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高等科編4

「おじさんはね、今の四面楚歌の状態に絶望なんてしていないよ。

世界は変わる、それは今回の出来事がきっかけとして世界は変わるんだ。

そのためにあの子達を全力で強くする、ただそれだけのことに深く考える必要なんてないのよ、シィ。

勿論、あの子達を犠牲にするつもりなんてないわ、おじさん達にとっても初めての弟子なんだもの。

それが善の道を進もうが、影の道を進もうが弟子達が選んだこと……。おじさん達がでしゃばる必要なんてないし、どんな選択をしようとね、あの子達は子供と同じように可愛がっていくのは変わらないのよ。シィは真面目ね、神々が考えていることを理解しようだなんて、きっと神々は面白がることでしょうよ。

“天の気まぐれに溺愛された者”の称号だなんて作るのよ、おじさん達には到底理解出来ないような選択が彼らにはあるのかもしれないわぁ。……まあとりあえず、おじさん達はあの子達が生き抜けるように手助けをすることに集中しなくちゃいけないしぃ、おじさんに至ってはどう四面楚歌にしている場所にスノーを送り込まないといけないか策を考えなければいけないし、シィは彩人の選択を増やすためのことに集中してもらわないと困るのよぅ」

 と、おじさんはそう言った後、だいぶ伸びた髪を掻き上げながら、おどおどしたあの子をどう指導していくのかを大幅な流れを考え始めるのだった。

 手伝ってくれよーとシィが泣き言を言っているのが聞こえてくるものの、彩人の力を引き出すのは戦い方の分野が違うおじさんには向いていないと思うから、今回ばかりは無視した。


 下手に情報だけでアドバイスを口走ったことで、彩人の選択の結論を最悪なものにしてしまうかもしれないと考えれば、彼の育成はシィに一任すべきだと思う。……勿論、全てを丸投げにするつもりはないわ、彩人にもおじさんが教えてあげられるものがない訳じゃないからその分野に関してはとことん指導していくつもりではあるの。

 それよりも重要な存在はしのくんのような気がする、あの子次第でこの世界がハッピーエンドで終わるか、はたまたバットエンドで終わってしまうのかが決まってしまうような気がするのよ。だから、おどおどしたあの子が自信を持って選べるようにおじさんはその手助けをしてあげなければいけないの。

 だからね、いつもならしょうがないなーと言ってしまうところだけどー……、今回ばかりは心を鬼にしてきつめの言葉を言わせてもらいます!


「シィ、これは君の役目よ。おじさんには出来ない、甘えず自分自身のこの役目を全うしてね……?」


 一見、優しく聞こえるだろうけれど、信頼している友人には向けない殺気を向けながらそう言えば、シィはまるで誰かに操られたかのように、ひたすらに首を頷き続けていた。

 ――あら? シィぐらいの実力者が何に怯えているのかしら?

 と、そう考えていればおじさんの思考を読み取ったように、絶妙なタイミングでクスリと笑うノーリ。

 笑われた理由がわからず、おじさんは呆然としていればノーリは、

「クラはわからなくても大丈夫だよ。きっと理由を知っても謙遜し過ぎるだけだろうし、それに世の中にはね、知らなくて良いこともあるんだよ……?」

 珍しくコテンと首を傾げながら、無表情でそう言ってきたノーリに違和感をかんじながらもおじさんはそれもそうねー……とそう納得し、箇条書きで書いたメモに視線を移した。


 メモに視線を移したと同時にそれと同時に、ノーリは続けてこう言った。

「……師匠を……いや、ジークさんを捕らえるのは勿論俺らだよな?」

 いつも通りに感情を隠しているつもりなのだろうが、今日の微笑みには明らかな動揺の感情が見え隠れしていて、何を不安がっているのだろうか? とそう考えながら一度はメモに移した視線を一時的にノーリへと戻し、こう言うの。


「当たり前でしょ」


 おじさんは信頼している人しか向けない微笑みを浮かべながら、自信満々にそう答えてやればノーリは苦笑をし、……そうだよなとボソリと呟いたことを聞き逃しはしなかった。



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