新たな王そして帰還。アトラス編終話。
アトラス星団編終了になります。
<<翌日・港町ビギン転移魔法陣>>
転移魔法陣の脇に設置された掲示板が点滅を始め、魔人族領から間も無く到着すると表示される。程なくして魔法陣が浮かび上がりその光の中から5つの人影が姿を見せる。
「只今戻りましたお母様、お久しぶりになりますフィリーサ女王様」
サイラス一行が転移魔法陣から出てくると、そこにはアルテミシアとフィリーサの2人が皆の帰りを心待ちにしていた。そして駆けてきたロズリーヌは覚えたてのカーテシーを披露する。
「冒険談はギルドて聞くとしよう今日は私の奢りだ」
「おお、さすが女王様」
そしてサイラス一行と2人の女王はステルス護衛を従え、冒険者ギルドへと足を運ぶ・・。
<<冒険者ギルド内・バー>>
「お疲れ様〜カンパーイ」
早速、ラスボス討伐の話になり手始めにスネイプ攻略の詳細をはよ聞かせろと、前のめりになるアルテミシアは目を輝かせ冒険談を心待ちにしていた。
「スネイプは手強い相手でしたが、ロズリーヌの援護のお陰で辛勝できました」
「おお、流石未来を背負う王女だけあるな、偉いぞロズ天晴じゃ!」
扇子を掲げ喜ぶアルテミシアは娘が活躍したと聞くと超ご満悦だ。次に立て直すために野営地に戻ったと話すが口移しの件には触れず、残るフェリーク討伐へ急ぎ向かったとだけ説明した。
「それでね、玉座の間に入るとカッコつけて現れたんだよ、もう痛すぎて腹筋が崩壊しそうになっちゃった(笑」
あの事件の事を話さなくても気にする素振りを見せないロズリーヌは、初めて父親と対面した時の様子を喋り始め「お前はアルテミシアにそっくりで美人だな」と言われたが、無表情のまま弦を引きそのまま戦いに突入したと笑いながら語る。
「うふふ、そうなんだ(笑」
「ほんとアイツムカつくんだよ、ヘッドショット決めたのに死なないし」
ロズリーヌの塩対応話にアルテミシアはクスッと笑い、それを見たサイラスはホッと胸をなでおろす。しかし絶妙なアイコンタクトを取り合う2人を見てティアナは「ヤバいバレている」と感じていたのは内緒です。
「それで矢が効かぬフェリクスはどんな肉体改造していたんだ、はよ話せ」
「承知しました」
フェリークもとゐフェリクスとの戦いの様子をサイラスが語り始める。奴は真っ白な衣装に身を包み俊敏に動きながら髪の毛から繰り出される毒針攻撃や、目からレーザーの様な破壊光線を撒き散らし凄く手強い相手だったと語る。
「見るだけで攻撃できるのか、それは大変だったろう」
「動きを止めれば楽勝よ、ねティアナ!」
毒針攻撃に対しロズリーヌは火炎魔法を付与した弓を放ち、髪を焼かれることを恐れたフェリクスの動きを封じ、強力なビーム対応はリケジョの出番だ。
「もう笑っちゃうよ、だって目からビームだもん。けど限られた空間の中なら無効化出来るし」
レーザービームに対処するために水魔法と火魔法を繰り出し濃霧を発生させ攻撃を無力化すると共に視野を奪う。しかし耳が良いフェリクスは攻撃を察知して逃げ回っていた。
サイラス「まあ最後はロズリーヌの拳が炸裂して、吹き飛ばされていく様は面白かったよ」
フィリーサ「あはは、弓使いがワンパンで沈めたんだ(笑」
ロズリーヌ「だってあのバカ、対マジックアイテムを大量にぶら下げて、防刃の服を着てるし(オコ」
同じく耳が良いロズリーヌは呼吸音で位置を特定して静かに近づき、必殺の剛腕を使いワンパンで沈め勝利を得たのだ。しかし母親に酷い仕打ちをした罰として、どっかのゲームのように連打して顔をボコボコになるまで殴り倒し、仕上げにアッパーを決めて吹き飛ばしたのが事実です。
「最後は怒涛の連打だからね〜「撲殺王女」にふたつ名を変えないとね〜ロ〜ズ〜(笑」
「もう!ティアナ〜それ酷すぎぃ~」
討伐話はここで一旦終りを迎え、見計らったフィリーサは一瞥すると徐ろに立ち上がり、ロズリーヌも核心に触れると分っているのか緊張した面持ちに変わる。
「サイラス、約束通りもう自由よ、好きな所に移り住むといいわ」
「この世界は面白すぎる、俺はこのまま冒険を続けたいな」
フィリーサとの約束通り討伐に参加した4名は自由を得ることになるが「そうか残りの仲間はどうする」と問うと自信ありげに「決まってる全員クリアするだけだ」と言い放つ。アルテミシアは責任感と正義感を認識するとある提案をすることに。というかこの流れに持っていくために3人が密談していたのは内緒です。
