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星団最強なのに回りくどい奴の物語。だってすぐ終わっちゃうじゃん。(改稿中)  作者: 耀聖(ようせい)
最終章・皆の幸せの形。
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その後のI・F・G王国(1)

いよいよ終話に入りましたが話が長くなり完結はもう少し先になります。

 <<エルフ城・独房>>


 手錠を嵌められたまま独房に放り込まれたフェリクスは、恨めしそうな顔をしてレイモンの姿か消えるまでジッと睨んでいたが、入れ替わりで入ってきた洋介の姿を見た途端、目を見開き怒りを露わにする。


「ようフェリクス調子はどうだい」


 独房に現れた洋介はフェリクスを一瞥してニヤリとはするが馬鹿にすることなく真剣な面持ちになり、奴隷の刺青を入れるか、多少不便だが衣食住が保証される所に住むかの選択肢を与えてみた。もちろんスネイプも含めてだ。


「何だそれふざけるな」


 反発するのは予定通りなので野良エルフは冒険者の”狩の対象”になると告げてみるがこれも拒否される。なので「人権が皆無な美男子は襲われること間違いないぞ(笑」と付け加え、性的対象になると分かり慌てて頭を下げて来た。そりゃ性欲お化けのお姉様や、美男子好きの”漢達”が必死になって追い掛けてくる未来を想像すれば、喜んで承諾するのが普通の感覚だろう。


 「早速で悪いが、じゃ行こうか」

 「拘束しないのか、逃げても知らんぞ」


 独房を開けた洋介は鍵を放り投げ自分で鉄球と手錠を外せと言わんばかりだ。なのでフェリクスとスネイプは信じられない表情を浮かべていたよ。そりゃいきなり自由になれば逃げたくもなるだろう。


 「ああ、君らは何処に逃げてもここにチップを埋め込んでいるので直ぐに捕まえられるんだよ、残念だったな」

「・・・・」


 洋介は自分の頭を指さしつつ逃げても無駄だと説明すると、自分達は今まで泳がされていた事に今更気が付いたのか、ガックリと肩を落とすのだった・・。


 ーー


 <<1週間後エルフ城・大広間>>


 独房から連れ出されたフェリクスとスネイプはプツリと消息が途絶え1週間が過ぎようとしていた。そして今日はアルテミシアが待ちに待った洋介との契りを結ぶ結婚式の日だ。エルフ城の大広間には新たな門出を祝うために大勢の招待客で溢れていた。


フィリーサ「凄く幸せそうな2人だね。アルテミシアはバツイチだけど乙女みたい」

アーレイ「今まで強がって感情を押し殺して生きて来たんだろうな」


 大広間には小さな祭壇と大量のベンチシートが設けられ、最前列には古木夫妻、アーレイとフィリーサ、アデールが座り、通路挟んで反対側にはロズリーヌやドナテラなど親族が顔を揃え、式典は順調に進み今は愛の誓いが終わりを迎えた所だ。


 レイモン「それでは指輪の交換と誓いのキスを行うように、えっ?」

 アルテミシア&洋介「ッンン!」


 もうお分かりだろうかアルテミシアは指輪を速攻で通し終えた途端、間髪入れずに思いっきり洋介を抱きしめ、そのまま熱いキスをしてしまう。


「変わるものね〜、あんな性格だと見抜けなかったわ〜(呆」

「もうアルテミシア、普通は軽くでいいんだよ」

「だって・・嬉しくて仕方ないんだもん」


 アルテミシアの予期せぬ行動は周りで見ていた参列者を唖然とさせてしまう。フィリーサは心許した相手には好きが止まらなくなる意外な一面を知り、まかり間違って側室を娶るとバトルを始めると考え洋介のモジュールに「一夫一婦制はよ」と、メッセージを送ると「ですよね~」と返信が返って来て苦笑いをするのだった。


