心と心
フローレンスの気持ちは・・。
アーレイ)「ポコ、聞こえるか?」
ポコ)「はいナノ」
ポコはディスティアに停泊中のカルネの戦艦の中にピンキーと一緒に過ごしていた。
アーレイ)「繋がったな、暗号化してくれ」
ポコ)「わかったナノ」
「ポチ!いいナノ」
「ワンダの部屋を秘密裏に運ぶ方法を思いついた」
「うんうん、ナノナノ」
「今日な、ディスティアの変わり者のブルク機関長をスカウトしたんだが、そいつの部屋をカルネに持ってくる許可が取れたんだ」
「どこなの?」
「ルドルフの家の近くだ。送り先はカルネだから恒星間特殊コンテナ船を使える」
「ナノナノ」
「そこでだポコは地上用のコンテナ船でワンダの部屋を運んで、特殊コンテナ船に乗せてくれ。これならバレずに部屋を運べる」
「了解ナノ、じゃハッキングして積荷を追加して盗んでくるナノ」
「くれぐれも見つかるなよ」
「大丈夫ナノ、早朝に移動するナノ。コンテナはヤードで混ぜ混ぜするから大丈夫ナノ」
「ハッキングはピンキーに任せるのか?」
「ナノナノ」
「ポコはピンキーとそのコンテナ船に乗ってカルネに行け、島で落ち合おう」
「わかったナノー!」
ーー
次の日の早朝、ゴゴゴー!ガタガタガタ、マンションが大きく揺れ始める。
住人)「何だー!どうしたー!」
マンション全体に重低音が響き建物が揺れ、寝ていた住人が飛び起き、ガコン、ガコン、部屋の引き抜きが始まった。
住人)「!?あっ、なんだ引越しか」
ズズズ、微妙な振動がベッドを揺らす。
住人)「ちっ、こんな時間にやるなよ!非常識な奴がいるもんだ、しょうがないまた寝よ」
ポコは目立たない様にまだ薄暗い早朝に部屋を抜きに行ったのだった。
ポコ)「ナノナノー♪ピンキーよろしくーナノ」
ピンキー)「はいなー、阻害はすんでるのー」
表を見張っていた諜報部員は引き揚げたが、実は部屋の中に念のために1人残っていた。
諜報部員)「うわぁ!、動いた連絡しなきゃ!ピコ、ツー!あれ?繋がらないよ、やばい助けてー!」
ポコ)「抜けたよー、あとはヨロピクナノー!」
ピンキー)「リョーかい!」
ポコが引き抜いた後に、ダミーコンテナを入れればマンションの方は当分バレない。だがそのまま運ぶとモロバレするのでコンテナヤードに一旦持っていき、認証コードを他のコンテナに組み換える。それを何度か繰り返し最後は元のコードを破棄。ルドルフの部屋は運ぶのにコードが不要なのでこれで完全に足取りが消せる。
ポコ)「他のコンテナと混ぜ混ぜ終わったナノー」
Ai)「ドッキングシーケンス開始しました」
「ナノー、シャッター開けるナノー」
ガガガ、ズンそして恒星間特殊コンテナ船に積み込む。
ポコ)「これで完了ナノー」
そして特殊コンテナ船は指定されたブルクとルドルフの部屋を積んでカルネに向けて発進していくが、ドンドンドンドン!必死にドアを叩く1人の男が取り残されていた・・・。
諜報部員)「た、助けてーー!」
残念ながら恒星間コンテナ船の貨物室内部に「ヒーター」などは存在しない・・・・。
ーー
数日後、カルネ共和国。貨物船専用空港。
ガチャ、運ばれたコンテナを検査のため開封すると、そこには”凍った諜報員”が椅子に座っていた。
作業員)「班長ー!人が凍っていますー」
班長)「ああ、運んできたコンテナ船の上に放置していいよ、どうせいつものように泥棒か密航者だろ、遺留品は諜報部に送ってなー」
「わかりましたー!」
その諜報員はディスティア大気圏突入の際に燃え尽きるのだった。
ーー
カルネ行き戦艦内部、ブリッジ。
アーレイ)「艦長、駆逐艦はもどったか?」
艦長)「はい、もう既に戻っています」
「ディスティアのレーダー圏外に出るのは?」
「この速度ですからね、24時間後でしょうか」
「わかった、圏外に出たらベクスターでカルネに向かう」
