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包囲網

フローレンスの心情。。。

その頃、フローレンスは夢の中で・・・。


気がつくと自分の部屋にいたがなぜかとても薄い服に身を包み、ソファーに座るアーレイの上に横向きに座っているのが見える。


<なにこれ大胆ね・・・>


「ンンン!」


そして見つめ合っている2人はとても情熱的なキスをする。


<うひゃーキスしてる、キスしてる!>


キスが終わるといきなり「真っ暗な闇の中」に落ちていく自分。


<寒い、寒い、寒いよ>


ものすごく寒さを感じ、その暗闇から解放されると・・・何故か自分の顔を見ていた。


<えっ?私死んじゃったの?>


青白く生気が全く無い死人の様な寝顔。行きつく暇もなく場面が切り替わりまた暗転。


<えっ?なに>


真っ暗の闇、何処を見渡しても真っ暗・・・


<ここは何処?>


「ゆらゆら」


ゆっくりと揺れる自分の身体。


<あっ、暖かい・・けど体は寒い・・・・何処・・・>


一瞬光が見えるが薄ぼんやりとピントが合わない、急速に視力が落ちた感覚だ。体はとても冷えているが周りがとても生温い。


<怖い、怖いよ、ねえここは何処?>


身体は寒く、周りは暖かくとても奇妙な世界だった。


<アーレイ様・・・・・アーレイ様どこ?>


必死にアーレイを呼びかけるフローレンス。


アーレイ)「ここだよフローレンス」


フローレンス)「アーレイ様!」


アーレイの声に安堵した瞬間、一気に視力が戻るフローレンス。そこに見えたのは薄暗い見たことのある”ベクスター”の天井だった。


フローレンス)「あっ私・・たしか・・・アーレイ様と飲んでいたんだっけ?」


フローレンスはもう既に夢のことは脳裏から過ぎ去っていた。


フローレンス)「んしょ」


ベッドから身体を起こし薄暗い機内を見渡すと、リクライニングチェアーに寝ているアーレイが見える。


フローレンス)「ありゃ、私あの椅子に座って寝ちゃったんだよね」


ゆっくりとそっとアーレイに近づき、肘をついて寝ているアーレイの顔を眺めている。


フローレンス)「ふふ、かわいい寝顔だね!」


少し経つと、思いが募ってきたのかフローレンスは自分の気持ちを喋り出す。


フローレンス)「ねえアーレイ様。私本当にいなくなっちゃいますよ。実は、お相手の写真はもう届いていますのよ・・見てないけど」


アーレイ)「・・・・・・」


「ごめんね、いっぱいわがまま言っちゃって。けどね私本当に好きなんだからね、責務じゃないよ。心からあなたの事を愛しているからね。この思いを貴方に届けるにはどうしたらいいの」


「・・・・・」


寝ているアーレイは答えない・・・。


フローレンス)「私を、私の1番にしてアーレイ」


アーレイ)「・・・」


「おやすみ、愛しい人」


自分の気持ちを寝ているアーレイに投げかけ、静かにまたベッドに戻り横になるフローレンス。


フェアリー)「寝たふりは、趣味悪いですよ」


アーレイ)「仕方ないだろ、あんなこと言われたら起きるに起きれないよ」


フェアリー)「そうですね、ちなみにお相手は上位貴族ですよ」


アーレイ)「はぁ、貴族か・・・どうせ碌な奴じゃ無いんだろ」


フェアリー)「ええ、上昇志向が強くて評判はよろしく無いですね」


アーレイ)「はぁ・・勿体無いな」


フェアリー)「そうですねー(棒」


アーレイ)「そう考えると、彼女の幸せを叶えてあげたくなるよ」


フェアリー)「判断はお任せします、私にはこれ以上理解できませんから」


アーレイ)「逃げやがって!もう寝るわ」


寝ていたアーレイはフローレンスの寝言で自分の名前を呼ばれ起きていた。すぐに寝言だと気づきそのまま寝ようと思っていた所に彼女が近づいてきたのだった。


わかってはいたが、行き場の無い自分の思いを「赤裸々に語られ」アーレイは迷いに迷っていた。そう、彼女の幸せを考えると受け入れた方がベスト、けど自分には地球に残した妻の事を考えるとどうしても躊躇してしまうのだ。


