やはりマイペースなおじさんです3
「そう言えば、シィ達は何しに来たの?」
今さらそう疑問に思い、そう言った。
すると、シィとナナセくんは驚いたように目を見開き、こう言う。
「明日、姫様の婚約者候補の五人が来るらしくて、お父様に呼ばれたんだ。
それにその後、ナナセについて話したいことがあるからって、お父様に一緒に来いって言われたんだよ。
何、お前知らなかったの?」
そう首を傾げながらも、シィは面倒くさそうな素振りを見せることなく、おじさんに説明してくれた。
おじさんは自分が婚約者候補だったのだって、知らなかったのよ?
まあ、姫様の今の現状を知るつもりもなかったし、別に良いのだけど。
「そうなんだ〜。おじさんもさっき自分が婚約者候補にあげられてたって聞いたの、父上は考えることなく速攻断ったらしいけど。まっ、あの人は基本的にどんな相手の見合い話でも断るだろうけどね。おじさんの気持ちを優先してくれるから、自分にどれだけ見合い話が来てたなんて、さっきまでしらなかったもの」
と、にっこりと微笑みながらそう言えば、ノーリは深いため息をついた。
――内心では危機感がないんだからって、ノーリはまた心配しているんだろうなぁとそう考えながら、何か言いたげなシィに気づき、何が言いたいんだろう? とそう疑問を抱きながら首を傾げつつ待っていれば、呆れたようにこう言われてしまった。
「お前って恋愛を少し遠ざけているよな。
クラは完全に遠ざけている訳じゃないから、別に良いんだけどさ……。
まっ、まだ九歳だから気にする必要はないのだろうけどそんなことより、お前姫様に冷たいよな。そんな対応出来るのはクラ、お前くらいだろうよ」
そんな言葉に勘が良くなったよねと言葉にしないものの、そう考えていた。
この質問には答えるつもりはないから無言のまま、歩き出したのだけど。
……これ以上聞いても、何にも言わないのはわかっているようで、シィは何も聞いては来なかった。
◇◆◇◆◇◆
ノーリの制止を気にすることなく、メイドとして潜入を試みるおじさん。
そう、今日は姫様のお見合いなのです! それは別に良いのだけど、シィが参加すると聞きましてぇ、親友の晴れ姿を見守るべくメイド、執事さんの協力を得て潜入の許可をもらったのです〜。
「さあ! ノーリ?
ノーリも潜入するの、手伝ってくれるよね? ふふっ、拒否権はないから」
オールバックに銀縁眼鏡をかける執事は、優雅な動きで食事を運んでいく。
――その執事とは、ノーリなのです!
男前度が上昇しました、燕尾服を来ていると大人のように見えるわぁ!
おじさんは、メイドさんの姿をしているの。でもね、シィにも父上にもバレちゃってみたいなのよね。
父上の場合、こう言う経験もするとは……と満足げなんだけどねぇ。
シィはまた無茶すると言いたげなのが表情だけで良くわかるわぁ。
まあ、とりあえず役目は終わったしぃ、しょうがないから姫様の婚約者候補の紹介をしましょうかぁ。
何でもかんでも、情報を集めたくなっちゃうから困っちゃうわよねぇ。
おじさんは姫様を許した訳じゃないわ。
……父上が彼女のせいで左腕を失ったのにも関わらず、そのことを許すのならおじさんだけは許さないことにした。そういうことがあったんだって、忘れてしまわないように……。
まあ、この話はおいといて。婚約者候補さんの紹介を始めちゃうねぇ。
まずは一人目!
何故か、目を閉じているなかなか体格の良い少年 シンハ リンフィン。
年齢は十二歳。王族が運営している学園に、経済学科に通っているらしい。
次に二人目!
クリッとしてて大きく、印象的な透明に見える瞳。童顔ながらも、落ち着いた印象を抱かせるこの婚約者候補、シティア ラクト。十五歳で一人目の婚約者候補と同じく、王族が運営している学園の普通科に通っているらしい。
三人目はユキア シーディア、十五歳。たれ目でホスト系統の顔をしてる。
ハルスノ学園に通っている、魔法医師科の生徒。とある筋の情報から意外な事実、実は性格的にヘタレであまり女性と喋るのが得意ではないらしい。
次に四人目ね、シンジ エール。
目元に隈が出来ているどちらかと言えば、平凡顔をしている十一歳。
王族が運営している学園をこの人は飛び級し、今は見習い賢者。
最後に五人目。不機嫌そうなオーラ全快、強面な男前はサエキ エルティ。
実は女性恐怖症なだけであり、ブラコンで不器用な優しい人らしいととある筋から情報を得ている。
あら、ちょうどノーリが仕事終わったからこの部屋から退場の時間だわ!
親友の勇姿は目に焼きつけたし、最後は飽きちゃって情報提供してたけど。
最後にシィにウインクをしてから、この部屋から立ち去るのだった。




