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【ブラッシュアップ版】 モブキャラ異世界転生記~モブキャラに転生しちゃったけど従魔の力で何とかなりそうです~  作者: ボルトコボルト


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第42話 裸の巨人、そして現れた聖なる影

 翌日、城壁都市ビーカルの目抜き通りには、異様な光景が広がっていた。


「おい、本当にやるのかよ……」

 仲間の呆れ顔を背に受け、ジャイアントハーフのロカンは覚悟を決めた。冒険者としての矜持と、負けられない意地。


「……二言はねぇ!」

 叫びと共に服を脱ぎ捨て、ロカンは完全な裸体となって街中へと飛び出した。


 その光景は、一瞬にして都市中の話題をさらった。


「きゃあああ! 見ちゃダメよ!」


 若い娘たちは顔を赤らめながらも、指の隙間からしっかりと「それ」を確認し、熟女たちは「おひょっ! 流石は巨人、立派なものねぇ」と目を輝かせる。果てには子供たちが囃し立てる歌声まで響き渡り、ロカンは都市中を裸で走り回るという、冒険者人生最大の屈辱を味わうこととなった。


 最終的に衛兵に取り押さえられた彼は、厳重な説教と多額の罰金を支払う羽目になった。なお、その日のうちに彼が一部の好事家から「熟女キラー」という不名誉(?)な称号で噂されたことは、言うまでもない。


   ◇◇


 ロカンの奇行が都市を騒がせる一方で、採取士ギルドでは平和な時間が流れていた。ソウタは攻略後の疲れを癒やすべく、リャンゾウを膝に乗せてくつろいでいた。


「ソウタ様、冒険者ギルドのコヤマザさんから面会のお願いが……」

 カモリナが渋い顔で報告する。


「……会いたくない。絶対に面倒なやつだろ」

 溜息をつくソウタの元へ、ギルド長コエザが慌ただしく入ってきた。


「ソウタ、領主から召喚命令じゃ!」

「えぇーっ! ダンジョン攻略って、そんなに大ごとになるの?」


「当然じゃろう! Aランクすら成し遂げられなかった偉業なんじゃぞ。諦めて観念せい!」

 有無を言わさぬコエザに引きずられ、ソウタは再びビーカル伯爵の居城へ向かうことになった。


 豪華な会議室の扉を開けると、そこには前回と同じ面々に加え、見慣れない老人が一人、ふんぞり返っていた。小柄でニコニコとしているが、どこか底知れない威圧感がある。


「ソウタ男爵様、初めまして。テンダイジモン教の大司教、ライゴーと申します。おーっほっほっほ」


(テンダイジモン教……大司教ライゴー……?)

 その名を聞いた瞬間、ソウタの背筋に冷たいものが走った。


 彼の脳裏に、かつてプレイしたゲームの世界の「最凶の伏線」がよみがえる。ライゴー――彼はただの聖職者ではない。教会という巨大組織の権威を盾に、裏で暗躍する「教団の黒幕」の一人ではなかったか。


(ヤバい、なんでこんな所に大物がいるんだ……! ダンジョン攻略の報酬で喜んでる場合じゃなかったのか?)


 ソウタはオドオドと椅子に腰を下ろしたが、心の中では警報が鳴り響いている。


 伯爵の温厚そうな笑顔も、今は何かの罠のように見えてくる。採取士ギルドの躍進が、予期せぬ大きな渦を巻き込もうとしていた。


「して、ソウタ男爵よ。今回はダンジョン攻略という大功を立てた礼と……もう一つ、貴殿にぜひ相談したいことがあってな」


 ライゴー大司教のニコニコとした笑みの奥で、細められた目が冷たく光った。


 採取士としての成功が、この男爵を、教団の権力争いという泥沼へと引きずり込もうとしていた。

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