おじさんの修行な日常〜森編〜5
毛の一本一本まで鮮明に、そして丁寧に、まるで生きているかのようにスノーのことをトチ狂ったかのように、おじさんは描き続ける。
森で生活することを再開してからの五日間、おじさんはスノーの姿しか描くことをしなかったの。
唯一水分だけ摂ることは忘れずに、だけど食事をすることなく、スノーのことを鮮明に思い出すことが出来るように、満足するまで狂ったように筆を動かし続けていた。
そして二十六日目。おじさんは目を虚ろにさせながら、影で作り出されたスノーの姿を呆然と、眺め続けていたのだった。
――ああ、これでスノーは見ることの出来なかったこの世界を……。見ることが出来るのかなぁ……。
と、ふとそう考えた。これはおじさんの自己満足かもしれない。だけど……スノーが生きていた証を残せないなんて、後々後悔しそうだったから。
「よろしくね、スノー」
と、声が出せないのか、動作で了承の意志を伝えてきたスノー。
――強くならなきゃ。怪我して誰かを悲しませないように。そして、自分のために……全力で今の出来ることをしよう。
◇◆◇◆◇◆
森生活二十七日目。昨日の影で出来たスノーは一定の時間が経つと、元の影の姿に戻っていったよ。
まあ。情報が足りないからあくまで考察でしかないけれど、恐らくおじさんの今の魔力量では余裕を持って影でスノーの姿を作り出し、姿を保つことが出来るのは……約十五分が限界だと言うことなのだと思うのよぅ。
まあ? 魔力量の限界値の上げ方は知らないしぃ〜……、魔力があっても動けなくなっても意味がないしねぇ。とりあえずは体力作りに励むことにしましょうかね? 幸い、ここの森は広い。寧ろ広すぎるくらいだし、森の中を散歩しつつ、作品作りのための材料を探すことにしますか。
で、午前中までの三時間の間に体力作りのために散歩をしつつ、作品を作るための材料探しをした訳なんだけど〜。
午前中の材料収集の結果は……小枝、半透明な石、レンガだけかな。
と、言っても量的にはたくさん見つけて、文句はなしなんだけど〜……なかなか多くの種類の材料が集まらない。
どうしたものか、とそう考えながら五日間振りの食事を食べた後、今度は川の上流付近まで行ってみることにした。
いざ行ってみれば大きな岩ばかり。まあ、当たり前だよねぇ〜……。
まあ。一応来てみたことだし、ふらふらと散策でも……てありゃ?
……石と言うより岩の隙間から、ガラスのような物を発見しちゃった!
こりゃ、作品の良い材料になるわぁ〜。
「どんな作品を作ろうかなぁ? 作るのが今から楽しみになってきちゃった!」