 「げふんげふん、次に王位認証式を執り行う、これを洋介の頭に」

 「嬉しいぞ我と夫婦だな洋介、さあ次はこれを頭に乗せ王になるのだ(喜」

 「アルテミシアが乗せてくれないか、僕は女王の許しが無ければ王にはなれない」


 違う意味で会場を湧かせ落ち着きが戻ったタイミングで、祭司役のレイモンから王冠を受け取り洋介の目の前に差し出すが、それは君の役目だと軽く頭を下げてその時を待つ。


「なんか恥ずかしいね、いいのね乗せちゃうぞ!」

「ああ、頼む」


 見つめ合い2人の世界に入り込んだ瞬間、喋り方が変わり途端に可愛らしい乙女へと変わるアルテミシアは本当に面白い。それは表情にも表れ抜群の笑顔を見せてくれる。そして恥ずかしそうに洋介の頭に凄くシンプルな金色に輝く王冠を乗せた。


「きゃー凄く似合っているわ、ようちゃん素敵!もう大好き♡」


 今度は洋介の両肩を抱き右に左に体を傾けフンフンと上機嫌に鼻を鳴らしニコニコ笑顔で王冠を乗せた頭を食い入るように見入っていたよ・・。


「ゲフンゲフン」

「はっ!」


 2人の世界に浸っているアルテミシアの意識を公の場に戻すためにレイモンが咳ばらいをすると、俯き恥ずかしそうに我に返る。因みのその変様(かわりよう)を見た古木夫妻、フィリーサ、アデール、アーレイは腹筋が崩壊しそうなくらいプルプルと震え、笑いを堪えていたのは内緒です。


 <<1ヶ月後・エルフ城>>


 事務手続きや各村々のあいさつ回りをやっと終え、気がつけば1ヶ月近く過ぎようとしていた。そして待ちに待ったハネムーンは3星団の挨拶回りを兼ねて行う事になり、今まさに出発しようとしていた。


「ようちゃーん、ディスティアがぁ~1番怖いのよ〜」

「大丈夫だよ、アーレイ陛下の部下がちゃんと護衛に付くから」


 結婚後、遠慮しなくなった事がある。そのひとつがアルテミシアの喋り方だ。新婚生活がスタートすると心の底から安堵したのか強がる言動は消え失せ、2人の世界に浸っている乙女のような口調を人前でも臆すること無く語り、テレテレとした表情を浮かべる甘えん坊に激変わりしていた。もちろんTPOは弁えてはいる・・。


「うん、それなら安心なんだけど〜ようちゃん守ってね♡」

「・・・・(呆」


 オルガとしては以前の様に凛としていた態度が威厳があって好みなのだろう。しかし目の前の主人は成人したての時を彷彿させるほど優しさに溢れ、呆れながらもこれはこれで悪くないかなと思い始めていたよ。


「さあ僕らのフェイドラに乗ってクーンに里帰りしよう」

「はい、あなた!」


 I・F・G王国の紋章はドラゴンと不死鳥が模(かたど)られ、略語であるフェドラ(Fedora)を捩(もじ)り機体名は”フェイドラ(Phaedra)”と命名された。そして洋介が手を引き乗り込むとアルテミシアはコパイ席(副操縦席)に収まり、オルガとレイモンは冷や汗を流しながら客席に座っていたよ。


「洋介様、クーンまでのお時間は・・(大汗」

「そうだねこのフェイドラなら20分くらいだよ、さあ行こう」


 ベクスターと瓜二つのフェイドラがふわりと宙を浮き大空に向かってテイクオフすると、後方からフンヌ!フンヌ!と我慢するレイモンの言葉にならない呻き声が聞こえる。前回は上空に上がった途端、失神していたので取り敢えずの進歩だ。その様子を見たアルテミシアはクスクスと笑っていたよ・・。


