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多世界転生物語〜偽りの姫の居場所〜  作者: 星実月 希蝶
2章 シェフィ編 真実への道
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8話 知る事 知られる事


 エルは、初めから、全部知っていた? なら、どうして、今まで教えて、くれるわけないか。今こうなっている時点で。


 少しだけ、まともな考えができるようになってきた。


 状況を、確認しないと。雑兵は、全滅している。ボス四が出ている。


「シェフィ、八つ当たりしてきたら? 」


「……うん。そうだね。ありがと、エル」


 今度は、完全に人型。さて、どうやって倒そうか。


 ——……


 えっ? はい? 僕何もしてない。急に爆発した。ドカァーーンって。


 これって、もしかしなくても——


 とりあえずエルに抱きつく。避けられなかった。


「やばい……エレに、見られたかも」


 いつから? いつから見られてた? 初めから、はない。

 なら、二度目のボスの後? 三度目?


「……エレなら記憶消去があるから大丈夫」


「そうだけど……そうだけど、またあの子にトラウマ植え付けたと思うと……というかあれ見られてたら」


 以前、僕の戦い方を見たエレは『記憶消去中……記憶消去中。』って、自分から記憶消してたんだ。

 信じたくないみたいで。


 エレは多分、僕が魔法や神聖術。武器は、剣か魔法杖。愛の神聖術を主に使いながら、剣を振るう。なんて思っている。


 実際は、全然違うんだけど。


 黙っているだけ。怖すぎるんだけど。泣いてないよね? また記憶消去中とか言ってないよね。


 ゼロ、どうにかしにきて。


 頭に手が乗っかる。僕って、そんなにエレみたいに頭撫でられるのすき。なんて思われてるのかな?


 雑兵はまだ出てきてない。


 僕はほっぺですりすりする。


「あの爆発絶対エレだよ。何も言ってこないのとか、ほんと怖いんだけど。あの子絶対泣いてるよ」


「なら慰めれば? 一緒にいるから招いて。ちゃんと、ぼくの持っている情報もあげるから」


「ほんと? 絶対だよ。フォルを助けるためにも。絶対に教えてよ」


 わずかな希望があるかも知れない。でも、それとは別に、彼女の事を思うと泣きそう。


「……かわいい」


「……かわいいはきらい? 」


 何言ってんだろう。別にエルにきらわれたって、よく、ないのかな。


 自分の事なのに、わからない。どうしてなんだろう。愛や、弱さ、寂しさ、自分の中のそれが、わからなくなる時があるんだ。


 一人でも平気。寂しくない。そう思う僕がいる。でも、一人はいや。誰かと一緒がいい。きらわれたくない。そう思う僕もいる。


 どっちがほんとで、どっちが嘘なんだろう。


「なわけないから。それに、それ言うならぼくも変わらない。ぼくも、性別なんてないから」


 そういえば、そうだったね。エルの手が、背中に当たる。


「……なんでおれ達には何も言わないのに」


「嫉妬か? 」


「……違う……フォルと一緒だと、甘えるから避けているみたいだけど……これ、フォルと一緒と何が違う? むしろ……フォルを相手にする以上に、甘えてるんだけど」


 フィルとオルがなんか言ってる。でも、離れたくないんだよなぁ。エルの腕にひっついて、フィルとオルを見た。フィル、若干、不機嫌そう?


 あっ、情報出てきた。


【神聖の姫——偽り。それは誠か。神聖の姫と魔聖の姫。それは何を示す。我ら星の意思ですら知らぬ話。遠い星の世に真実眠る。彼らの中にのみ、真実眠る。記録を彼らに授ける事ができるか。我らの正体知らぬ。記録は真実であるのか。何も知る事許されず】


 偽り? 神聖の姫が? エレは、本物じゃない?

 神聖と魔聖の姫。それが示すもの?


 何の事?


