11話 13段目
ーー翌週
「魔の13階段
昔、悪い生徒が階段を踏み外して落ちたんだって
それからというもの、足を滑らせた13段目から手を伸ばして、誰かを道連れにしようとしてるんだって……」
「ふーん、なるほどねぇ。
美羽ちゃん、ほかはどんな話があるんだ?」
「うんうん、知らないの
3つ以上知ると呪い殺されちゃうんだって」
「ありがちだなぁ」
あの展望台から数日経ち、美羽ちゃんの学校の七不思議解明の自由研究の手伝いをすることになった。
「ところで、なんで自由研究で七不思議なんだ?
他にもあるだろう?ホラ、花とか昆虫とかさ」
「そうなんだけど、クラスの友達が階段から落ちたの
それ以降、クラスのみんなが、屋上の階段で足を掴まれたって言って、誰も屋上の花壇に水やりしなくなったの。
だから、私が解決するんだ。」
「そういうことなら、お兄ちゃんに任せろ」
「うん、お願いね」
俺と美羽ちゃんは握手を交わし、例の13階段へ向かう
もし、階段に"影"がいるのなら、
これ以上噂が広がらないように、上手く美羽ちゃんに伝えなければ…
そう考えているうちに、例の階段の前に着いた。
「美羽ちゃん、ここが例の階段かい?」
「うん、お兄ちゃんどう?」
「特に何もなさそうだけど、階段をよく見てみようか。」
ぱっと見た感じでは、少し古めな階段といった印象だった。
美羽ちゃんのクラスメイトが足を掴まれたと言われた階段をよく見ていると、ちょうど13段目が少し手前に傾いていることに気づく。
それに階段についている滑り止めが、階段の傾きに加え、登り降りの際に足先を引っ掛けやすい構造になっていた。
…よかった。
「美羽ちゃん、多分だけど
この階段の謎がわかったよ。」
美羽ちゃんに階段について話すと
「えー、なんだ、つまんないな〜
それだけかぁ」
「まぁまぁ美羽ちゃん、そう言わずに、
この階段の謎がわかったのは美羽ちゃんのおかげだよ。
これからクラスもみんなも怪我しなくて済むんだしさ。」
「えへへ、そうかな」
照れくさそうに体をくねくねさせる。
「じゃあ美羽ちゃん、階段のことを先生に伝えて、自由研究をまとめて帰ろうか。」
「うん、お兄ちゃんも一緒に先生の所に行こう。」
「あぁ」
小学校の職員室に向かっていると、
「もしかして、修二くん?」
「はい?」
そこには小学生時代の先生が立っていた。
「うわぁ、大きくなって、
最近はどうしてるの?
いつも一緒にいた悠真くんとはまだ仲続いているの?」
「今は大学生で、ゆっくり生活してますよ。
アイツとは、もう会ってないんですよ…
今日は、美羽ちゃんの自由研究を手伝うために来たんですよ。」
「そうだ、先生、美羽ちゃんから伝えることがあるんですよ。」
美羽ちゃんが階段の件を、先生に説明した。
「そうだったの
ありがとうね。みんな怖がって近づかなくなってたから、
わかったわ、先生たちが階段を直しておきますね。」
先生に伝えた後、俺は美羽ちゃんの教室で宿題を手伝っていた。
ーーなぁ修二、今日も遊ばないのか?
あぁ、ごめん、今はそんな気分じゃないんだ。
そうか、また誘うからな!
遊びたくなったら言えよ!
「ねぇ、お兄ちゃん!
どうしたの?ボーっとして。」
「あーすまない、昔のことを思い出していな」
「そうなんだ。
どんなこと考えてたの?」
「そんなことより、美羽ちゃん、
宿題を終わらせようか。」
「うん、わかった」
自由研究を終え、美羽ちゃんを家の前まで見送り、事務所に帰っていると、
スマホにメールが届いていた。
今、事務所に修二くんに会いたいって人が来てるよ。
帰ってくるまで待つって言うから、
コーヒー出して待ってもらってる。
自由研究が終わったら連絡くださいね。
「ん?
今日は依頼の予定はなかったはずだけど…」
わかりました、今から帰ります。
事務所に戻り、ドアを開けるとそこには、
交差点にいた探偵がそこに座っていた。
「アンタ、なんでここに…」
「やぁ、あの交差点以来だね
君とは一度話してみたくてね。
少し調べさせてもらったよ。
座ってくれ、少し喋ろう。」




