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星団最強なのに回りくどい奴の物語。だってすぐ終わっちゃうじゃん。(改稿中)  作者: 耀聖(ようせい)
最終章・皆の幸せの形。
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その後のI・F・G王国(4)

次回でアトラス星団編は終話を迎える予定です。

 十数年振りに会ったロズリーヌはもう子供の面影は無く立派なレディに見え、スネイプは犯したくて仕方ないのか視姦をすると、それに飽きたらないのか美人で豊満なティアナにもその視線が向けられた。イヒヒと嫌らしい卑猥な奇声を上げ舌なめずりをすれば、視線で犯された2人の全身に寒イボ(鳥肌)が走ったのは言うまでもない。


 <<宮殿大広間>>


「こうなったらぶっ殺してクリアするしかないな」

「さぁ殺し合いを始めようじゃないか、イヒヒ」


 完全に逃げ場を失った事でどちらかが倒れるまでのサドンデス状態に陥り、勝利を得ない限りは前に進めないし、迫りくる緊張感、いや死の足音が嫌でも聞こえてしまうが逆に気合が入る。そしてスネイプが鉄の棍棒を振り上げ過酷な戦闘が始まりを迎えてしまう。


「クッソ、何で馬鹿力なんだ!」

「さあ、いつまで君らの武器は耐えれるかな冒険者諸君、イヒヒ」


 肉体改造された筋肉と鉄の棍棒から繰り出される破壊力を剣で受け止めれば、ガキンと鈍い金属音が響き渡り堅牢な筈だがミシミシと悲鳴が聞こえ、確実にダメージが入っていた。スネイプは武器破壊を目指し撲殺を狙っているのだろう、ベットリと張り付く血糊はその証拠だ。


「もう何よその筋肉!鏃が跳ね返されるじゃないの」


 身軽なロズリーヌは俊敏な足を使いスネイプの攻撃範囲外から弓で援護するものの、あの青い皮膚の表面は鋼鉄のように固く、悪いことに筋肉が硬いゴムのような弾力があり跳ね返され遠距離だと弓矢によるダメージが通らない。


「無駄無駄無駄、物理攻撃は無駄」

「これならどうよ!パーフェクトエイム」


 身体に突き刺さらないのであれば目を狙うのが定石だ。しかし動体視力が異様に良いのか魔法を付与した弓矢を寸前で交わされてしまい、スネイプは対策としてインテリが好みそうな横長の眼鏡を掛けてしまう。隙間だらけなので狙いを定めれば命中しそうだがロズリーヌの攻撃を無視し始め、どんなに狙っても眼球に弓矢が突き刺さる事は無かった。


「サイラス、矢が通らないわマジックアイテムよ」

「棍棒をどうにかしないと負けてしまうな」

「サイラス、俺の拳で受け止めてやる」


 サイラスもスネイプの狙いが武器破壊だと理解していたが奴の攻撃に対し有効な防御方法が思い当たらなく迷っていると、僧侶戦士ルーベルが盾役になると言って踊り出る。するとレイモンと同じように拳が赤く輝き始め棍棒を攻撃を跳ね返し、そして余裕ができたことで焦る気持ちを抑えつつ、剣を交えながらやつの弱点を探し始める。


 <<1時間後・・>>


「この一撃を受けてみろ!」

「ぎゃー!クッソ忌々しい連中め」


 一進一退の攻防が続き、スネイプの弱点であるアキレス腱をサイラスの刃が切り裂き、後僅かで勝利が見えて来ていたが・・。


「サイラスヤバいよ、エリクサーもポーションも底を尽きたわ。私の魔力もそろそろ枯渇するよ」


 長きに渡る戦いで持参した回復薬を使い果たし、ティアナのヒールもあてに出来なくなり状況は凄く悪い方向に突き進んでいた。


「ヤバいな、ルーベルのダメージを回復しないと全滅だ」


 スネイプの棍棒攻撃を剣で受け止めていたが途中で折れてしまい、今は予備を使い受け流しながら戦っている。ルーベルの赤い拳で受け止め隙を作りつつ攻撃を重ねアキレス腱を切断するまでは良かったが、ダメージが重なり後方へと下がりサイラスはわき腹にカウンターを喰らい肋骨の1、2本にひびが入っていた。