アーレイ)「うーん、考え方を変えるしかないのかな・・」


陛下には”血”を残して欲しいと言われ、彼女はアーレイの子供がいればそれで十分だと言い切っている。


アーレイ)「俺のこだわりが彼女の幸せの芽を摘んでいるのかな・・」


薄目を開け彼女を見詰めていたアーレイは目を瞑り、色々考えていたがそのまま寝てしまう・・・ZZZ。


ーー


アーレイ)「それでは出発します」


戦艦の格納庫からゆっくり離艦するベクスター。


「いくナノー!」のいつもの声は今日は聞こえない。アーレイは静かにスロットルを倒し加速していく。


シュババ、ドーン、子供たちは初めて見る光景に釘付けだ、一度、戦艦の後ろに回り込み、横をすり抜けそのままジャンプする。


ジョアン)「うおー!」


ジェシカ)「ひゃー!」


その光景に子供たちは大喜びだ!


バシューン、カルネに向けジャンプするベクスター。


フローレンス)「んっ・・・」


今朝のフローレンスは口数が少なく、騒ぐ子供達を見て微笑んではいるが、少し大人しくしていた。


数分後・・・。


シュン、ジャンプアウトすると目の前に惑星メコンが見える。


アーレイ)「はい、到着しましたっと!」


ワンダ)「この船、凄く早いですね。もう到着ですか・・・」


「ええ、これ私のプライベートジェットなのですが、元々王族専用機だったんです。陛下が俺には刺激が強い機体だからいらないって褒美で貰いました」


「ええ!す、すごい。そんなに気軽に貰えるのですか?」


「けど維持費が凄いですよ」


「そうでしょうね。アーレイさんってお金持ちなんですね」


「まあ、給料以外で稼いでいますから、それなりに持っていますよ」


「へぇ〜、うちの旦那もこれくらい稼いでくれないかしら・・・」


「どこの世界も一緒なんですねー(棒」


島に到着、裏手の格納庫にベクスターを隠し、全員で正面玄関に移動する。


ワンダ)「ここはどこなのですか?」


アーレイ)「協力者の経営しているホテルです」


「そうなのですね」


「いい所ですよ」


「ああ、久しぶりだ〜リゾートホテルなんて!」


「挨拶が終わったらビーチで海水浴でもいかがですか?」


「良いのですか」


「勿論です。今日1日のんびり羽根を伸ばしてください」


「感謝しますアーレイさん」


「さあ到着です、ここの主人のジャクリーヌさんです」


正面玄関にはジャクリーヌが待っていた。


ワンダ)「初めましてルドルフの妻でワンダと申します。あなた達も挨拶して」


「ジョアンでしゅ」

「ジェシカです」


ジャクリーヌ)「まあ、可愛い子供達ね。私がここの”オーナー”のジャクリーヌと申します。ゆっくりなさってください」


「有難うございますお世話になります。あの、ここの・・」


「ああ費用は気になさらずに」


「す、すみません。何も持たずに来たので」


「アーレイ様の客人ですから、気になさらないでください」


「はい」


「ルドルフさんはお元気ですか?」


「はい、声しか聞けませんでしたけど元気そうでした」


「そうですか、少しの間、離れ離れですが頑張ってくださいね」


「そうですね・・・・」


アーレイ)「ジャクリーヌ、ポコは到着しているの?」


ジャクリーヌ)「ええ、いまポコは海で漁をしています(笑」


「狩猟犬にジョブチェンジしたのかな?」


「早く行ってあげてくださいね」


「わかりました」


「今日の昼食は”浜焼き”を準備しました。それでは移動しましょう」


ーー


ポコ)「ナノー!アーレイ様キター!」


貝や魚を大量に獲ったポコがいた。海女さん?猟犬?海犬?


ポコ)「獲ったナノー食べるナノー」


その大量の獲物に思わず”ナデナデ”。


ポコ)「うにゃ!!」


アーレイ)「ポコ有難う、ご苦労さん!」


ポコ)「ナノー!」


フローレンス)「ありがとうポコちゃん!」


明るいポコを見て元気を貰ったのか、普段のフローレンスに戻っていた。


アーレイ)「さあ食べよう」


ワンダ)「そうですね〜美味しそうですー」


午後もそのまま浜辺で楽しく過ごし、束の間の安息を楽しむ。


ポコ)「必殺ポコ、スパイク!」


バシ!強烈なレシーブがフローレンスを襲い、バン!身体に当たりボールが逸れた。


フローレンス)「キャー」


ポコ)「ウヒャヒャナノー」


「やったなー」


ビーチに置いてある木製の長いすに座ってのんびりしているアーレイ。ポコとフローレンスは子供たちとビーチバレーをしている。


ワンダ)「アーレイさん、あのプロポーションを見ても拒否するっておかしく無いですか!」


アーレイ)「はぁ」


フローレンス応援団の”ワンダ”に詰め寄られているアーレイ。とは言ってもワンダ本人は若い二人をくっ付けるのが面白くて冷やかし半分なのだが、アーレイの心にはその言葉がグサグサ突き刺さる。