「サイラス、それならお前はゲーム専用の新インテンス王国の《《国王》》になってくれないか」
「えぇ王様!・・あのーそれ俺でいいんスカ?」
アルテミシアは政務とゲームの両方の対応に追われ、超多忙過ぎて切り離したいと常々考えていた。打診されたサイラスは国王に成れると分った途端に喜ぶが、そもそもそれはロズの狙いだ。
「ヤバイよサイラス、あなたロズを娶ることになるのよ」
「あっもしかしなくても”アルテミシア4世”・・ということは側室が」
サイラスは王冠を乗せた自分の姿を想像し、指摘されると隣に女王ロズリーヌが象られ、ティアナはその後ろに控える側室という構図が完成してしまう。なので辞退するような雰囲気を漂わせると・・。
「傷物にしてくれたから娶ってくれぬとなれば極刑を言い渡すぞ(笑」
「わわわ、やっぱそういうことだったのか(大汗」
「駄目よサイラス!」
ここでダメ押しされるとサイラスは《《ある事》》を思い出し超大汗をかき始め、ティアナは一瞬唖然とするものの目線鋭く毅然とした態度に変わり全拒否する構えを見せるが・・。
「サイラス、《《勝利した夜》》に私にキスしたことは忘れてないよね(笑」
ここでロズリーヌとの関係が少しだけ深まった”ある事”を暴露されサイラスは更に追い込まれることになる。
「サイラス!あんたって人は(オコ」
「いやあれは褒美にキスしてくれと頼まれて・・ちょっと酔ってて軽くだよ(大汗」
実はフェリークを倒した後、宿場町に戻り戦勝祝いを盛大に行い、酩酊したサイラスは酔い覚ましのために外にでるとロズリーヌが現れ「ワンパンで倒したご褒美にキスして」と子犬のように可愛らしい顔で言い寄られ、口移しの件でハードルが下がっていたこともあり、酔った勢いで「もう仕方ないな最後だよ」と言って軽くチュっとしたらしい。
「アンタね、手を出さないと言ってたよね(激オコ」
そして恋人に断罪されようが《《正式にキス》》した事で婚約内定と認められ絶対覆る事はないし、もし破棄すれば無責任野郎とレッテルを貼られI・F・G国内では命の危険すらある。余りの情けなさからサイラスに対し猛烈な殺意が沸くティアナは攻撃魔法を発動した。
「キャイーン」
「フフフ、可愛らしいが強かなロズに1本取られたなサイラス、諦めよ(笑」
アデールが育て上げた最強の勇者と魔法使いを是非とも手に入れ、新インテンス王国を作り上げたいと考えていたアルテミシアは、ロズリーヌを送り込み王としての素質があるか内定を進めていた。そして実力と内面を知り強き男に惹かれ、知らぬ間に好きになっていたロズは悩み打ち明けると「サイラスを王にすれば成就する、だがティアナを上手く巻き込め」とアドバイスを受けていた・・。
「ティアナ、今後の話をしたいので場所を移しませんか」
「・・・・」
サイラスをぶっ飛ばし少し冷静になったティアナは不機嫌な表情を浮かべていたが、もうこの流れは止められないと観念しロズリーヌの提案を受けるために黙って転移魔法陣へと向かう。
<<エルフ城・客間>>
「サイラスを好きな気持ちは誰にも負けない、ティアナも同じ気持ちなら袂を連ねる事が出来るでしょう。少なくとも私はそう考えております」
客間に入りお茶を一口のんだロズリーヌは開口一番、本題を切り出してくる。彼女の言いぶりだと女王だから従えではなく、仲良く3人で過ごしましょうと提案してくる。しかし一夫一婦制の固定観念があるティアナは不服そうだ。
「まるで王族みたいな喋り方ね、ああ王女だったわ(悩」
追い込まれているのは実はティアナの方だ。サイラスは責任感が強いので仲間を見捨てることはしないし、問い詰めればロズリーヌを娶ると言い出すに決まっている。なので悩みに悩み始めた。
「側室では無く共に愛する仲間として一緒に過ごしたいの、だから服従しなさいとは言わないし言えないの」
「ロズ、あなたそれでいいの・・女王だよね(呆」
サイラスが手を出した事実は覆らないし、娶らなければ後指をさされながら生きていくのは明白だ。それにロズリーヌは対等の立場で構わないと断言してるし、もうこのまま側室に入ってもいいかなと考え始める。
「俺が全ての責任を取る!ティアナもロズリーヌも幸せにするから」
「キャ!」