 エルは、知っているのかな。知らなそう。


「これで、ここでできる事は終了だ。奥へ進む。休憩所がある。そこで仮眠を取ればいい」


 仮眠取れるのは、好都合。なんだけど、これ、どこまで歩かないといけないんだろう。


 体力はあるからいいけど。という事で、移動開始。


「……言い忘れていた。ここは、時間の進みがない。外では、十日くらい経ってる」


 それ一番最初に言う事でしょ。なんで今言うんだろう。

 オルの中の優先順位がわからない。


 それにしても、十日か。あっちはどうしてるんだろう。


「……出ない……また、怒ってるかも」


 こっちもこっちで大変だな。十日間も連絡していない。ほとんど何も言わずにきている。エルがティアに連絡しようとしてる。


 忙しいのか、怒って出ないのか。稀に後者だけど、基本前者。今回は、無断できているから後者の可能性がわずかにある。


「……あっ……仕事忙しいだけだった。またあとで連絡してだって」


「そっか。連れてじゃなくて正解だったね」


 ティアは仕事か。仕事、なんで僕は連絡来ないんだろう。呪いの聖女の件で事後処理ないのかな。エルは、ティアがやってくれているんだろうけど。


「……ねぇ、オル。僕の方の仕事ってどうなってるのか知ってる? 」


「事前に来ると連絡くれたんだ。シェフィに与えられる仕事は全て、セイとギューに行くよう手筈済みだ」


 ああ、本家の次男と三男。次男の方は書類仕事向いてそうだけど、三男は苦手じゃなかったかな。

 僕にくる仕事は両方だから、手分けしてやってるのかな。


 それはそうと、戦闘中じゃなくて、移動中の景色どうにかしてよ。戦闘中は意識しないけど、移動中は見るから。飽きるから。


 紅葉。きれいだけど、ずっと変わらないと、そろそろ別の景色見たくなるんだ。


「シェフィ、歩きにくくない? 」


「うん」


「そう」


 あれ? 離れろって言わなかった。普段ならいいそうなのに。ずっと腕にひっついて離れてないのに。


 流石に、エルに悪いから離れようかな。


「……歩きにくくないんでしょ」


「うん」


「ならそのままでいいじゃん」


 そのままでいいはいいけど。いやじゃなかったのかな。


「いいの? 」


「その状態で離れさせるよりいい。暴走、しかけてたでしょ? 落ち着くなら、いくらでもこうしてて」


「う、うん」


 エルがこんな事言うなんて。手がつけられなくなるよりはいい。そういう事なんだろうけど。


 エルが優しい。


「……」


「ヤキモチか? 」


「……別にそんなんじゃない。エレが見てるの考えてないのかなって思っただけ」


 いつもの事って思われているだけだと思うよ。あと、フィルとオルは、さっきも似たようなやりとりしてなかった?



 歩いて一時間くらいかな。やっとついた。


 休憩所。ここが、休憩所なんだ。まるで雲があるみたい。形が、白くてもこもこで、ほんとに雲みたいなんだ。ベッドが。


 エレならきっと、ここで寝たいのー。とか言うんだろうなぁ。


 ——……ずるい! なんでエレには寝さてくれないの!


 ほら、言ってる。言ってる?


 ——しゃぁーーーー! エレにも、そのベッドで寝させろなのー!


 ごめん。寝させてあげられなくて。そうとしか言えない。


 あっ、買えばいいのか。買えないなら、作ればいいのか。エレのためなら億でもかけられるよ。


「……ここで寝ていいの? 」


「休息にベッドは重要だろう」


 ——うんうん。エルグにぃと違って、わかってらっしゃるのです。


 へぇ、エルグはベッドにこだわらないのか。かけら同士で会って、色々と教えてもらえたのかな。彼女の方は、エルグと会った事ないから。


 ——……シェフィ、早く寝ろ。早く寝ろとエレは言います。そして、千文字以上の感想文を求めます。エルにも、そう言っておいてください。


「エル、そこで寝て、千文字以上の感想文だって」


「千文字……多すぎない? 」


 僕もそう思うけど、彼女の頼みだから。


「フィル、俺達も休息を取ろう」


「……ベッドで寝るのは勘弁」


 ベッドで寝るのじゃなくて、感想千文字は勘弁じゃないのかな。


 ふわふわ雲のベッドに乗る。ふわっ、だよ。雲が包み込んでくれる。硬さがない。


「おやすみー」


 これならすぐに寝れそう。今回は、エルと一緒にあの空間にいく。だからって、必要ないのに、隣同士で眠る。


 エルが慣れてないだろうから、彼女に、招いてもらう。

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