「わかりました。機体は展開しますか?」
「そうだね、機材チェックもあるから頼むよ」
「はい、すぐにやらせます」
「頼んだよ、ワンダさんを呼んでくれないか」
副官)「分かりました」
数十分後・・。
アーレイ)「ワンダさん大雑把ですが、クーンの概要は以上になります」
ワンダ)「ありがとうございます」
アーレイはワンダにクーンの概要をブリッジのモニターを使い説明していた。
アーレイ)「何か質問ありますか」
ワンダ)「いえ、逆にアーレイさんに色々教えて頂いて、少し考えが変わりました」
「何がですか?」
「今までのクーンの歴史です。野蛮な国と教えられていましたから、今までの説明が事実でしたら、ディスティアの方が野蛮だと気が付きました」
「そうでしたか、ディスティアが侵攻をを止めれば3星団がもっと成長すると私は思っています」
「はい、ディスティアでは他星団を侵略することが国の発展になると教え込まれてきました。今までの話を聞く限り、資源、人材を一番浪費しているのがディスティアだとわかりました。クーンはとても平和な国なのですね」
「ええ、獣人たちは弱い物には手を出しませんし、他の惑星を侵略することもしません」
「一歩外に出ると自分の国の欠点が見えてくるのですね」
「そう思って頂ければ幸いです」
艦長)「指令、お話し中すみません。今から23時間後にレーダー圏内から抜けれます」
アーレイ)「ありがとう、それでは、ワンダさん。24時間後カルネに向けて出発します。そこで一泊してクーンに向かいましょう」
ワンダ)「わかりました」
「そういえば昨日、ご主人とお話ししました元気そうでしたよ」
「今、話せますか?」
「ベクスターの中で子供達と一緒に話した方がよろしいかと、いまから案内します」
「わかりました、何から何までありがとうございます」
フローレンス))「ワンダさん、子供達を連れてきます」
ワンダ)「お願いします」
アーレイ)「どうですか、ここは快適ですか?」
「はい、獣人の方とフローレンス様に良くしてもらっています」
「フローレンスがですか?」
「はい、子供の相手が上手ですね。良い奥様になると思いますよ」
「俺の?」
「はい、将来の夢だと申していました」
「あいつ何を言いふらしてんだ・・・」
何やらフローレンスと意気投合したらしいワンダが推してくる。
ワンダ)「アーレイさん、フローレンス様は真剣ですよ」
アーレイ)「知っています、敢えて相手にしていません」
「他に決めている方がいるとか」
「そういう訳ではありませんし、男色家でもありませんよ」
「そうなのですか?恋する乙女そのものですよ。あの美貌と性格、スタイルも申し分無いですよね」
「ええ、とっても好みですが、色々あるのですよ」
「ふふ、この辺りでやめますね」
「フローレンスに頼まれたのでしょうか」
「それは内緒です!」
フローレンス)「アーレイ様、ベクスターの準備できましたよ」
アーレイ)「ありがとうフローレンス、今から向かうよ」
フローレンス)「お待ちしてまーす」
アーレイ)「ワンダさん、ベクスターに移動しましょう」
ワンダ)「わかりました」
ベクスターに入ると既にリビングモードに切り替えられ、子供たちは寛いでいた。
アーレイ)「それではつなぎますから少しお待ちください」
ワンダ)「わかりました」
>
アーレイ)「ルドルフ、今大丈夫か?」
ルドルフ)「ああ、いいぞ」
「奥さんと子供たちと話したいだろ」
「出来るのか?」
「勿論だ、今から代わるから」
「頼む」
>
アーレイ)「ワンダさん、この部屋でそのまま話ができます」
ワンダ)「ありがとうございます」
「私とフローレンスは前のコックピットにいますので、終わったらノックしてください」
「はい」
ーー
ワンダ)「あなた私よ」
ルドルフ)「無事なんだな」
ジェシカ)「パパー」