「もう!」
男らしい決断をしたサイラスは2人の前で跪き頭を下げ、ロズリーヌは喜び、ティアナはヤレヤレの表情を浮かべる。そしてアルテミシアは上手く事が運び、扇子で口を隠しウフフと笑っていたよ。
「けどI・F・Gは一夫一妻制だよね」
「ロズの国じゃ好きにすれば良い、我は無理だがな」
最後に逆転を狙い側室駄目じゃなかった?と聞くが、それくらいお見通しで軽く返されたので意気消沈してしまう。そして諸問題が全て解決したのを見計らってアデールが姿を現す。
「いい男に成長したわねサイラス、それと王族を理解してくれて嬉しいわティアナ」
「カーチャン、どうしてここへ?」
虚を突くようにアデールがフラリと姿を現し、その表情は凄く満足そうだが少し寂しくも見える。
「私の役目は今ここで終わりを迎えたのよ、だからお別れを言いに来たの」
アデールは頂点に上り詰めたら別れる潮時だと決めていた。もうこれからは3人で助け合いながら生きていきなさいと語る。
「アデールにはまだまだ教えて欲しい事が沢山あるの」
「もう立派な大人よ私は必要ないわ、この先は自分達で切り開きなさい」
「そんな、急に言わないでよ、寂しくなっちゃうよ」
子供達から見れば唐突だろうが親としてみればもう十分に育ち巣立ちの時を迎えたということだろう。自分を一流の魔道士まで育て、実の母親以上に愛情を注いでくれたことに恩返しができていないと感じたティアナは必死に食い下がる。
「2人にはとても感謝しています。けどねずっと待たせている人がいるの」
「そっか、カーチャン今までありがとう」
「わかった・・お母さん今までありがとう」
言い出したら聞かない事を知る2人は気持ちを切り替え快く送り出そうと考え、今まで育ててくれたことに対しての感謝の言葉を述べる。ティアナは涙腺が緩み潤々とした瞳でジッと見詰めていた・・。
「ありがとうサイラス、ティアナ、あなた達のことを愛しているわ。またいつか会いましょう」
今は自分を心底愛してくれる男の元に帰り謝りたい気持ちに溢れ始めていた。そしてまた会えるから大丈夫と自分に言い聞かせ、2人を抱きしめ別れを済ますと踵を返し迎えに来たハミングバードへと向かう。
ーー
<<クーン城・客間>>
キーンとけたたましい音を奏でるハミングバードがクーン城の駐機場に降りてくる。もちろん乗っているのは久しぶりに戻ってきたアデールだ。因みにフィリーサはサイラスの王位認証式に出席中で別行動だったりする。
「アデールおかえり、全然変わってないね」
「ただいま戻りましたアーレイひゃん」
客間に姿を現すのは実に12年振りだ。しかしクーンを旅立った時と全く未姿は変わらずいつものアデールだ。違いを探すとすれば表情が以前より柔らかくなり、写真で見た若い時の頃に戻ったみたいだった。
「どうしたアデール、抱きしめさせてくれよ」
「いいの、いいの、ずっとアーレイひゃんを、ほったらかしにしていた駄目な女だよ」
いつまで経っても胸に飛び込んでこないアデールはいつの間にか目に涙を溜め、凄くすまなそうな悲しい表情を浮かべている。だがここまで変わった彼女を咎めるなんて出来ないし、早く抱きしめて頭を撫でてあげたいと思ったアーレイはギュッと抱きしめた。
「優しいねありがと、私がここに戻ってもいいのね」
「もちろんだよ戻ってきてくれてありがとう。愛しているからずっと待っていたんだよ」
アーレイの言葉を聞いたアデールは嬉しそうにゆっくりと目を閉じる。そして唇が重なり合い愛されている事を実感するのだった。
「ありがとうアーレイ」
アトラス編・終話。
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これにてアトラス編は終話となります。続編より改稿を進めますので新しい物語はもうしばらく先になるかと思います。ご愛読ありがとうございました。
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「アアン、テレポート♡」
「やっぱり(汗」
お代わりのキスで舌を絡めれば積極的になるし身体も火照り準備万端!そしてアデールは久しぶりに性欲が爆上がりしたのか、蕩け始めテレポートを使いお気に入りの場所までアーレイを拉致して一飛びするのだった・・。
いやー、長かった・・・。




