応じた官へ就けます」
俺は、その説明を聞いて、感心した。
制度である。人物評という曖昧なものを、九段階の数にした。前世で言えば、等級制度である。
「伯約どの」
「はい」
俺は、聞いた。
「等級は、誰が決めますか」
この人は、答えた。
「中正でございます」
「中正は、誰ですか」
「その郡の、名士でございます」
俺は、そこで、聞いた。
「名士は、どうやって名士になりますか」
姜維は、しばらく黙った。そして、答えた。
「……名士の家に、生まれます」
広間が、静かになった。
「伯約どの」
「はい」
「あなたの家は」
この人は、答えた。
「父は、郡の功曹でございました」
「はい」
「そして、羌の乱で、死にました」
「——」
「私は、中正に評されておりませぬ」
「なぜですか」
姜維は、答えた。
「評される前に、降りましたゆえ」
俺は、そこで、少し笑った。そして、こう聞いた。
「評されていたら、何品でしたか」
この人は、即答した。
「六か七でございましょう」
「上は」
「一から三は、名族でございます」
「では、六か七の者は」
姜維は、答えた。
「郡の吏でございます」
「一生、ですか」
「——」
「一生でございます」
「令先どの」
「はい」
「この制度は、二十年後、どうなりますか」
郤正は、竹簡を開いた。四十四年前のものである。紐が、二度替えてあった。そして、四十四年、誰も開いていない。
この人は、頁を三度めくって、指を止めた。そして、こう言った。
「既に、言われております」
「……」
「魏の者が、書いております」
そして、読み上げた。
《上品に寒門なく、下品に勢族なし》
上の等級に、貧しい家の者はいない。下の等級に、有力な家の者はいない。
三十八年で、そうなった。
俺は、そこで、今日の数字を見た。四十一と、六。八割七分。
制度を作らなくても、同じところへ行く。
「令先どの」
「はい」
「我らは、九品を置いていませんね」
「置いておりませぬ」
「それでも、同じですか」
郤正は、答えた。
「同じでございます」
「……」
「そして、我らのほうが、悪うございます」
「なぜですか」
この人は、こう言った。
「魏には、中正がおります」
「はい」
「——」
「誰が決めたかが、分かります」
「——」
「我らは、誰も決めておりませぬ」
「——」
「そして、そうなっております」
五十八年前、俺は国が豊かになる条件を調べた本を読んだ。取るためだけの仕組みを置いた土地は、痩せていく。収奪的、と呼ばれていた。
同じ本に、その反対の言葉も書いてあった。包括的、である。
誰でも参加できる。誰でも所有できる。誰でも訴えられる。豊かになった土地には、必ずそれがあった。
俺は、それを税と所有の話として読んだ。
違った。官に就く道の話でもある。
郷里で評される、という仕組みには、参加する道がない。誰が評すのかが決まっていない。決まっていないから、誰も直せない。そして、評される場所に生まれなかった者には、入口そのものが存在しない。
魏には、中正がいる。誰が決めたかが分かる。分かれば、直せる。
この国には、直す相手がいない。
四十四年、俺はそれを「まだ手が回らない」と思ってきた。違った。手が回らなかったのではない。入口がないことに、気付いていなかった。入口のある側に、俺が生まれたからである。
俺は、そこで、動けなくなった。
決めた人が、いない。そして、決まっている。直す相手が、いないということである。
◆
三日かかった。姜維。郤正。譙周。そして、尚書令である。
そして、机の上に、竹簡が一本置いてあった。三年前に死んだ人のものである。
「令先どの」
「これは」
郤正は、答えた。
「幼常どのの、最後の一本でございます」
「はい」
「敗因簿とは、別でございます」
「——」
「表題が、ございます」
俺は、それを開いた。
《官を選ぶことについて》
中身は、短かった。十一行である。
《一 試験を作れば、私は通ります》
《二 三十年前、私は兵書を全部覚えておりました》
《三 そして、山へ登りました》
《四 試験は、山へ登らせませぬ》
