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星団最強なのに回りくどい奴の物語。だってすぐ終わっちゃうじゃん。(改稿中)  作者: 耀聖(ようせい)
最終章・皆の幸せの形。
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フェリクスとの別れ。

フェリクスと完全決別のお話。

 <<エルフ城・地下独房>>


「我との約束を果たしてれ・・」


 ゾンビアルテミシアが力なく呟くと、可愛らしい2本の角を生やし背中に蝙蝠のような翼をパタパタとはためかせる2人の小悪魔が姿を見せる。1人はピクスドールのような可愛らしい女の子と、もう一人は先端が鏃の様に尖った尻尾を持つ男の子だ。


 ティアナ「この男は邪念に塗れてるわね(笑」

 サイラス「魂を浄化しても駄目だから地獄行きだね(笑」


 もちろんこの2人はアデールがサイラスとティアナを偽装魔法で小悪魔に変身させていて、アルテミシアも本人で絶賛悪乗り中だ。


「うっ臭いこの匂い人間じゃない、いやだ俺はまだ死にたくない地獄には行きは勘弁だ(大汗」


 一発で恐怖に陥れるために未姿だけではなく血の匂いとは別に肉が腐ったような腐敗臭を漂わせ、異世界から来たと匂いで感じさせる細かい演出も忘れていない。そのお陰か疑うことなく術に嵌ったスネイプは助けてと懇願するが、悪ノリ小悪魔はそんな戯れを聞くわけがない。


「駄目だよ、たっぷり恐怖を与えて震える魂を頂かないと(笑」

「そうそう、死人(しにびと)のアルテミシアとの契約だからね(笑」


  死んでしまったアルテミシアが恨みを晴らすべく悪魔との契約を結び、それに応じた地獄の使者が魂を抜きに来たと確信したスネイプはもう耐えられなくなり、独房の奥まで下がり明かり取りの鉄格子に飛びつき必死に逃げようとするが・・。


「ひゃーひゃー」

「キャハハ、恐怖が恐怖が湧き出てるわ」

「キャハハ、出てる最高に出てるね、さあ狩りの時間だよ」


 恐怖心に捕らわれているスネイプをあざ笑う無邪気な声のほうを伺えば、鉄格子の向こうにいた筈の2人が真後ろで身長の3倍はあろう大きな鎌を構える姿が見え、笑ってはいるもののキラリと鋭い眼光を放ち、ティアナは腹部をサイラスは首を狙っていた。


「ほれ!」

「ひゃー!痛い痛い、嗚呼殺さないで〜(泣」


 サイラスが鎌の先端で尻を突くとスネイプは悲鳴を上げながらカエルのようにピョンと飛び上がり、逃げたい一心で鉄格子にしがみつき顔を押し付け無様な有様だ。


「地獄に行きたく無ければ全てを話すのだスネイプ(ドヤ」

「はい!何でも聞いてー、だから殺さないで〜」


 死の足音が迫る中、スネイプは完全に恐怖に支配されゾンビアルテミシアが一喝すると、自白系魔法を使わずともペラペラと今回の事を洗いざらい喋り始め、そればかりかとんでもない事実が浮かび上がるのだった・・。


 ーー


 <<スネイプの別荘>>


 森の奥深くに佇む小さな小屋をジッと見詰めるアデールは印を組み、ニヤリと笑いながら術式を発動する。


「エクスプロージョン!」


 魔法名を叫ぶだけで真っ赤に燃え盛る火球が突如として現れ、ドーンと大きな爆発音と共に堅牢な作りの別荘はものの見事にバラバラに吹き飛ぶ。


「嗚呼〜髪が〜髪が~」


 狭い個室は構造上堅牢なのかフェリクスは運良く吹き飛ばされはしなかったが、壁が霧散したトイレの中でポツンと便器に座り情けない姿を曝け出している。とは言え死ななかった代償として自慢の白髪はチリジリ焼け焦げ、形の悪いドレッドヘヤーらしき物に変わり果ててしまっていた。


 <<エルフ城・客間>>


「大人しく座らないと俺の奥義が炸裂するぞー」


 満身創痍のフェリクスは即座に捕縛されエルフ城へと場所を移し、レイモンに引き渡されると首根っこを掴まれ、悪さをした子供を運ぶように客間に連れてこられ強制的に椅子に座らせられる。