ジョアン)「パパー!」
ルドルフ)「子供たち、船の中は楽しいか?」
ジェシカ)「うん!」
ジョアン)「うん!」
ルドルフ)「そうか、少し我慢してくれ、必ず後で会えるからな」
ジェシカ)「わかったー」
ジョアン)「まってるー」
ルドルフ)「ワンダいきなりですまない。アーレイの事は・・・」
10分後、コンコンとコックピットのドアをノックする音が聞こえる、ルドルフとの会話が終わったのだろう・・。
アーレイ)「終わりましたか」
ワンダ)「はい、アーレイさんありがとうございます。ルドルフの為にこんなにしてくれるなんて、感謝してもしきれません。本当にありがとうございます」
深く頭を下げるワンダ。
アーレイ)「いえ、あいつとは敵同士ですが、心が通じ合った者同士ですから」
ワンダ)「敵なのに何故!どうしてですか!私には理解できません」
「笑わないで聞いてくださいね」
「はい」
「私はいつか”星団統一”します、ですから敵同士とか関係ないのです」
「えっ?何それ」
「私は元々星団の人間ではありません。違う星系から呼ばれた異世界人です」
「はい?」
「違うからこそ平等に見れるし、平和な世界を作りたいだけです」
「それが理由ですか?」
「はいもちろん。私の力を必要としているので、それに応えているだけですけどね」
「わかりました。私の常識では理解できませんが、夫が信頼しているので私は信じます」
「ありがとうございます。この小さな子供たちに平和が訪れるように頑張ります」
「そうですね。ふふふ、貴方はやっぱり規格外ですね」
フローレンス)「うふふ、ですよね〜」
アーレイ)「・・・・」
ーー
アーレイ)「あー、今日はベクスターの中で羽を伸ばそう!」
夕食も終わり各自解散、自分の部屋に戻る途中アーレイは1人抜け出し、高速シャワーを浴び、一息入れる為にベクスターに向かう。
アーレイ)「どれどれ、お酒はどれにしようかな・・・・良しこれだ!」
トクトクトク好きな酒をグラスに注ぎ・・一口!クピ。
アーレイ)「んっー!美味い!!はぁー落ち着くわ〜」
>
フェアリー)「来ましたよ」
アーレイ)「もう来たの、居留守を使おうかな!」
フェアリー)「王族専用モジュールの前には無力ですよ」
アーレイ)「マジ?」
ガタン!プッシュー、勝手にベクスターのハッチが開けられる。
アーレイ)「本当だ、勝手に開いたよ」
フェアリー)「ほれ、見たことか」
アーレイ)「そだねー」
>
フローレンス)「アーレイ様!ここにいるのはわかっているのですよ」
アーレイ)「いらっしゃい”レン”!」
「ひゃー、最初からそれで攻めますか!!」
「容赦はしない、俺の時間を奪うな!」
「ちょっと何を言っているのかわかりません。私も飲みます!」
「はいどうぞ」
トクトク、同じ酒をコップに注ぎ渡す。
フローレンス)「はい!かんぱーい、チン!」
アーレイ)「良くわかったね」
「そろそろ落ち着く場所で、1人になりたい頃だと思いましたから」
「読まれている・・・」
「ふふ、将来の奥様ですからこれくらいは読まないと」
「もう決定事項ですか?」
「はい、スケジュールに入っていますわよ」
「・・・・・・(汗」
「何か?」
「強権発動ですか」
「違います、2人で育むのですよー」
「俺、もう諦めようかな・・・(小声」
「えっ?何か言いました?」
小声に即座に反応したフローレンスの目が輝いているよ。
アーレイ)「この地獄耳」
フローレンス)「うふふ、また一歩前進ですね」
「いや俺的には”バック”したい」
「アーレイ様、下がってもいいですが控えがいますよ」
「何が?」
「今のところ”アニー”が控えています」
「マジ?」
「ええ、私が”プラプラ/ラブラブ”出来るのは残り半年ほどですから、過ぎたらどこかの貴族か王族と結婚します」
少し真剣な表情に変わったフローレンス。