ワンダ)「もしかしてデブ専ですか」


アーレイ)「いえまさか、余りすぎる肉は嫌いですが」


「女性の私が見ても美味しそうですよ、凄いですわね」


「ええ、そうなのですが」


「いなくなった時に事にその重要さに気がついても遅いですわよ」


その言葉がアーレイに重くのしかかる。


アーレイ)「そうですね、余り深く考えすぎるのはよく無いですね」


ワンダ)「そうですよ、見てください彼女の笑顔」


フローレンス)「キャハハ」


ワンダ)「可愛いですよね~、あなたといるときとは、また違いますけどね!」


「そうですか」


「ええ貴方、ほんとに幸せ者ですよ」


「それは十分感じています」


「ねえ、もう答えはわかっているんでしょ」


「・・・・・・」


「私はこれ以上言いませんね」


「はい、そうしてください」


アーレイ包囲網は意外な形で狭まっていく。。。


フェアリー)「男なら!」


アーレイ)「・・・」


ーー


夜も新鮮な魚介類を堪能したよ。その後ワンダと子供達は寝室。ポコはベクスターの見回り兼、整備に行っていた。


ポコ)「異常なしナノー、カチャカチャ、ピッピ、警備モードを最強にしてっとナノー」


A i)「警戒モード」


「ピコ、終わったナノ!早く飲みにいくナノ!」


その格納庫にジャクリーヌが現れる。


ジャクリーヌ)「ポコちょっと良いかしら」


ポコ)「はいナノ」


「今晩はあの2人だけにしてあげて」


「ライバルだけにしたくないナノ!」


「彼女にはもう時間が残り少ないの、だから今日くらいは2人だけにしてあげてね」


「いなくなるナノ?」


「彼女は王族よ、アーレイ様が娶らなければ残り数ヶ月で何処かに嫁ぐ事になるのよ」


「強制的にナノ?」


「そうよ、彼女はいま最後の思い出作りの最中よ」


「嫌だけど、わかったナノ!」


ーー


ラウンジの個室で飲んでいるアーレイとフローレンス。


アーレイ)「みんな来ないね」


フローレンス)「ええ、ジャクリーヌ様はもう用事は無いはずですが」


ジャクリーヌ)「アーレイ様、今日はポコと部下に引き止められたのでしばらくいけません。すみません、お先に始めてください」


アーレイ)「わかりました」


フローレンス)「ジャクリーヌ様ですか?」


「そうだよ、部下と飲んでいるから遅れるって」


「そうなのですね~、じゃあ~2人で乾杯しましょう」


チン!嬉しそうに乾杯するフローレンス。


フローレンス)「どれどれ、こちらが空いていますわね。よいしょっと」


アーレイの隣に座り、ピトっと密着するフローレンス。


アーレイ)「フローレンスさん、今日もくっつきすぎじゃありませんか?」


フローレンス)「そうですか?この前と変わりませんよ」


「誰か入って来たらどうするのですか?」


「今日はもう誰も来ませんよ〜」


「嫌な予感はしていたが、やはり画策していたのね」


「そうですよ、ジャクリーヌ様にふたりっきりになりたいとお願いしました!」


「今日は、甘えて良いよ」


「本当ですか?」


「ああ、ここまで来るまでずっと働きっぱなしだったからね」


「ふふ、じゃあー今日はー、甘えま~す!」


ピット、グニュ!思い切り胸を押し当てて来た!


アーレイ)「こら!」


フローレンス)「はて?触ります?」


「遠慮しておきます」


「もう、遠慮はいりませんよ!」


「今日もグイグイ来ますね」


「当然です!」


実はアーレイは懸命に自分の人生を必死に変えようとしている、フローレンスの行い(アタック)に胸を痛めていた。昨日の夜に聞いた彼女の言葉が脳裏から離れない。


アーレイ)「・・・・(俺が娶るだけで彼女の人生は全く違う物になるんだよな、彼女の一番の幸せって何だろう、俺が決めなきゃいけないんだよな・・・・」


悩めるアーレイだった。

宜しければブクマ、評価、感想などお願いしますナノ。

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