表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン奴隷だった俺、封印魔人と融合して美少女になり、最奥から強者を叩き潰す  作者: あきお
第1章 奴隷、地上へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/63

第3話 魔人の受肉

※本作にはTS要素があります。

俺の身体に入り込んだ宝石から黒い触手のようなものが、傷口を通して無数に這い出てくる。


意識のない俺の身体は抵抗する術もなく、あっという間に全身は触手に飲み込まれた。

触手は、そんな俺の身体を弄ぶかのように捏ね回す。


比喩でも何でもなく、グチャリ、ボキリ、ゴキゴキと音を立てながら、その身体を弄り回している。


巨大狼は、突然の出来事に足を止めた。

その触手に牙を剥き、大きく唸り威嚇をするが、その場から動くことはない。


得体の知れないものに近寄りたくない、というのは魔物であれ、知能を持つ生物の本能なのかも知れない。


やがて触手はゆるやかに動きを止め、体内へと吸い込まれるように萎んでいく。


触手によって、俺の身体は作り替えられていた。

もはや原型を留めていない。


なぜならそこには――



――美しい女性が、たたずんでいた。



流れるように滑らかな、金色の長髪。

人を惹きつけて離さない、真紅の瞳。

小柄ながらに整った、魅惑のボディライン。


喰われた事実など無いとでも言うように、右腕も無傷でそこにある。


「ようやく受肉できたわ……ここまで、どれほど待ったことか!」


女は感激した様子で、その場をくるくると踊り回る。


あの、暴力の権化の目の前で。

脅威など存在しないとでも言いたげに。


場にそぐわないそのダンスは、観客がいれば、きっと目を離すことができないほどの美しい踊りだったであろう。



グルアアアアアッッ!!!



しかし女の踊りは、怒り狂う獣の咆哮によって終わりを迎えた。

突然の出来事に足を止めた自分自身を恥じるかのように、巨大狼の声は怒りに満ちていた。


動きを止めた女に、殺意を持って狼は爪を振り上げる。

切り裂けぬものは何も無い、と言わんばかりの重厚かつ鋭利な爪。


目にも止まらぬ速さで振り抜かれた痛烈な爪撃は、女の身体を無惨にもバラバラに――



「……何のつもりじゃ?貴様」



――することはなかった。

女は何事もなかったかのように、手のひらでその爪を受け止める。


「まったく……」


しかし女は顔に不快感を滲ませ、その指に少しずつ力を込める。

狼の爪はミシミシと悲鳴を上げ、女の指が徐々に食い込んでいく。

それでも女が力を緩めることはない。


巨大狼は必死に引き離そうとするが、いくら引こうがびくともしない。


「犬コロ風情が妾を傷つけようとは……躾がなっとらんようじゃな!」



バキン!



圧力に耐えきれなくなった狼の爪は、無惨にも木っ端微塵に砕け散った。



グオアアアアアッ!!



この咆哮は怒りか、恐怖か。

再び部屋を震わせる、獣の絶叫。

それと同時に、狼は女を噛み砕こうと、凶悪な口を開く。


「たわけがっ!」



ドゴン!!!



牙が女に届く直前。

女の脚が、一瞬のうちに狼の顎を蹴り上げる。

その強烈な一撃は、五メートルはあろう狼の体を軽々と宙に浮かせた。


「……獣ごときが、妾の魔人の力で死ねること、光栄に思うが良いぞ!」


女は右腕を振りかざす。

かざした右腕に、魔力が集まっていく。

そして圧縮された、黒い魔力が拳を覆いつくした。


その右腕を体に引きつけ――



ドシュウッッ!!!



振り抜いた拳から放たれた魔力は、天井を砕き、狼の体に無慈悲にも巨大な穴を空けた。

空中から地面に、派手な音を立て倒れ込んだ狼の巨体。

それは、一度ビクンと大きく痙攣したあと、二度と動くことは無かった。



「ウォーミングアップ終了、と言ったところじゃの。では、行くとするか」


狼の死体を一瞥することもなく、女は意気揚々と玄室を後にする。


「ここは退屈過ぎて死ぬところじゃったわ……このお礼、たっぷりとしてやらんとな」


怒りか歓喜か、はたまた両方か。

女は不敵な笑みを浮かべ、玄室の扉に手をかけた。

その時――



ドクン



女の足が止まる。


『……なんじゃ?』



ドクン



その手が震える。



ドクン



誰かの生命の息吹を、胸の奥から感じる。



「これは……まさか、この肉体の男、まだ死んでおらんかったのか!?」


全身から突然感覚が引き、身体に力が入らない。

立っていられなくなり、地面に膝をつく。


「妾ともあろうものが……こんな単純なミスを!!!」


女は苦々しげに、自らのミスを呪う。



そして女は、髪を振り乱したまま意識を手放し、その場に倒れ込んだ。

読んでいただきありがとうございます。

よければブクマ・評価・感想いただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アレックスは本当にラッキー!私もあの宝石を見つけられたらよかったのに!彼女の髪の色や目の色、そして体のサイズが知りたい!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