↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ブラッシュアップ版】 モブキャラ異世界転生記~モブキャラに転生しちゃったけど従魔の力で何とかなりそうです~  作者: ボルトコボルト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/110

第67話 玉座の終焉、新しき支配の夜明け

 国王の執務室に、血に染まった兵士が駆け込んできた。

「陛下! コトウハ公爵が謀反を起こし、王城は既に制圧下です! お逃げください!」


「なにっ、謀反だと!?」

 国王とリーキヤ公爵が驚愕に目を見開いたその瞬間、兵士の背中を無慈悲な切っ先が貫いた。兵士は声もなく崩れ落ちる。


 その背後から現れたのは、重装甲に身を包んだ騎士たちと、静かな怒りを宿したコトウハ公爵、ビーカル辺境伯、そして錬金術師コエザの三名だった。


「ビーカルううううう!! 貴様、何をする!」

 リーキヤが叫ぶが、ビーカルはその視界にすら入れていない様子で、真っ直ぐに国王へと歩み寄った。


「陛下、宣戦布告は届いたはず。約束通り、命を頂戴しに参りました」

「ビーカル、貴様……長年尽くした恩を仇で返すというのか!」

 国王の憤怒に対し、ビーカルは冷徹に言い放つ。


「恩? どの口がそれを言うのです。領地を奪い、辺境へ追いやった罰を『恩』と呼ぶのか? 回復薬の無償提供を強要し、挙句には使者を襲わせた貴殿らに、何の恩義がある?」


「領地を与えてやっただろう! 感謝こそすれ反逆など……」

 ビーカルは鼻で笑った。


「陛下、ご自身が何をしたのかすら理解されていないのですか。何もない荒野へ追いやり、援助もなしに開拓させること。それは『罰』以外の何物でもない。陛下がリーキヤの戯れ言を鵜呑みにした結果、この国は内側から腐り落ちたのです」


 呆れ果てたコトウハ公爵が割って入る。

「おいおい、ビーカル。もしかして本当に知らなかったのか? 援助無しで開拓させるのが罰だと平民でさえ知っていることだぞ。……まさか本当に馬鹿だったとはな」


「り、リーキヤ! こやつらの言っていることは真か!」

 国王が焦って問い質すが、リーキヤは青ざめて言葉に詰まる。


「バカな、陛下! これは奴らの作り話に……」

「煩い! 引っ込んでいろ!」

 コトウハが怒号と共に大剣を振るい、その腹でリーキヤを壁まで吹き飛ばした。

「ぐふぅッ……!」


「リーキヤに唆され、回復薬を絶たせた責任は陛下にある。兵士たちの命を無駄に散らした罪、その報いを受ける時が来たのだ」

 コトウハの剣が鈍い光を放ち、国王へと向けられる。


「馬鹿に王は相応しくない。俺が王家の親族として、この国を立て直す。……せめて痛みを感じぬよう、一撃で終わらせてやるのが最後の慈悲だ」


「ひぃ、やめ……!」

 ズシャッという乾いた音が響き、国王の首が床に転がった。


 玉座に最も近かった二人の男の末路。コトウハは剣を収めると、ビーカルへ合図を送る。

「リーキヤは任せる」

「ああ」


 這いつくばり、命乞いをするリーキヤ公爵の前で、ビーカルはゆっくりと剣を構えた。

「さあ、リーキヤ。首を洗って待っていたか?」


「い、命だけは! 金はいくらでも……頼む! やめろおおお!」

 グシャリという音と共に、王国の害悪であった男は、その野望と共に消え去った。


 静まり返った執務室で、二人は王城の制圧を完了させた。王国の支配権は、今この瞬間、王都の貴族から辺境の獅子たちへと、血の代償と共に移り変わったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。