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多世界転生物語〜偽りの姫の居場所〜  作者: 星実月 希蝶
2章 エレ編 御巫と聖女
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6話 想い繋がる


 エクリシェに帰ってきたエレ達。ピンク色と空色のお部屋。誰のお部屋でしょうか。

 そうなの。エレのお部屋。

 みんなでエレのお部屋に集まってる。


 ゼロ達はソファに座って、エレとフォルはベッドの上で座ってる。


「フォル、本当に大丈夫? 」


 むりしすぎないか心配。少しでも休めるためにベッドの上なの。


「うん。今は休んでられないから。でも、調節して使う分、あまり頼られても困る」


「そこんとこは俺様とゼロがいるから大丈夫だろ。イヴィ、情報収集終わってんのか? 」


 ゼロはともかく、アディがいるのは心強いの。

 情報収集はフォルとイヴィがしてくれてるの。連絡魔法具で被害状況確認中みたい。しかも、フォルは何かノートに書いてる。


「ええ、予想よりは少ないかと」


「だね。とりあえず、被害が多い場所をまとめたよ」


 二人とも少ないって事は、シェフィ達の時間稼ぎの成果なのかな。ありがと。


 フォルが見せてくれたノート。えっと、特に被害が多いのは、魔族の国ローシャリナ。龍族の国リューヴロ。記録上全世界最古の国テセアガジェナ。それにアスティディア周辺。


 テセアガジェナは救世主がいる国。それ以外は


「御巫が王の国ばかり」


 他三国は、全部御巫が王の国。偶然、じゃない気がする。


「うん。それ以外ではほとんど被害が出てないから、解呪は一人でいいかな……あの人に……あんなとこまで行きたくない。あの人連絡魔法具持ってないし」


「エレもやなの。あんな道なき道をずっと歩くなんて。クームに頼むのはどう? 何かあってもネズが護衛してるんだから」


 フォルが思い浮かんだ人は、頼りにはなるの。エレに負い目を感じてるから、断る事もなさそう。ただ、そこへ行くまでに、転移魔法使えずほぼ直角の坂を登らないと。とにかく過酷な道なの。ついでに連絡魔法具持ってない。


 だから、そんな必要ない人を推薦。早速連絡してみるの。

 連絡魔法具で、連絡先一覧から——ない⁉︎


『えっと、お久しぶりです』


 フォルが隣で連絡してくれてた。


 画面に映るのは、十三、四歳の外見の男の子。藤色が少しピュオねぇに似てるって感じる。


『呪いの聖女の件ですか? 解決した後、話を聞かせていただけるのでしたら……あと、約束の件も了承してくださるのでしたら協力します』


 約束?


「まだ覚えてたか。前にも言ったけど、君もエレも実践経験があまりに少なすぎるんだよ。しかも君普段護衛いるでしょ。君が望んでいる管理者の仕事はそんな優しいもんじゃないんだ。危険ばかりの仕事なんだ」