「まあ楽にしてくれフェリクス、積もる話があるのでな」

「酷いな、こんな仕打ちを受けるとはどういう事だ」


 まだ罪人として呼ばれた事を知らないフェリクスはドレッドにされた怒りが収まらず超不機嫌だ。テーブルを挟み座るアルテミシアも負けじと厳しい表情を浮かべ一歩も引く気はない。


「強襲された意味も分からぬとはとんだ間抜けだな、スネイプをここに」


 隣の部屋で待機していたのだろうか直ぐさま姿を現すものの、両腕を前で縛られ両足首に取り付けられた2個の鉄球を抱えたスネイプはテーブル下手に座らされる。


「なんだスネイプ捕まったのか、それにしても大罪人のような姿だな」

「・・・・(黙」


 我、関係ないねと他人事の様に語るフェリクスは白々しい顔をするが、スネイプは反論したくないのか黙って下を向き、全てを知るアルテミシアはヤレヤレの表情を浮かべていた。


「まぁ、口は開きたくないだろうな、だろスネイプ」


 色々と自供したスネイプの顔色は凄く悪く、名前を呼ばれても目を合わせず俯いている。何故ならフェリクスが知らない裏の計画まで全て吐いてしまい、とても直視など出来ないのだ。


「何なんだ一体、どういうことだ」

「フェリクス、貴様はピエロなんだよコイツの本心を見抜けぬとは」


 フェリクスの命を受け城に侵入して捕まったことだけを簡潔に教えると「俺は知らない」とシラを切り素知らぬ態度を取るが、話には続きがあると咎められ独房で自供した内容が語られるというか、その時の様子を目の前に置いてあるモニターに映し出す。


 >>>>>


 ゾンビアルテミシア<お前の計画とは何だ>

 スネイプ<フェリクスを城に戻し言葉巧みに俺とロズリーヌの婚姻を結ばせたら、アルテミシアを怒らせ追い出すつもりだった>


 >>>>>


「なんだと最初から俺を裏切るつもりだったのか・・(呆」

「これで驚いていたら駄目だわ」


 簡単に言えば王位継承権を持つロズリーヌを娶りフェリクスを追い出し王になる魂胆だが、話には続きがあって洋介が現れフェリスクは王権を無くしてしまい、追い込まれた事で全員の暗殺を決意したと語っていた。


「暗殺だと、どういう事だちゃんと説明しろスネイプ(激オコ」

「もう黙ってみなさいよ、この後にコイツのとんでもない計画の全容が明らかになるわ」


 モニターに映るスネイプは詳細を語り始め、手始めにアルテミシア暗殺を行い人間の王が誕生したことが災いを呼んだと嘘の噂を流布し、領民を扇動して洋介を追い詰め追放した後にフェリクスを担ぎ上げると語った。


<俺の別荘で子供をあてがい好きに遊ばせれば後は簡単さ、だってアイツ政務には無頓着だし>


 次にスネイプの色(愛人)を王妃として娶らせ政務を掌握すれば城の乗っ取りは完了と話し、王位継承権を持つロズリーヌと強制的に婚姻を結ばせ頃合いを見てフェリクスを暗殺すれば王様になれると言い放ちそこで映像が終わる。


 「俺をコケにしやがって!」

 「中々の策士だよね、映像を見て分かると思うけど別荘でのやり取りはすべて筒抜けよ(笑」

「・・・・(黙」


 フェリクスは真っ赤な顔をして激怒するものの、アルテミシアはこの映像を見てわかるでしょ2人の密談の様子など流しましょうかと含んだ言い方をすると急に黙り、それはスネイプも同様で終始俯いたままでもうこれ以上は口を開きたくないのか一言も発すること無い。


「スネイプ、なぜ黙ったままなんだ少しは言い返せよ」

「・・・・(黙」


 フェリクスに強く言われても拳を握りしめ口を一文字に結んだまま決して自分から何も話そうとしないのは全て自供した後、アデールが耳元で「生き返った事を喋れば本当に黄泉の国に送ってあげる」と囁かれた事を本気にしているのが真相だ。


