おじさんの修行な日常、再び4
リビングに戻れば、挨拶代わりなのか、ノリトくんに抱きしめられた。
そんな行動については、毎朝の挨拶みたいなもので、ノリトくんとお早うと言葉で挨拶していたのは、一緒に過ごし始めて数日までだったと思う。
初めは戸惑っていたものの、三ヶ月とちょっと過ごしていれば慣れっこで、おじさんは抱きしめられたまま、ソファーまで移動すればノリトくんが先に座ったのを確認した後、膝の上に乗るまでが毎朝の習慣みたいなものなの。
この様子では午前中いっぱいぐらい、ノリトくんの膝の上で過ごすことになりそうだと、そう考えながら苦笑していたが、抵抗はしようとは思っていない。
一回だけね、流石のおじさんでも抵抗したことがあったのよねぇ〜……。
その時、あまりにノリトくんが悲痛そうな顔をするものだから……、それ以降からは抵抗することが出来なくてね、大人しくしとくことにしたのよ。
まあ、父上が会話よりスキンシップの方が多い人だし、おじさんも最近はスキンシップが多くても、平気になってきたから別に良いんだけどね?
このことはとりあえず、おいといて。スノーの件について考えようと思う。
人で言えば臓器の血管のような役割を持つ、影で出来た管がスノーの全身に通っている。こちらの世界の人にはある“魔力の器”を影ではなく、魔力で作り出すことにしたの。
何故、“魔力の器”まで魔力で作り出すことにしたのかと言うと……。
理由としては、器も魔力で作り出すことによって、その器自体もスノーの魔力として使うことが出来ると言うのもあるけど、“魔力の器”を影で作るとしても、渡す手段を魔力の“リボン”以外に考えなければいけないと言うことも理由の一つである。
この手段を使うならば、“魔力の器”の大きさを一定して作り出すことが出来るようにならなきゃいけないし、作り出すスピードをなるべく最速までに仕上げなければいけない。
とりあえずはどの方向に進めていくかは決めたし、あとはおじさんの努力次第だよね、三ヶ月でスノーが出来ることの可能性を広げられるかは……。
と、そう考えた後、おじさんの背後にいるノリトくんに微笑みかけた。
◇◆◇◆◇◆
「ノリトくんの適合検査結果はどうだった? おじさん、三ヶ月間ずっと、ルノーンの森の音を暗記することに集中してたから、知らないんだけどぉ〜」
ジークさんが帰ってくるまで、スノーの件を進める訳にもいかないし、前から聞きたかった適合検査の結果の話題をあげてみれば、ノリトくんは懐のポケットから適合検査の結果が書かれた用紙を、満面の笑顔でおじさんに渡してきた。
【魔法分野】
水魔法、氷魔法はレベル三の実力。
防御、変換などの分野ではレベル五。
回復魔法はレベル五。
【古代魔法】
回復魔法《水》はレベル三の実力。
札魔法レベル二。
札魔法の使う際、攻撃系のみレベル一。
【才能】
記憶力、レベル三。
魔力調整の正確さ、観察眼、予知、魔力発現の速さはレベル四。
駿足はレベル五。
【体質】
先天的体質……竜に好かれやすい体質。
後天的体質……回復力が高すぎる体質。
これを見た感想? 防御系、回復分野に片寄ってるなとは思ったよ?
まずは後天的体質である“回復力が高すぎる体質”は恐らく、回復系統や防御系統を中心に修行してきた影響が出てるんだと思うわぁ。それはしょうがないよね、ここまで適性が片寄っているんだもの。
それから魔力分野の“変換”についてだけど……。簡単に説明すれば、水魔法で出した水を氷魔法で冷やし、氷に変換すると言うことなんだって。
結構ね、それをするの難しいらしいよ。魔力量の消費、激しいらしいし。
まあ、魔力調整の正確さの才能があるノリトくんだからこそ、その分野のみレベル五の実力と言えるんだろうけど。
最後に古代魔法の回復魔法《水》は、水に込めた魔力量で効力が変わるの。
札魔法は札の枚数で攻撃力、防御力が変化する魔法で属性は適性に合わすことが出来る数少ない魔法。
おじさんよりは確実に強くなるよねぇ、これぐらいの適性で努力家だし。
それにジークさんが指導するのもあるし、おじさんは魔法発現するまで防御面が弱いって自覚してるから、戦闘時心強いわぁ。
まあ、一言ノリトくんに言うとしたら、これしか言えないよね。
「片寄ってるねぇ」
「そうだね」
と、おじさんの一言に怒ることなく、ノリトくんはむしろ満面の笑みで同意するんだもの、本当に七歳なのかと疑うくらいの包容力だよねって、思ってしまっても仕方がないことだよね?




