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12話 邂逅

事務所に戻り、ドアを開けるとそこには、

交差点にいた探偵がそこに座っていた。


「アンタ……

なんでここに…」


「やぁ、あの交差点以来だね

君とは一度話してみたくてね。

少し調べさせてもらったよ。

座ってくれ、少し喋ろう。」


「あぁ、」

俺は言われるがまま、椅子に腰掛けた。

俺が座ると、由美子さんがコーヒーを入れてくれた。


「ありがとう、由美子さん」


「時守さん、なぜここへ?」


「はは、そんなに警戒しないでくれよ。

まぁ、いきなり来たから当然か。


単刀直入に話そうか…

"影"についてだ、

もしかしたら、僕と君は協力者になれるかもしれない。」


協力者?

どういうことだ…

いったい…何を考えているんだ……


「情報交換…という事ですか?」


「ひとまず、そういう認識で良いよ。」


「なら、交差点の"影"について聞きたいです。」


「はぁ、早速質問かい?

まぁ良いけども、あの影は別の影を取り込んで、存在を強く根付かせようとするものだ。


だけどね、存在は安定する代わりに、形が歪になり、そのうち消えることが多いんだ。

とりあえず、こんなところで良いかな?」


「なるほど、存在を強く根付かせるとはどういう…」


「まぁ、君は集合体を見るのは初めてのようだし、教えてあげよう。

"影"はね、

存在するのに、認知が必要なんだ。

それは噂でも、名でもいい。


火が燃えるためには酸素が必要なように、

木が育つのには水がいるようにね。」


「なるほど。」


「僕からも一つ良いかい?」


「はい。」


「君は影をいつから見えていた?

そして、君は影をどう考える?」


「俺はある日から突然見えるようになりました。

影は人の認知が必要なら…」


今までの"影"に対するタブーにも説明がつく

となると…やはり、むやみやたらに広めるのは危険だ。


「認知が必要なら、やはり情報を集めて、絞って、人に被害をもたらす影を一つでも減らすべきだと思います。」


「……」


「君はそう考えるんだね。

僕は違う、"影"が見えるなら影の性質を把握して、可能なら利用するべきだと思うよ。」


「"影"は…

そんなことに使うべきじゃない。

それは人の犠牲を許容するということじゃないのか?」


「あぁ、そうだ。

いつだって、人の進歩の裏には少なからず、犠牲になる人がいる。

それが影だと言うだけだ…


それに利用することが出来れば、それより多くの人を救える。」


「………」


「アンタとは…

分かり合えそうにない…

帰ってくれ…」


「……そうかい…」


「君のことを調べている時に、わかったことがあってね。

〇〇ダムの昏倒事件…敏明と言ったかな。

そして、君のお姉さんは元気かな?」


!!!


「ちょっと!修二くん!?

急にどうしたの!?」


「なんで……知っているんだ。」

俺は気がつくと、時守の胸ぐらを掴んでしまっていた。


「言っただろう…

少し調べさせてもらったと……


ところでさ、その手……

早く離してくれないか。」


「す、すみません」


「まぁ、良いけどね

今日は急に来てすまなかった。

助手さんもコーヒーありがとうね」


「あ、はい、お気になさらず」


「修二くん、これ、僕の名刺

改めて、僕の名刺を置いておくよ。

何か分からないことがあったら連絡しなよ。」


「じゃあ、また来るよ。修二くん…」

そう言い残して、時守は事務所を後にした。

そしてこれからの、事件の予兆だとも知らずに……

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