俺は、その四行で、手が止まった。
「令先どの」
「はい」
「いつ、書かれましたか」
郤正は、答えた。
「死ぬ年でございます」
「……」
「そして、誰にも渡さず、置いておられました」
「なぜ、いま出てきましたか」
この人は、答えた。
「越巂の吏が、送って参りました」
「——」
「三年、迷ったそうでございます」
続きが、あった。
《五 では、何が要るか》
《六 地方でございます》
《七 三年》
《八 そして、勤務地の吏に、評させます》
俺は、そこで、一つ気付いた。
郷里では、ない。勤務地である。そして、九行目に、理由が書いてあった。
《九 郷里は、家を見ます》
《十 勤務地は、仕事を見ます》
そして、十一行目。
《十一 私は、郷里で評されておりました》
馬良の弟である。そして、兄は白眉と呼ばれた。
「馬氏の五常、白眉最も良し」
郷里の評である。そして、この人は、その一族だった。
俺は、そこで、前世を思い出した。
三百六十度評価である。上司だけが評すると、上司に好かれる者が上がる。そして、部下と同僚を入れると——変わる。
ただし、全員が「悪く書かない」ようになる。そして、三年で、全員が「よい」になった。
俺は、そこで、姜維を見た。
「伯約どの」
「はい」
「勤務地の吏が、全員よいと書いたら」
この人は、答えた。
「書きます」
「はい」
「——」
「上を悪く書けば、次の年に困りますゆえ」
俺は、頷いた。そして、こう聞いた。
「では、どうしますか」
姜維は、少し考えた。そして、こう答えた。
「よいと書いた者の名を、残します」
「はい」
「——」
「そして、その者が三年後にどうなったかを、見ます」
「——」
「外れた者が多い吏は、次から評させませぬ」
俺は、そこで、少し驚いた。
評する側を、評する。三十二年前、俺は監察の監察を作った。そして、この人は、それを知っている。
そして、四番目である。
「陛下」
尚書令が言った。
「三つで、十分かと」
俺は、答えた。
「足りません」
「……」
「四つ目を、入れます」
そして、書いた。
《一度落ちた者を、五年後に再び審ずる》
広間が、静かになった。
「陛下」
「はい」
「なぜ、でございましょう」
俺は、姜維を見た。そして、こう聞いた。
「伯約どの」
「はい」
「公琰どのを、覚えておられますか」
この人は、答えた。
「存じております」
「……」
「私を、丞相の次に使った方でございます」
「伯約どの」
「はい」
「あの方は、どうやって見つかりましたか」
姜維は、少し黙った。そして、答えた。
「……存じませぬ」
俺は、そこで、説明した。
四十四年前である。広都の県令だった。そして、酔って寝ていた。父は、「斬れ」と言った。
広間が、静かになった。そして、譙周が、こう言った。
「丞相が、止められました」
「はい」
「『社稷の器』と」
俺は、頷いた。そして、こう聞いた。
「では、次の蔣琬を、誰が止めますか」
誰も、答えなかった。
広間に、十四人いた。そのうち、諸葛亮を知っている者が、九人。そして、広都の一件を知っている者は、二人だけだった。
譙周と、郤正である。
諸葛亮は、七年前に死んだ。そして、次の蔣琬が酔って寝ていたら——斬られる。止める人が、いない。
「令先どの」
「はい」
「あなたは、なぜご存じですか」
郤正は、答えた。
「書いてございます」
「どこに」
「——」
「陛下の簿でございます」
「——」
「三十年前、写しを命じられました」
俺は、そこで、思い出した。命じた。そして、送り先を、この人に決めさせた。
「令先どの」
「はい」
「何部でしたか」
この人は、答えた。
「十四部でございます」
「そのうち、何部残っていますか」
郤正は、しばらく黙った。そして、答えた。
「四部」
俺は、そこで、竹簡を置いた。
十四のうち、四である。三十年で、十が消えた。
「令先どの」
「はい」
「消えた十は」
この人は、答えた。
「家が絶えました」
「——」
「そして、二部は、焼けております」
俺は、そこで、一つ聞いた。
「四部は、どこにありますか」
郤正は、答えた。
