おじさん、初めての魔物狩り3
リースちゃんとアンリちゃんは大切に育てられたんだんだなぁって、彼女らの様子を見て良くわかる。
でも、竜騎士になるのなら箱入り娘のままの気分では駄目なのよ。
魔法医師科、魔法研究科、科学研究科と違って竜騎士として働く女性は極めて少ない。卒業するまでの長い時間、竜騎士科の訓練に体力的な面で耐えることが出来ず、別の科に移ってしまう人が多いの。
竜騎士科の訓練は、結構女性には厳しいものがあると思う。
おじさんは案外、体力があるから何処まで出来るか、今出来るものだけ試しにだけ訓練メニューをやって見たのだけど……、師匠との修行を終えてからの七ヶ月間、継続して訓練し続けられているのだから、自分でも驚いている。
師匠の修行メニューと比べれば、おじさんやノリトくんにとっては、継続出来るくらいの訓練メニューだなとは思うけど〜……、今のリースちゃん達の様子を見ると、毎日このメニューをこなすのは厳しいかなってそう思う。
竜騎士科の訓練メニューを見た時、ジークさん(師匠)の組んでいた修行メニューが厳しいものだったのか、……改めて認識させられた期間だったわぁ。
と言えど、竜騎士科に入るまでその訓練メニューを継続して二人で続けていくつもりでいるけどねぇ。
だからね、リースちゃんもアンリちゃんの両親も厳しく指導出来ないなら、厳しく指導してくれて時にはしっかり褒めてくれる、自分の信頼出来る人に任せてしまった方が良い。
竜騎士科、魔法騎士科、騎士科、魔法科はこの大陸は戦争していないので、魔物狩りや王族、貴族の護衛が主な仕事なのだけど、対人戦形式を経験していなかったり、経験が浅かったりすると……、実際の任務で予想外のことが起きた時、冷静に対応することが難しくなってしまう。
だから、おじさんは自分の出来ることはトチ狂ったように努力し続けるの。
そろそろ、昼食になるそうなのでルノーンの森の地図制作をするために、スノーを数匹作り出した後、それぞれのスノーに担当をする方向を教えれば、魔力を渡してから直ぐに嬉々として担当する方向へとスキップするように飛び出して行った。
「何あれ……。可愛いな、あの猫達」
と、だるそうな歩き方をしながらも、癒されたような表情をしてるルト先生。そんな様子にあ、犬より猫派な人だなと考えながらにっこりと微笑んでおく。
隠密行動など、色々なことを教えていくうちに動作で、スノーは感情をおじさんに伝えてくるようになってきたのよねぇと考えつつ、こう答えた。
「スノーはきっと、人の役に立つことが好きなんです。そうすることでスノーは、知れるはずだったこの世界を……、見ることが出来ますからね……」
と、そう言えば、ルト先生は息を飲んだ後、苦痛そうな表情を浮かべた。
そんなルト先生の表情を見て、この人は表情の変化が豊かなんだなって、おじさんはそう思った。
◇◆◇◆◇◆
昼食を食べてから三時間後、おじさんは自分の聴力の良さを活かし、どの方向から来ると教えながら、霧を水に変換して吸収しておいたおかげで、水魔法でのサポートは魔力を使わず出来ている。ちなみにノリトくんは俊足を生かして、二刀流での剣術により魔物を倒していっている。
昼食を食べた後からは、恐らく二十体以上は魔物を倒しているが、何故だか自分ではない“誰か”と勘違いして、魔物は襲いかかってきているようにしか見えない行動をしている。
おじさんはそのことに確信が持てず、誰かに言うことを躊躇っていると……、約二年近く側にいたノリトくんが近づいてきて、優しく微笑んでこう言った。
「何か違和感でも感じたのか? 確信を持てなくても良い、話して見て?」
まるで包み込むような優しさのこもった声でそう言うもんだから、おじさんはつい声に出してしまう。
「……何か、魔物の様子がおかしくない? まるで、おじさん達じゃない誰かを怖がり、逃げて来たような様子だった。……それに、何故だろう? 襲いかかってきた魔物はその“誰か”とおじさん達を勘違いしていたような気がしてならないんだ……」