「あはは言い返せるわけ無いし、だってコイツは私の胸をナイフで刺したんだから」

「え゛胸だって、嘘だろ、立ってられないはずだぞ」


 嘘でもいいから「大丈夫なのか」と心配の声でも掛ければまだ良かったが、その言葉すら出て来ないということはもうどうでもいい存在だと嫌でも分かってしまう。一瞬ピクリとアルテミシアの眉が動くが、何もなかったようにレイモンにアイコンタクトを送る。


「さあスネイプお前は独房に向かい沙汰を待つのだ」

「・・・」


 また首根っこを掴まれたスネイプは、力なくトボトボと歩き始めレイモンと共に部屋を出ていく。そしてこの部屋に残るのはこれで2人だけになってしまう・・。


「何をやっているフェリクス、我と話をしないのか(笑」

「なぜだ、何故前に進まない!」


 レイモンが姿を消しこれ幸いにとフェリクスは逃げる為にベランダに向かって走り始めたが、途中何故か足踏み始めてしまい懸命にエアーランニングしてた。


「残念ね、ここから逃げれるわけ無いし」

「ほんとコイツが王様だったとは呆れるわ」


 万が一に備えステルス状態で隠れていた洋介とアデールが姿を見せると、余裕の表情を浮かべながら足踏みするフェリクスを見て笑っている。もちろんアデールの精神魔法が炸裂して一歩も動けないのだ。


「逃げられるわけ無いよフェリクス、男ならちゃんと向き合いなよ」

「・・・」


 洋介に諭されたフェリクスは諦め足を止め振り返ると、途端に身体の自由が戻りそのまま席に戻るとふてぶてしい態度で椅子に座る。多分、もう彼の中では破れかぶれの状態なのだろう。その証拠に怨みがかった瞳で睨み返してきた。


「悪いがお前は奴隷に落とす、死ぬまで森を徘徊でもすればいい」

「ふん、好きにしろ俺は敗れたんだから仕方ない」


 奴隷に落とされた場合は額に奴隷の刺青を入れられ村には入れなくなり、死ぬまで森の中で1人で生きて行かなければならない。そんな事は既に分かっているぞというような態度を取り、反省の言葉など微塵も出てこない。


「先ほどの言葉もそうだが、もう私の事など愛していなかったんだろ」


 この部屋で顔を合わせるのは最後と考え、もしかしたらと一分の望みを賭けていた。もちろん洋介と天秤を掛けるのではなく、ロズリーヌに対し父親として最後に会わせるつもりで聞いた。


 「はぁ?愛してるわけないだろ、元々良家のお前を不幸に堕とすのが目的だし、だから娘(ロズ)は嫌いなんだよ。貴族は認めないしお前ら一族ばかり楽して生活すれば恨みも溜まるわ。ちょっと薬草を調合出来てエリクサーを作れるだけでドヤ顔されても痛いしさー、作れない奴の気持ちなんてわからないよね、いやーマジで帰ってくれと頼むお前の顔を見るだけで楽しくて仕方なかったわ」


 何となく愛はもうないと感じてはいたが、そもそも恨みを晴らすために婚姻を結んだとスラスラと語るフェリクスの言い分は負け犬の単なる僻みだ。想定外の真実を聞いたアルテミシアは驚きを通り越して呆然としていた。


「そっか最初から終わってた人なんだね、レイモンお願い」

「・・・(黙」


 戻ってきていたレイモンに頼むとフェリクスを無理やり立たせたが、表情は能面のように無表情で目は虚ろだ。間違いなく暴言を吐くと考え、アデールが精神をコントロールしていた。それでも怒気が少なからず伝わるとアルテミシアは思い詰めた表情に変わる。


「最後、自分から真実を聞きに行った貴女は立派よ、残念だけどこれが彼の本性よ」


 アデールは既にフェリクスの意識を読み、内面は妬み恨みで構成され支配心が強く性癖にもそれが現れていると理解していたので、ちゃんと向き合って終止符を打ちなさいと始まる前に助言をしていた。


「うん、ありがとうアデール、もう人とは思わないわ」


 思い詰めた表情のままウンと頷くと顔を上げアデールと洋介に向けて抜群の笑顔を見せるものの、一筋の涙がツッーと滴り落ちていくのだった・・。

宜しければブクマ評価感想などお願いします。

アトラス星団編は間も無く終話を迎えます。引き続きお楽しみください。

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