「私がフルケアと強化魔法を掛けるからスネイプを討取って」


 弓矢を使い前衛を援護するロズリーヌは全て使い果たし、ヒーラー役に徹していたが手元の回復薬が無くなり、今は治癒魔法を使いサイラスの傷を癒やしている。そして”上級魔法”であるフルケアを使うと言い出した。


「えっ?ロズってヒールが使えるのは知ってたけど、フルケアは今まで使わなかったよね(驚」


 ロズリーヌは急げとばかりに今まで秘匿していた魔法の詠唱を始め術式を発動するとルーベルは完全回復、サイラスの傷も癒え更に強化魔法で攻撃力が3倍に上がり、ティアナは上級魔法を使いこなす様を見て驚くしかなかった。


「早々には使えないんだよね、後は頼んだわよ・・(落」

「ロズ、ロズ、しっかりしろ」


 上級魔法を使い魔力を使い果たし生命の根源を少し削ってしまったのか、一瞬で血の気が引いたロズリーヌは崩れるように気を失いパタリと倒れてしまう。回復したサイラス達はその姿を見て驚き駆け寄るが・・。


「ケケケ、これはロズリーヌ持ち帰るチャンスだな」


 虫の息のロズリーヌを見てお持ち帰りのチャンスと思ったのか、負傷した片足を引きずり棍棒を振り被りながら距離を詰めてくるスネイプは、攫った後に負けを宣言して避難プログラムを駆使して連れ去るつもりだろう。


「サイラス、戦いに集中して!」

「わかった、ロズを頼んだぞ」


 強化魔法を得たサイラスの太刀は真っ赤に燃え盛り全速力で駆けて行くと、頭を狙い迫り来る棍棒を何ら手応え無く横切りに切断する。切られた鉄の塊は頭を掠めながらゴトンと重たい金属音と共に背後に落下した。


「死にやがれスネイプ、これで終わりだ!」


 武器を破壊され肩透かしを喰らい屈んでいた上半身を起こし隙が出来た瞬間、サイラスは右下から斜め上に切り上げるようにガラ空きになった胴体を輪切りにする。


「ガハッ!クッソ俺が負けるなんて・・」


 一瞬、何が起きたかわからないスネイプはサイラスを睨みながら切断された切れ端を使い再度攻撃しようと腕を振り上げるが、上半身がズルリと横に滑り痛みが遅れて襲って来たのか断末魔を上げながら光の粒子へと変わり消滅した。


「ロズ、しっかりしろロズ!」

「・・・・」


 戦いに勝ったのはいいが意識が戻らず、どう見ても黄泉の国に呼ばれそうなロズリーヌを何としてでも助けないと素直に喜ぶことは出来ないだろう。救いたい気持ちがせり出て居たサイラスは咄嗟に背負うと、予備のエリクサーが置いてある野営地へと急ぎ足を向ける。


「ロズ、絶対助けてやる」


 余談だが、このゲーム世界は常に監視され心拍数が極端に落ちてしまい生命の危機が迫った際は、ビギンにある医療施設に強制転送した後、医療量カプセルに収納されるので本当に死ぬことは無い。しかし助かる反面レベルは10%程削られ、クエスト挑戦中ならリセットされてしまう。ロズリーヌが転送された場合はダンジョン1階層目からのスタートになり是が非でも助けなければならなかった・・。