「にゃ⁉︎ え、エレも! エレもセットなら! なんならアディとイヴィも差し出すの! ゼロでもいいの! 誰でもセットにするから! エレ説得するから! 」


 こういう時のエレの察しの高さを甘く見ないで欲しいの。なんのお話か気づいたエレは、フォルに必死のアピール。


 フォルのお顔を覗くと、断りたそうにしてる。


「……はぁ。わかった。試験だけはやってあげる」


 やったぁ‼︎ これは根勝ちなのかな。フォルにバレないようにガッツポーズ。


「とりあえず、この程度の魔法くらい僕の手助けなんてなくてもどうにかできるよね? それができないなら話にならないから。がんばってね」


 ふぇ⁉︎ 通話切る前のフォルの笑顔が、ぶるるるるなの。


 え、エレも、やるべき事やらないと。


「……行かないでよ。少しでもベッドで休めって君が言ったんじゃん」


 エレが立ちあがろうとしただけでこれなの。今日のフォル、エレだいすき。


「それはフォルが……ふにゅ……ゼロ、ちっちゃい机持ってきて」


「持ってきた」


 ゼロに持ち運び可能の、ちっちゃい机運んでもらう。ベッドの前まで。引き出しから、ペンと紙を取り出して、机に置いてくれる。ゼロはエレをわかってるの。


「えっと、魔星を閉じ込める魔法具……魔星さんにもできれば快適に暮らして欲しいの。でも……魔星ってどうやったら閉じ込める事できるの? ……どうすればいいの? 」


 ちょうどお部屋にいるからね。フォルが欲しいって言ってた、魔星を閉じ込める魔法具の設計図描く。

 でも、魔星を閉じ込めるなんて、聞いた事なさすぎてわかんない。


「快適……お花畑……お花畑があるお家がいい。湖もあって欲しいかも。それに、それに、高級ベッドは欠かせなくて……いつでもどこでも甘い果実は必要。それに……ぬいぐるみもないと寂しくなっちゃうから必要。寂しいのはやなの」


「それ全部叶える気か? 」


「うん。そうだよ? エレの空間魔法具はお城を作れるんだからきっと作れるの。でも……魔星を閉じ込めるなんてわかんない」


 ゼロはエレが叶えられないって思ってるのかな。エレは叶えるって決めたら叶えるの。魔法具の設計図で、妥協はやなんだから。


 今はペンを左手に持って、唇に当ててるだけだけど。


「ふきゃん⁉︎ 」


 ぴゅーんぴゅーん


 きゅ、急に連絡魔法具が鳴ったの。

 連絡相手は、不明。とりあえず、出てみるの。


「えっと……」


『僕……お、おれは神聖の姫を影から守る者。け、眷属が姫に悩み事があると教えてくれた。今から、望みのものを与える。ぼ……おれにはもう必要ないから、それをヒントにしろ』


 音声変換魔法具使ってる。画面も映ってない。


 エレが何に悩んでいるのかまで知ってる。それにこのタイミング。都合が良すぎるの。


 相手が他の誰かだったら、きっと疑ってたんだろうね。


「ありがと。エクリシェのエレのお部屋……最下層の。送ってくれる? 」


『りょ……わかった。魔法具は時期にそちらへつくだろう』


「うん」


 頼んだら本当にきた。四角い箱型の魔法具。おっきぃ方の机の上に。


 エレは画面に向けて笑顔を向けたの。


「どれだけ離れていても、つながっているって信じてる。信じたいの」


 どれだけ声を変えても、口調を変えても、姿を見せなくても、エレにはわかるよ。だって、エレは妹なんだから。


『……うん。僕も、信じてるよ。信じているからこそ任せるんだ』


 結局、姿を見せてなんてくれなかった。でもね、その言葉だけ、音声変換魔法具を切ってた。素の声が聞けた。


「……」


「……信じているからこそ任せる、か。うん。そうだよね。僕も、信じてる。だから……そっちは任せるよ」


 何を任せるんだろう。断片的で、ほとんど覚えていない。でも、こうして話していると、ゼロの言ってた事がわかる気がする。フォルとシェフィが似ているって。


 ゼロが送られてきた魔法具持ってきてくれた。穴が空いているから覗いてみる。

 魔星なのかな。光が静かに漂ってる。


「ふにゃぁ……そうやってなってるんだ。箱の中は空間魔法で箱の穴から覗けるように……ずっと何しているか監視している必要ないの。いるかいないかだけで」


 シェフィのおかげでわかった気がする。わかっちゃえば設計図も描けるの。でも、どうしてこんなものを持ってたんだろう。深くは考えずに、設計図を描くの。


「フォル、フィルに連絡して」


「むりだよ。仕事入ったからしばらく来れそうにないって」


 大問題発生。これエレじゃ作れない。アディは新人さんで、任せるには心許ないの。設計図描けたのにどうしよう。


「ふぇ……作れないの」


「非常時だ。僕が作るよ。一日だけちょうだい。君らはその間に、浄化の準備をしといてくれる? やり方はこのメモを見て」


 エレが悲しんでいると、フォルが作ってくれるって。しかも、急いでメモに何か書き出して、エレに渡してくれた。丁寧で読みやすい字。


「……頼むよ。僕はそばにいてやれないから」


 エレは聞こえたの。


 フォルがそう言って、一人でお部屋出ていった。自分のお部屋にでも戻ったのかな。

 エレ達は、メモに書かれている場所に向かうの。イヴィに転移魔法使ってもらって。

 フォルいないと、イヴィがこの中で一番転移魔法正確なの。

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