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囚  作者: 木々


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遺言

富野くんへ

僕の勝手な行動で、たくさん迷惑をかけてごめんなさい。僕にとって、富野くんと過ごした時間は、何にも代えがたい、とても充実した日々だった。僕の今までの人生で一番楽しい時間だった。初めて好きになった人が富野くんでよかった。君の温度も感触も声も、全部本当に好きだった。

僕は富野くんに、そのままでいてほしいと思ってる。何も考えないで、いつまでも今のままの富野くんでいてほしい。富野くんが過ごした僕との時間は、ただの気の迷いだから。全部僕のせいにして、僕のことはすっかりと忘れてほしい。深く考えることなんてしなくていい。これから富野くんは好きな人と幸せになって。それが、僕の願い。目指してる高校受かるといいね。

僕はこれから、自分で自分の人生を終える。去年から決めていたんだ。本当は卒業式が終わってから他の場所で実行する予定だったけど、不測の事態で今日になった。僕がこの結末を選んだのは、僕が母を守りたかったから。僕の母は弱い人だから、もうこれ以上僕のことで苦しめたくないんだ。今まで話せていなくてごめんなさい。僕が死ぬのは、決して富野くんのせいじゃないから。

その証明に、僕は富野くんと一緒にいる時すごく幸せだった。本当に幸せだった。でもその幸せは、君を利用した延長上にあった。僕は富野くんの好奇心と優しさを利用した。本当にごめんなさい。

この言葉が、富野くんの救いになりますように。

葛西愁吾

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