 ーー


 <<宮殿前・野営地>>


「どうだ、全部飲ませたぞ、もう大丈夫な筈だ!」

「ンッ、サイラス・・助けてくれたんだね」


 今の状況を説明するとテントの中でサイラスに横抱きされたロズリーヌはエリクサーを《《強制的》》に飲まされ意識が回復したばかりだ。


「マジでやばかったわ(汗」

「はぁ〜、何とか間に合ったのね、良かったねロズ・・」


 遅れて現れたティアナは脱出の際、魔力枯渇寸前でフラフラにも関わらずヒールを掛け黄泉の国に呼ばれるのを懸命に阻止してくれたが、宮殿入口の大きな扉を潜った瞬間に魔力枯渇でぶっ倒れ仲間の肩を借りてやっと戻って来た。そして抱きかかえているロズリーヌが微妙に赤ら顔で少し蕩けている事に疑問が沸く・・。


「貴方の為なら死ぬ覚悟はできていたのよ、けどファーストキスを奪った責任を取ってね(笑」

「えぇっ!口移しで飲ませたのサイラス!」


 塒《ねぐら》に飛び込んだサイラスは、呼びかけても応じないロズリーヌをケアするためにエリクサーを口移しで飲ませていた。因みに本人は2口ほど飲んでぼんやりと意識が戻り、サイラスとキス?していることに気が付き、実は全て飲み終えるまで気絶していた振りをして接吻を楽しんでいたことは内緒です・・。


「いやいやそれはノーカンだよ」


 慌てるサイラスは是が非でも医療行為として認めてもらいたいが・・。


「キスの定義とは」

「唇と唇がが触れ合う事・・です(汗」

「私は王女、汚れてしまった・・(噓泣き」


 とどのつまり、触れたこと自体が禁忌と遠回しに言われ、お嫁にいけないと泣き始めるロズリーヌは王権を全面に出し、例え医療行為であっても同じ事だと言い張り・・。


「わわ、しまった・・・(大汗」

「えー!それってサイラスが娶らなきゃいけないって事なの(大汗」


 執着心がエルフ族より更に強いダークエルフのロズリーヌに見初められ、助ける為とはいえキスをしてしまった事実は覆る事はない。サラミ戦法では無いにせよ確実に距離を詰めてくると思うサイラスは青ざめ、ティアナはこの先、混乱と嫉妬の未来が来ると予想したのか頭を抱えてしまう。


「どうしたのサイラス、何を慌てているの?」


 起き上がったロズリーヌはサイラスに密着するように腕を絡め、既成事実を積み上げようとする。その積極的な態度を見たティアナは唖然とするが、反対側の腕を絡めプッーと頬を膨らませていたよ。2人の想い人に挟まれたことで何とも言えない空気が流れ仲間たちは呆れていた・・。


「と、取り敢えずエリクサーは大量に残っているぞー。体力回復しようじゃないかー(大汗」


 お茶を濁すために慌てて立ち上がりエリクサーを持ってきたサイラスは少し赤面したまま配り始め、「このままラスボス戦に向かったほうがいいかな~」と、先程のことを紛らわすために苦しい言い訳をすることになり。


「ねぇサイラス、またお口で飲ませても良いんだよ♡」


 キスをしてニコニコ笑顔のロズリーヌは差し出された瓶と一緒に手を包み込み猛烈アピールを始めてしまう。


「げふんげふん、冗談はそれくらいにして本当にラスボス戦に向かうぞ!(汗」

「リーダー承知しました、それでは早速準備を始めます(キリ」


 苦し紛れでサイラスがボス戦と言い出すと、ロズリーヌは冒険者仲間から密かに得た情報の中で、短時間で戻ればモンスターが湧かないことを知っていた。なので自分の本当の目的を果たすほうが重要だと判断すると、途端に真剣な表情に変わり準備をし始める。


「えっロズ、本当にまた宮殿に向かうの、マジで行くの?」

「ええ、いま行けば間違いなく2人目のラスボス戦を行えますよ、皆さん急いでください」


 切り替えが早いというか状況を判断して取捨選択をするその姿はさすが《《女王》》を目指す王女と言ったところだろうか。だがこの先の苦難は自分の未来を賭けた戦いだとは口が避けても言えないロズリーヌの口角が少しだけ上がっていたよ・・。

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