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多世界転生物語〜偽りの姫の居場所〜  作者: 星実月 希蝶
3章 エレ編 過去のおいてきもの
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5話 不穏な消失


 えっと、まずは成果を発表。エレは、成果を得たの。寒さの原因。それはね、原因不明だった。ロストでも現在、調査中。その情報を知った。一日かけて。

 ちなみに、フォルはエレのお洋服の準備してくれてた。


 ロストのお洋服。そう聞いていたんだけど、なんか、用意できなかったって。あんなのエレに着せられない。そんな事言ってた。まさか、とっても露出が高いお洋服とかかな。

 そうは思いつつ、現在着替え中。


 金の装飾がされている。ピンク色のドレス。かなり軽い。それに薄い。これで寒くないのかな。


「エレ、終わった? 」


「うん。お着替え終わった。でも、これって大丈夫なの? 今、とっても寒いって言っていたよ? 」


「大丈夫だよ。魔法具取り付けているから。それのおかげで、ロストの服をやめざるえなかったんだ。買いはしたんだけどね? ほら」


 ふわふわ。ふりふりリボン。露出は少なめ。かわいい。でも、今は寒いって言ってる。そんな寒さを凌げるようには見えない。


「今度着てね? 」


「うん」


 買ってもらっている以上、着ないわけにはいかないの。という事で、準備完了。フォルが右手をエレに向ける。エレは、ちょこんと左手を乗せた。


 白い光りがエレ達を包み込む。もうこれにも慣れているよね。何度も何度も使ってるから。今回の転生後でも。



 白銀の景色。を通り過ぎて、空色の景色。つるんっ⁉︎ お尻が冷たい。とっても冷たい。凍りそう。凍えそう。保温魔法具使ってるのに。普通に立っているのは大丈夫でも、直接はだめみたい。


 ツルツルしているから、ロストに行く際は、足元にとても気をつけて。


「大丈夫? 」


「うん」


 お尻が離れない。はなかった。保温魔法具のおかげ。ありがと、保温魔法具。

 エレは立ち上がる。今度は、滑らないように気をつけて歩く。


 それでも、つるんって滑る事十回。ようやくついた。いつも以上に遠く感じた。


 あれ? いつも以上? そう言えば、こんな凍りの地面じゃない気がする。普段はもっと白っぽい気がする。


「フォル、どうして転ばないの? 」


「どうしてそんなに転ぶの? 」


 フォル、最近エレ扱い雑になってきてる。絶対にそう。


 ようやく転ばなくていい場所。花葉色の床。シャンデリアのように見せて、氷。氷に光魔法具をつけて、反射させている。反射された光りが、虹のよう。そうなるように設計されてるんだと思う。


 エレ達、浮いてないかな。浮いていない事を願うの。


 お隣のフォル。フォルは、深緑のケープを着ている。中は、いつもの仕事着。あれ以降、着るのに躊躇わなくなったのかな。


「エレ〜」


「ルナー」


 ふわぁぁ——腰までの銀髪が靡いている。白いドレスをふわふわと揺らして、走ってくる女の子。この国の唯一の姫ルーヴェレナ。エレのおともだち。

 結婚とかで、王族入りはこの国にないの。理由は、この国の王族は特殊だから。


 この国の王族は、ある能力がないとだめだから。その能力は、ゼロとゼムが、王族にだけ与えているの。


「どうされましたの? 」


「えっとね、最近、各地で落ちている襲撃? のじょぉーほーちょぉーさ」


 ルナが急に黙る。右手で左二の腕を掴む。お胸が強調されている。それはいいの。視線を落としているルナ。エレは、きょとんとする。


 どうして、そんなお顔するの? エレ、何かいけない事言ったのかな? 情報調査、そんなにいけない事?


