33.ギルタス・グラム
数日後、ししゃもは朝からオーハン城に行く支度を整えていた。
「どんな恰好だと良いんだ」ししゃもが話した。
「普段の恰好で良いんじゃないですか」ふみふみさんが話した。
「暗黒騎士は見た目が怖いので盗賊のアバターが良いでしょう」毒蛇さんがアドバイスした。
「成程、なら普段通りの恰好で行こうか」ししゃもは暗黒騎士から盗賊へアバターを切り替えた。
「しかし、何の用なんだ」岳ちゃんが尋ねた。
「さぁ、分からないよ」ししゃもが答えた。
「大会の優勝者ですから悪い話では無さそうですが」森羅万象さんが話した。
「まぁ、行ってみれば分かるだろう」ししゃもが話した。
「みんなは好きに行動して構わないが一人で行動をするなよ」ししゃもが注意を促した。
「俺はカードショップに出向くよ」岳ちゃんが話した。
「例えば、スタミナ減のカードを複数人で対象一人に使用出来るのか、他にも様々な細かい点をカードショップの店員に尋ねて来る」
「待機メンバーは誰にする」ししゃもが話した。
「私たちが待機してますよ」小麦ちゃんと麦茶さんが話した。
「そうか、では留守番を頼む」ししゃもは燕ちゃんと共にオーハン城へ向かった。
二人は都の中央へポータルを使って移動した。オーハン城が目の前にあった。
「大きな城だな。駒かい細工まで丁寧に作られている」ししゃもは城を眺めながら呟いた。
「素敵なお城ですね」燕ちゃんが話した。
城の大門前に衛兵が並んで立っている。ししゃもは衛兵に尋ねた。
「呼び出しを受けて居るのだが、案内をしてくれるか」
「貴様、何者だ」衛兵の一人がししゃもを睨んだ。
「大会の優勝者だ」ししゃもが話した。
「兵長、怪しい者が来ております」別の衛兵が兵長に伝えた。
「あぁ、通してくれ。ギルタス様から指示が出ている」兵長が話した。
衛兵の一人がししゃもの前に立った。
「先程は大変失礼しました。それでは案内をさせて頂きます」衛兵がゆっくりと歩き出した。二人は衛兵の後に続いた。
オーハン城の中は煌びやかな装飾品で溢れている。
「大きい城だが、何人くらい居るんだ」ししゃもが尋ねた。
「機密事項なのでお答えが出来ません」衛兵が答えた。
「そうか」ししゃもは苦い顔をした。
二人は城の中をゆっくりと歩きながら王座の部屋の前に辿り着いた。
「ここが王座です。くれぐれも失礼の無い様に」衛兵が扉を開けた。
「ギルタス様、大会の優勝者をお連れしました」衛兵が大きな声で話した。
「では、私はここまでです」衛兵が踵を返した。
王座にはあご髭を三つ編みにしている強靭な男が座っていた。
「緊張しているのか」ギルタスが笑いながら話した。
「そうですね」ししゃもが話した。
「カエルの戦士よ。楽にしろ、付き人もだ」ギルタスが話した。
二人は楽な姿勢を取るとギルタスの顔を見た。
「しかし、クォーツがダイヤモンドを倒すとは思わなかったぞ」ギルタスは大声で話した。
「まぁ、何とか倒しましたね」ししゃもが話した。
「所でお前は人間なのか」ギルタスが鋭い視線をししゃもに向けた。
「元々、人間です。呪いの類と言えば分かり易いでしょうか」ししゃもが話した。
「成程」ギルタスは水を飲んだ。
「今日、呼んだのには訳がある。良い話と悪い話だ」ギルタスは二人を見つめた。
「先に良い話をしよう」ギルタスは二人を近くに呼び寄せた。
「カエルの戦士よ。急な話だがお前に騎士の称号を与える」ギルタスが話した。
「騎士ですか」ししゃもは不思議な顔をした。
「領地は与えられないがオーハンにある貴族の屋敷をお前に与えよう」ギルタスが話した。
「屋敷を頂けるのですか」燕ちゃんが尋ねた。
「あぁ、そうだ。温泉も付いているぞ」ギルタスが話した。
「温泉が付いているんですか」ししゃもが話した。
「温泉は好きか」ギルタスが尋ねた。
「無類の温泉好きです」ししゃもが答えた。
「なら、良かった。お前たちの仲間で自由に暮らすと良い」ギルタスが話した。
「何故、仲間の事をご存じなのですか」燕ちゃんが尋ねた。
「色々と調べた。ヨームの村、ソランの町での活躍。何れも見事な働きであった」ギルタスが再び水を飲んだ。
「根無し草の傭兵団なのだろう。この都で腰を落ち着けると良い。帰る場所があるのは良い事だぞ」ギルタスが話した。
「次は悪い話だ」ギルタスは真剣な顔になった。
「実は近々、戦争が起きる。相手は隣国のフーラ共和国だ」ギルタスは話を続けた。
「密偵の情報ではフーラ共和国にとても強い傭兵団が付いたそうだ」
「傭兵団の名前はひよこ団と言う」
ししゃもと燕ちゃんは驚いた表情をして互いに目を見合わせた。
「確かな情報なのですか」ししゃもが尋ねた。
「とても腕の良い密偵でな、ひよこ団が迷い人だと言う事も調べ上げた」ギルタスは書類を取り出した。
「迷い人とは」燕ちゃんが尋ねた。
「別の世界から来た者達の事を差す。昔から迷い人は強き存在として扱われる」ギルタスは何かに気が付いた。
「もしかして、お前達も迷い人なのか」ギルタスが尋ねた。
「はい、その通りです」
「ひよこ団はとても強い傭兵団です。我々の三倍の規模はあるでしょう」ししゃもが答えた。
「そうなのか」ギルタスが話した。
「ギルタス様、我々の傭兵団も強いですから」燕ちゃんが話した。
「いや、多分ですが戦闘は膠着する可能性が高いですね」ししゃもが話した。
「どちらの言う事が正しいのだ」ギルタスが話した。
「隊長は謙遜し過ぎですよ」燕ちゃんが話した。
「だが、万が一という事もある」ししゃもが話した。
「二人共、落ち着くんだ。それよりも戦争に参加してくれるのか」ギルタスが話した。
「相手がひよこ団なら我々も戦います」ししゃもが話した。
「良い返事を貰った。だが、良く聞きなさい」
「戦争は知略を生かして行うのだ。強大な相手なら尚更だな」ギルタスが話した。
ギルタスは使用人にお茶を出すように伝えた。
◆登場人物
◆ししゃも 物語の主人公。【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のリーダー。
◆燕【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆毒蛇【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆うすしお【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆岳【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆緑川【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ああああ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とんかつ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆麦茶【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆小麦【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とろろ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆森羅万象【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆七味【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆こてぺそ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆阿修羅【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ふみふみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆りこっち【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ギルタス・グラム【水の都オーハン】の領主。
◇設定資料
◇【ひよこ団】めいめいが設立したギルド、総勢五百名。七つの領地を持つ大型ギルド。国内ギルドランキング第二位。世界ギルドランキング第六位。