アーレイ)「それって本当の話なの?」
フローレンス)「もちろんですわよ、アーレイ様のことは一生忘れませんからね」
「ちょっと今日のフローレンスは、冗談行ってないよね」
「はい、初恋のアーレイ様は永遠に私の王子様です。胸に秘めて生きていきます」
「今日はなにか、ものすごく重くないですか?」
「残り時間が少ないので、いつかは話さないといけないと思っていました」
「フローレンスはそれでいいの?」
「いい訳ありません。アーレイ様が決めて頂ければ良いのです」
「何年か後に地球に帰るんだよ。それでもいいの?」
「はい、それも王族の役目です」
「その、役目ってのが嫌い」
「私もです。ですが王族として生まれてしまったので諦めるしかないのです」
「フローレンスは何故そこまで俺を追うの、最初に比べて変わったよね」
「最初は役目と割り切っていました。けど好意は持っていましたよ〜」
「それは知っているわ」
「こうして付き合う事で少しずつ貴方を好きになったの。そして、あの時お酒の力を借りて、感情の全て吐露しちゃいました!」
「もし、娶ってその後に帰ったらどうするの?」
「まあ、お子を授かるまで頑張って貰いますけど、帰ったらその子を全力で王に育てます。もちろん再婚はしませんアーレイ様一筋ですから!」
「なんでそこまで俺の事好きになったの?」
「本当は~、最初にお茶した時にググッと来ました!」
「ほんと?」
「ええ、もう目の前に座ったとき既にドキドキしていましたよ」
「そ、そうだったのか、それだけ?」
「色々ありましたけど、ルドルフ准将の事が一番の理由ですかね」
「そうなの?」
「だって、敵国の准将をわざわざ守る為に気軽に敵地に入るのですよ。いくらルドルフ准将が良い人だからと言っても、普通に考えたらあり得ません!」
「・・・・・」
>
フェアリー)「やーい、規格外やろー」
アーレイ)「・・・・」
>
フローレンス)「けど、一番はアーレイ様は敵味方関係ないとおっしゃいます」
アーレイ)「まあな」
「ワンダさんとの話きいて、必要な大事な人を守るその姿勢は他の誰も真似できません、それはとても良いことだと思います」
「・・・・日頃の行いだな」
「そんな包容力と言うか、知らない間に仲良くなるなっていうか、知れば知るほど魅力を発するそんなアーレイ様に私は”メロメロ”なんです。あー、いいなアーレイ様とラブラブな奥様は羨ましい」
「知っていたのか?」
「なんとなくですが流石に気付きますよ!だって躊躇している理由って考えたらそれしか無いもん!」
「フローレンス、俺の本心は君を今抱きしめて自分の物にしたいよ」
「そうそうそれでいいのです。さあさあお願いします」
「だが出来ない!」
「知っています、それがアーレイ様ですから。まだ時間は残されています最後まで諦めませんよ!」
>
フェアリー)「包囲網が完成していますね」
アーレイ)「ああ」
フェアリー)「どうします決断しますか?」
アーレイ)「・・・」
フェアリー)「モテる男の悩みですか・・・機械にはわかりません」
アーレイ)「そっちじゃねーよ。お前”Ai”のくせに感情読むなよ」
フェアリー)「進化していると言ってもらおうか」
アーレイ)「この厨二病Ai!」
>
その後、楽しくお話をしながらお酒を飲んでいたら、連日の疲れなのか急に睡魔が襲って来たらしく、グラスを持ったまま寝てしまった。
フローレンス)「zzz・・・むにゃむにゃ」
アーレイは優しくベッドに運びそのまま寝かせ毛布を掛ける、
アーレイ)「おやすみ、フローレンス」
少し様子を見て熟睡するフローレンスを確認すると、アーレイはリクライニングチェアに座りそのまま寝ることにした。
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