「一部は、私が持っております」
「はい」
「一部は、譙周どの」
「——」
「一部は、武備学舎」
「そして、最後の一部は」
この人は、こう言った。
「越巂でございます」
俺は、そこで、動けなくなった。
馬謖である。そして、三年前に死んだ。そして、この人の書いた十一行が、いま、机の上にある。
◆
【選挙規定】
一 試験 文書・算・律
二 実務 三年の地方勤務
三 現地評 勤務地の吏からの評(郷里ではない)
評した者の名を残し、三年後に照合する
四 再審 一度落ちた者を、五年後に再度審査する
備考
四により、
一度目に落ちた理由を、記録します。
五年後、その理由が消えているかを見ます。
備考の三行は、馬謖の十一行から取った。そして、こう書き足させた。
《この備考は、越巂の敗因簿の一件目に基づきます》
「陛下」
郤正が聞いた。
「一件目は、街亭でございます」
「はい」
「選挙とは、関わりがございませぬが」
俺は、答えた。
「あります」
「……」
「あの人は、一度落ちた人です」
「——」
「そして、五年後に、水を運んでいました」
一年後。最初の選挙が行なわれた。
【選挙 一年目】
受験 三百十二
合格 六十七
出身
父または祖父が官 三十八
それ以外 二十九
うち
南中出身 十一
織工の家 三
二十九である。去年、六だった。
「令先どの」
「はい」
「南中が、十一です」
郤正は、答えた。
「三十三年前の規定でございます」
「……」
「首領の子弟を、学舎へ受け入れる」
「——」
「その者らの、子でございます」
俺は、そこで、動けなくなった。
子である。受け入れたのは、三十三年前。そして、今、その子が官になっている。
「令先どの」
「はい」
「織工の三人は」
この人は、答えた。
「戸籍でございます」
「……」
「蜀錦を織る家でございます」
「三人とも、男ですね」
郤正は、答えた。
「男でございます」
「——」
「そして、三人とも、母に習っております」
俺は、そこで、少し笑った。そして、こう聞いた。
「令先どの」
「はい」
「女は、受けられますか」
この人は、しばらく黙った。そして、正直に答えた。
「規定には、書いてございませぬ」
「では、受けられますね」
「——」
「そして、誰も来ませなんだ」
俺は、そこで、一つ聞いた。
「令先どの」
「はい」
「なぜ、来ませんでしたか」
郤正は、答えた。
「聞いておりませぬ」
「……」
「そして、聞かねば、分かりませぬ」
俺は、頷いた。そして、こう命じた。
「錦官へ、聞いてください」
「何を、でございましょう」
「——」
「『なぜ、受けなかったか』です」
二年前、俺は同じことをした。千七百人に、三つ聞いた。そして、四月かかった。
半年後、答えが来た。百十四人のうち、九十八人が答えた。そして、理由が、四つに分かれた。
【錦官 聞き取り】
「受けられると、知らなかった」 六十一
「織る手が止まる」 二十二
「家の者が、止めた」 十一
「受けたい」 四
六十一である。知らなかった。
「令先どの」
「はい」
「規定に、書いてあります」
郤正は、答えた。
「書いてございます」
「……」
「そして、読める者が、百十四人でございます」
「——」
「三千百四十一人のうち、でございます」
俺は、そこで、竹簡を置いた。
規定は、ある。そして、読める人が、三十人に一人しかいない。
四十四年前と、同じである。七千人のうち、三十四人。
俺は、そこで、一つ足した。
「令先どの」
「はい」
「五番目を、書きます」
「何と、でございましょう」
俺は、答えた。
「『選挙の規定を、郡ごとに読み上げる』」
「——」
「年に一度」
「そして、読み上げた日と、聞いた人数を、書いてください」
郤正は、筆を止めた。そして、こう聞いた。
「陛下」
「はい」
「読み上げても、覚えませぬが」
俺は、答えた。
「覚えなくてよいのです」
「……」
「『そういうものがある』と、知ればよいのです」
「——」
「知っている人が、家の者に言います」
三十二年前、南中で同じことをした。六十一の掲示である。そして、読めない者が多かった。だから、王平が絵にした。