 ーー


 <<3年後・ビット村>>


「いや〜ん、可愛らしいぃ〜」


 ロズリーヌの腕には純白の産着にくるまった産まれたばかりの男の子の赤ちゃんを抱きかかえていた。もちろんこれであの約束を果たしたことになり、その様子を眺めるアルテミシアと洋介は少し照れくさそうだ。因みにDNAは洋介の方に偏り黒髪の人間なのでモテる事は間違いないだろう。


「よ、ようちゃん、名前!名前をどうする」

「おまゆう?あれだけ候補挙げられたら悩むどころの騒ぎじゃないよ(呆」


 懐妊が分かった時点でアルテミシアは必死に名前を考え始め、あ行から始まり考えついた名前の数は、軽く100を超えていたので洋介は呆れているのだ。結局この後、3日ほど考え抜き「アルフィオ」の名前で落ち着くのだった・・。


 ーー


 <<更に9年後・港町ビギン>>


「やった!やった!カーチャンに報告しないと!」


 青いマントを纏い魔法石が組み込まれた魔導剣を脇に差した少年が、オレンジ色の建屋の中に走り込んでいった・・。


 「カーチャン!合格したよ、俺、魔導剣士になったよ」


 青いマントを纏うのは14歳になったサイラスだ。アデールが作る食事のバランスが良いのかグングンと身長が伸び、海賊だった頃より背が高くなっていて、のびのびと暮らしている影響なのか屈託のない笑顔を見せる。実は幼少期の頃から勇者を目指していたが魔法が余りにも不得意で、アデールは一旦魔道剣士を目指し使えるようになれば勇者を目指しなさいと言われてしまう。勇者を諦めきれないサイラスはその日から懸命に魔法と剣の修行に励み試験に合格して今に至る


 ティアナ「ほんと魔法が苦手だったサイラスが魔法剣士とはね〜(呆」


 成長したティアナは以前のように美人な顔立ちは相変わらずで美しく、少し小さすぎて残念だった唇はアデールのように薄く上品な形に変化していた。これも生活環境が影響したのかもしれない。それに厳しい魔法修行を行いスラリとした体型を維持しつつ双丘はツンと上を向くCカップを誇り、14歳とは思えない色気を溢れさせいるが、16歳になるまでサイラスとの性行為は固く禁じられキスはしているけどちゃんと操は守っていたりする。


「あら、それじゃ3人でパーティー組めるわね、じゃ早速狩りに行きましょう」

「www、とりまレベルの低い草原にしてくれよ〜」


 アデールさん、いきなりパーティーだと言い出した。間違いなく日頃の鬱憤晴らしであの極悪攻撃魔法(爆発性スライス)を繰り出すとサイラスの脳裏を過ぎり、それも超難易度が高い場所を選ぶと予想する。


「私が草原で獲物を狩ったらギルドから文句出るし、森だね漆黒の森(レベルMAX)がいい(嬉」

「ギャー、死ぬ、あそこは一歩入っただけでオレ死ぬから〜」


 上位冒険者でも滅多に入らない凶悪な魔物の巣窟に行きたいと話すアデールは、まるでピクニックにでも行くつもりなのか、ニコニコとお茶と軽食の準備を始めてしまう。


「私が一緒なら大丈夫よ、初めから強い相手と戦えば直ぐに勇者になれるわよ(笑」

「・・・(汗」


 アデールカーチャンは一度決めたら中々修正しない事を知っているサイラスは、諦めた表情を浮かべつつ無言で装備品の準備を始める。さっきまで姿が見えていたティアナは忽然と消えコソコソと逃げ出したようだ。


「ティアナ〜修行に行くわよ〜(笑」


 血が燃えるような真っ赤なスライスが出現すると、ブーンと超高速回転する音が響き渡り左右に揺れながら玄関に向かって飛んでいく。


「ギャー、行きます行きます(大汗」


 ソロリソロリと忍び足で靴を持ち逃げ出そうとしているティアナの目の前に、ユラユラと揺れる極悪スライスが通せんぼすると慌てて部屋に戻ってきたそうな。

よろしければブクマ評価など宜しくお願いします。

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