 わかんない。


「……ルナ、ずっと気になってたんだ。君の情報、どれだけ探しても出てこなかった。偽名、使ってるんじゃないの? 」


「……そう、ですわ……隠す事は、もう、できそうにありませんね……」


「いいよ。話さなくて。でも、この件に関して……ううん。次の襲撃地点を知っているなら、教えて。それ以上は、君が言わない限り、僕らは聞かない」


 うん。エレも聞かない。おともだちのルナがお話したくない事。エレは、お話したくなるまで、聞かないの。


「……感謝、いたしますわ。次の襲撃地点……ここ、ロスト、です。わたくしを、攫いに」


「ふぇ⁉︎ エレが守るの! 」


「……いいんです。全て、身から落ちた錆、ですから」


 どういう意味だろう。エレが、ルナを守るのは、代わりないの。


「そうだね……エレ、君はルナのそばにいてあげるさ。この件には、もう関わらないで」


 ふぇ? 急に、どうして。ここまで、関わらせておいて。急に関わるななんて、エレにはできないの。


「や! 今まで散々関わってるんだから。今回も関わるの! 」


「……気づいた、のですね」


「うん。流石に、隠し通すのはむりだ。僕らには……そういう事、でいいんだよね? 襲撃している連中に関しては」


 ルナが頷く。エレにはさっぱり理解できない。本当に、なんのお話なんだろう。エレにも、理解できるように教えて欲しい。フォルは、教えてくれる気なんて、なさそうだけど。


 となれば、教えてもらうのは、ルナ。


「……ルナ、時間はわかる? 」


「ええ。一時間後」


「ありがと。エレ、今日はルナの部屋に泊めてもらいな」


 ふるふる。首を横に振る。絶対にそんなのや。お話タイミングがわからない。勝手にお話が進んでいく。


「……ルナ、なんなの? 誰が」


「エレは、気にしなくてよろしいですわ」


 二人とも、エレをのけ者。それで諦めるエレじゃないの。それなら、勝手に調査。


 二人から離れる。まずは、誰からお話を聞きにいこうかな。


「何してんだ? 」


「ぴぇ⁉︎ 」


 この前の仕返しなの⁉︎ 仕返しなのかも。ぴょんって、ぴょんって跳ねた。

 今日のゼロは、とってもかっこいい。かっこいい。


 ゼロは、ゼロなら何か知ってる。知らないなら、しゃぁしゃぁする。


「ゼロ、あのね、謎の襲撃何か知ってる? 」


「知るわけねぇだろ」


「しゃぁー、しゃぁー」


 ゼロが知らなかった。ゼロも知らない。なら、他に誰が知っているんだろう。


 きょろきょろ、周り見る。みんな、楽しそう。これを邪魔するのはだめなの。となると、強硬手段。強硬手段をとるしかないの。フォルの後をつける。尾行。尾行する。


「ゼロ、フォルを尾行する遊び」


「悪いけど、今日は遊べない。こう見えても忙しいんだ」


 ゼロに振られた。ゼロが仲間にならない。こんな事なら、アディかイヴィを連れてくればよかった。


 他に、一人で壁のお花になっている人とかいるのかな。壁の方を探していれば、一人くらいはいないかな。バルコニーとか。


 ゼロが離れていく。


 壁に沿って、歩いてみる。ソファがあるから、ソファも見ておく。誰もいない。みんな仲良くお話中。ロストの王族達の仲良しを甘く見ていたの。


 仕方ないから、フォルのところへ戻る。


 入り口付近。確か、そこにいたはず。扉の方を目指す。


「……」


 誰もいない。フォルどころか、ルナまでいない。移動したのかな。薄黄色の壁を見つめる。壁の方にもいないの。真ん中の方にいるのかな。そう思って、見てみるけど、見つからない。


 本当にどこにいるの? どうしていないの?


 もしかしたら、お外にいるのかもしれない。みんなに気づかれないように、静かにお外に出る。


 扉は、身体が入るだけ開ける。


「……いない」


 見える範囲にはいない。もう少し、歩いて探す。階段も、空色。お行儀は悪いけど、転ぶよりはマシだと思っている。だから、座りながら、階段を降りる。


 階段は、無事に降り切った。お疲れ様、エレ。


 お次は、まっすぐの地面。まっすぐの地面は、攻略方法がわからない。むしろ、滑っていく。それがいいのかもしれない。


「ふきゃ⁉︎ 」


 滑ったら、滑った。また、お尻が、お尻が冷たい。

 誰も、心配してくれない。一人だから。フォル、どこなの。

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