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15話 都市伝説

都市伝説とは、

出所の曖昧なまま広まり、

人から人へと語られる噂や怪異の総称である。


事実であるかどうかは重要ではない。

重要なのは、それが「語られ続けている」という点にある。


繰り返し語られ、

想像され、

恐怖や興味といった感情を伴って共有されることで、

その存在は徐々に輪郭を持ち始める。


※本作では、都市伝説という概念を、

観測された現象として再解釈しています。

ーー翌日


本日明け方、

二人目の被害者の死亡が確認されました。


被害者は二十代男性。


――口を裂かれた状態で発見されています。


現在警察は連続殺人事件として捜査を進めています。


目撃情報によると、犯人は


白いワンピース

マスク姿の女性。


手には鎌のような物を持っていたとのことです。


「見た目がまるで都市伝説の口裂け女みたいですね。」


「しかし警察は都市伝説との関連を否定しています。

犯行は都市伝説を模倣したものとの見方を強めているそうです。」


食事中の由美子がテレビを見ていると、


「由美子!早く食べなさい!

もうすぐアルバイトなんでしょ。」


「あ、うん

ごめん、お母さん」

由美子はパンを口へ放り込み玄関へ向かう


「もう、最近物騒だから

アナタも気をつけてね。」


「はーい、行ってきまーす。」


「はぁ、まったく…

でも元気になってよかった。」



ーー事務所


「修二くん、おはよう

今日のニュース見た?」


「いや、さっき起きたばっかりだから見てないな。」


「この前行った

事件現場覚えてる?」


「はい、それがどうかしました?」


「1人目の犠牲者の殺害場所が、

この前行ったトイレだったみたいなの。」


「そうなんですか。少し調べてみます。」


スマホで調べていると…


……本当だ。

犠牲者の近くに鎌を持った不審者の目撃情報あり

白いワンピースにマスク、身長は160センチくらいか…


「まるで都市伝説みたいな見た目だなぁ」


「そうだよねぇ

私もニュース見て同じこと思ったもん。」


「私の叔父さんも捜査に加わってるって言ってなぁ」


「え、由美子さんの叔父さん警察官なんですか?」


「うん、言ってなかったよね。

でも、会う事はないと思うよ

特に事件とかに巻き込まれてるわけじゃないしね。」


「確かにそうですね

でも、この事件調べてみようと思います。

由美子さん、この事件の資料の作成お願いします。」


「わかった。

修二くんはどうするの?」


「俺は一度2人目の事件現場に行ってみます。」



ーー事件現場



「うーん、ブルーシートとテープに囲まれて、中が見えないな」


ブルーシートを囲むように警察官が立っており、パトカーも何台か停まっている。

細かい血痕までは処理されていないのか、

よく見るとコンクリートの地面に小さな血の跡が残っている。


このことから、中の惨状はおおよそ想像がつく…

あの公衆トイレの影は顔周りの形状がおかしかった。あれは普通の死に方じゃない。

ともあれ、このままいてもしょうがないし、事務所に戻ろう。



ーー事務所


「由美子さん、帰りましたよ。

って、美羽ちゃんとお母さんお世話になってます。」


「いえいえ、こちらも娘がお世話になってます。」


「ところで、お母さんも一緒なんて珍しいですね。

なにかあったんですか?」


「それがですね…

近頃殺人事件があったので、集団登校になったんですけど、修二さんのところにこの子が行きたがって

1人だと危ないので、私が一緒に来る形に」


「私は1人でも大丈夫って言ったんだよ

なのにお母さんが!」


「ははは、美羽ちゃん

お母さんは美羽ちゃんが心配なんだよ。」

むくれる美羽を由美子が宥める。


「なるほど、

お母さんもし良ければ、美羽ちゃんの送り迎え俺と由美子さんがしましょうか?

美羽ちゃんが来たいと言った時に、連絡してくれれば、行きますので、

お母さんも毎回付き添うのは大変でしょうし、それに本人も来たがってますし」


「そうねぇ、

甘えさせてもらっても良いですか?」


「はい、大丈夫ですよ

由美子さんも良いですね。」


「うん、美羽ちゃんのことは任せて」


「やったー!

これでまた来れる!」


「本当に、この子は…

じゃあこれからよろしくお願いします。

じゃあ美羽、帰ろうか。」


「うん、お兄ちゃんも由美子お姉ちゃんもまたね」


「ああ、気をつけて帰れよ。」


事務所から2人を見送り、俺は椅子に腰掛けた。


「由美子さん、僕の方はあまり収穫はありませんでしたが、

そちらの方はどうでした?」


「私もニュースと同じくらいしか、情報集められなかったよ。

叔父さんにも聞いてみたけど、捜査状況は話せないって。」


「まぁそうですよね。」


「おーす、あれ?

なんか、空気重くない?」

調査が手詰まりで落ち込んでいると、悠真が尋ねてきた。


「なるほどなぁ

それなら、昨日近所の中学生が見たって言ってたぜ。」


「それ本当か!」


「ああ、俺は見てないけどな、

町外れの道に、鎌を持った女がいたから、慌てて逃げたらしい。」


「悠真、その場所教えてくれないか?」


「べつにいいけど、もしかして2人とも行く気か?」


「ああ、俺はな

由美子さんはどうしますか?」


「んー、危なかったら逃げれば良いし、

私も行くよ。」


「そうですか、わかりました。

悠真、案内頼めるか?」


「ああ、いいぜ。」


ーー町外れ


「ここら辺で見たらしい。」


「なるほど、ここやけに小道多くないか?」


「そうなんだよ、

地元民じゃないと迷っちまう。」


「悠真くんは、ここら辺に住んでるの?」


「いや、ここら辺は最近来ることが多くて覚えたんだ。」


「そうなんだ。」


「なぁ悠真、ここの小道のいくつかは住宅街や大通りに繋がってるのか?」


「ああ、ある程度把握してないと迷っちまうけどな。」

ブーブーっとスマホが鳴る音がする


「すまん、俺のスマホだ。

はい、もしもし、

わかりました。失礼します。」


「どうかしたの?悠真くん」


「2人ともごめん、俺急用が出来ちまった。

帰るわ、またな!」

悠真は慌てた様子でその場を後にした。


「はぁ、相変わらず騒がしいやつだな。」


「私は悠真のああいうところ好きだよ。」


「俺も悪くないと思ってるけどさ、」


「はぁ、素直じゃないんだから…」


ーー小道

「やれやれ、またどこに行ったんだよ。

この中探すの毎回毎回大変なんだよなぁ、

母さんも寝てたみたいだし、仕方ねぇか。」


ガッガッ


何か固いものが、断続的に当たる音が近づき振り返る。


「…………マジか」

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