「令先どの」
「はい」
「もう一つ」
「はい」
俺は、こう言った。
「四人には、伝えてください」
「四人、でございますか」
「はい」
「——」
「『受けたい』と答えた四人です」
郤正は、頷いた。そして、こう聞いた。
「何と、伝えますので」
俺は、答えた。
「『来年、受けられます』」
「——」
「それだけです」
◆
その夜、俺は木簡を出した。四十八年前のものである。三歳の字だ。半分が、仮名である。
そして、こう書いてある。
《いつか、書けるようになる》
《そのときは、名前で書く》
俺は、その下に、書き足した。
《四十八年、かかった》
そして、その下に。
《二十九人が、官になった》
《そのうち、十一人は南中の者で》
《三人は、織工の子だ》
そして、その下に、もう一行。
《そして、女は、一人もいない》
俺は、そこで、筆を止めた。
四十八年である。そして、まだ、半分である。
俺は、別の木簡を出した。
《まだ、手のないもの》
四十八年で、五行になっていた。そして、六行目に、こう書いた。
《読めない人に、規定を届ける方法》
そして、その横に、小さく書き足した。
《読み上げる。年に一度》
《これは、手ではない》
《一年に一度しか、届かない》
最後に、俺は譙周を呼んだ。五十八である。そして、この人は、四十年、政に関わらない。
「允南どの」
「陛下」
「一つ、伺います」
「どうぞ」
俺は、聞いた。
「この規定は、うまくいきますか」
譙周は、しばらく黙っていた。そして、こう答えた。
「分かりませぬ」
俺は、そこで、頷いた。
四十年である。そして、この人は、まだ「分からず」と言う。
「允南どの」
「はい」
「では、二十年後に、何が起きますか」
この人は、答えた。
「二十年後は、書けませぬ」
「では、五年後は」
譙周は、少し考えた。そして、こう答えた。
「五年後、二度目の再審がございます」
「はい」
「——」
「そこで、一度落ちた者が、通ります」
「はい」
「——」
「そして、その者が通れば、この規定は生きます」
「通らなければ」
この人は、答えた。
「試験が、もう一つ増えただけでございます」
俺は、そこで、郤正に命じた。
「令先どの」
「はい」
「五年後の再審を、簿にしてください」
「はい」
「そして、表題を」
俺は、少し考えた。そして、こう言った。
「《一度落ちた者》」
郤正は、書いた。そして、こう聞いた。
「陛下」
「はい」
「一行目は、どなたでございましょう」
俺は、答えた。
「まだ、いません」
「……」
「五年後です」
そして、俺は、一つ付け足した。
「令先どの」
「はい」
「ただし、零行目に、一人書いてください」
「零行目、でございますか」
俺は、答えた。
「はい」
「——」
「馬謖。字は幼常」
「——」
「三十年前に落ちて、二十七年後に、十一行書いた人です」
〈あとがき〉
「魏には、中正がおります。誰が決めたかが、分かります。我らは、誰も決めておりませぬ。そして、そうなっております」——直す相手がいない、ということです。
《一 試験を作れば、私は通ります》《四 試験は、山へ登らせませぬ》——三年前、誰にも渡さず置かれていた十一本目です。越巂の吏が、三年迷って送ってきました。
《十一 私は、郷里で評されておりました》——白眉の一族です。
「よいと書いた者の名を、残します。そして、その者が三年後にどうなったかを、見ます」——評する側を、評します。
十四部のうち、残るのは四部。そのうち一部は越巂にありました。
「受けられると、知らなかった」六十一人。規定はあり、読める人が三十人に一人です。四十四年前と、同じでした。
「五年後、一度落ちた者が通れば、この規定は生きます。通らなければ、試験が、もう一つ増えただけでございます」。
そして、零行目に一人。
《劉禅文庫 再読『国家はなぜ衰退するのか』——包括的とは、誰でも入れるということである。四十四年、手が回らなかったのではない。入口のない側を、見ていなかった》
次回、第145話「白帝城の門を、開けておけ」。




