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星団最強なのに回りくどい奴の物語。だってすぐ終わっちゃうじゃん。(改稿中)  作者: 耀聖(ようせい)
最終章・皆の幸せの形。
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スネイプの野望。

フェリクスとスネイプ。新しいプライベートジェットのお話。

 手下は罰として強制的に農業従事者として新たに作られた収容所に送り込まれ、放り出されたフェリクスは同時に解放されたスネイプを頼り、森の奥深くにある別荘に転がり込んだ。因みにこの小屋は相瀬に利用したり暗器を隠す為に作られ、こじんまりとはしているが防犯対策の為に頑丈に作られている。


 <<スネイプの別荘>>


「ありがとうスネイプ助かったよ、この場所から再出発だ絶対復権するぞ」


 スネイプの家があるビット村に戻ればドナテラに咎められるしロズリーヌと顔を合わせたくない。遠く離れた自分の故郷の村に戻る手もあるが何としてでも王に返り咲きたいのでこの場所に留まる事を決めたらしい。


「そうですねフェリクス様、狭い所ですがゆっくりしてください」


 スネイプが拾う理由はもちろんフェリクスを王に返り咲かせ、破棄された貴族籍を再度貰い受け楽して過ごそうと考えるのは勿論、前々からこの国を裏から動かしたいという野望があり保護しただけだった。しかし2人に対して監視の目が厳しく3カ月程してようやく自由に動かるようになるのだった。


 <<3ヶ月後のある日>>


「くっそ俺のプライドを傷つけやがって、ウィ(酔」


 その間、暇になり過ぎていたフェリクスは気分を紛らわせる為に酒を飲み始めてしまい、飲めば飲むほど惨めな気持ちが湧き出て愚痴ばかり溢し、今日も朝からグラスを煽り既に赤ら顔だ。スネイプは酒と食料を定期的に運んではいたがその時以外はあまり近寄らず、とある動きを待っていた。


「フェリクス様、これを見てください」


 久しぶりに姿を現したスネイプは1枚の紙を持ってきて手渡す。それは新たな王が誕生する事を知らせるために配布された広報誌のような物だ。酔ってはいたが文面を見るとあまりの衝撃で酔いが消し飛びシャッキリとする。


「クッソ、だれかがアルテを唆したんだな」

「裏を見てください、とんでもない事が書かれていますよ」


 裏面には洋介の経歴が記され、後進国のガルーダ合衆王国を手掛けると僅か10数年で星団連邦に組み入れた実力者だと写真入りで紹介されていた。一番の興味を引く馴れ初めに関しては、ゲームマスターとしてI・F・G王国を管理運営するために港町ビギンを立ち上げ発展させ、その手腕と今までの功績に感銘を受けたアルテミシア女王自ら交際を申し込み結婚に至ったと記されていた。


「アルテが自ら結婚を申し込んだだと・・・それも人間じゃないか(呆」


 唖然とするフェリクスはアルテミシアが再婚するなど晴天の霹靂だろう。紹介文を読み終えると沸々と怒りがこみ上げワナワナと震えていた。しかしアルテミシアを今まで無下に扱い振り向きもしなかった癖に寝取られた事が癪に障るのか、それとも人間が王に取って代わることに怒りが湧いたのかイマイチわからないが、どのみち気に食わないらしい・・。


「言い方は悪いですがあの男に騙されたと思うんですよ、この国を乗っ取るつもりですよ」


 スネイプは近い将来アルテミシアが洋介を王に迎えると予想し、この時を待っていた。愛していなくても人間が王になるとなれば激怒し怒りに任せ途方もない決断をする筈なので、猜疑心を煽り冷静さを失わせようとしていた。


「アルテが王に人間を据えるなど考えられん、そうだこれは国のために排除しなければならないな」

「そうですともそうですとも、インテンスはダークエルフの国ですから」


 王権に未練があるフェリクスは上手く乗せられ洋介排除へと動き出す。一方のスネイプは恨みや嫉妬を利用してその気にさせ、このまま裏で操っていく魂胆なのだろう。ニヤける顔が異様に気持ち悪い。


「よし、取り敢えず洋介とかいう奴の日々の動きを調べるのだ。後は頃合いを見て闇に葬り去ろう」

「畏まりましたフェリクス様、取り敢えず偵察に行ってまいります」


 洋介を屠る事を決めたフェリクスは不敵な笑みを浮かべスネイプに指示を出す。もう既に祝杯を上げたい気分なのかグラスを煽り酒をゴクゴクと流し込むのだった・・。


 ーー


 <<クーン指令本部>>


 インテンスから戻ったアーレイは空いている時間の合間を縫って、新造するジェットの進捗状況の確認のため指令本部を訪れていた。SH150をベースにしたシンフォニーバードは既に完成を迎え、最初から交換する機体が準備されていたベクスターベースのジェットも同様にもう飛べる状態だ。そしてルドルフの所に向かうと・・。


「アーレイ、言っちゃ悪いがこのまま君の血を分けた為政者が、3星団全ての指導者に取って代わるんじゃないかと夢に出て来たよ」


 ルドルフもアーレイと出会い、気が付けば20年近い付き合いになっていた。最近は白いものがちらほらと増えお腹も一回り以上膨れてしまい、あのころの精悍な面影が消えつつある。という事は思考も深くなり余計な心配をすることも多くなってきたのだろう。珍しく小言を言ってきた。


「まあ不死だしその可能性は無きにしも非ずかな、とは言え俺にそんな野望は無いぞ」

「ならいいが、ステイシーの嫁ぎ先がジャスティンの息子だと噂が立っているのだが」


 星団の英雄の動向は常に噂を呼び、それは子息や子女にまで及ぶ。ジャスティンの子息アレックス・ウルフ王子がデルタ王国を表敬訪問した際、貴族学校の視察に訪れ成績優秀者のステイシー嬢と意気投合して長らく会話した事から婚姻の噂が立ち、週刊誌を賑わせていた。


「あー、イケメンを売りにしか出来ない”実力のない王子様は論外”ってステイシーが話してたわ」

「・・・強かなお前の娘らしいわ(呆」

「アーレイ陛下、機体の準備が出来ました」


 頭を抱えるルドルフを無視してマドックが出発準備が出来たと現れる。しかしこの技官はデルタ軍所属の筈だが、最近クーン宇宙軍の司令官室に当たり前のように出入りをしていた。


「マドックって転職したんだっけ?知らんかったわ」

「ええ、ポコ指令が勝手にクーン所属に変えましてね、お陰で給与が増えて妻は喜んでいます(笑」

「・・・(呆」


 アーレイの知らない間にシレっと軍籍を変更していた。いや間違いなく報告書は上がっていた筈だし軍服が似てるにせよ、ルドルフは何を今更お前は適当過ぎるだろうと言う顔をしてたよ・・。


「アーレイ、I・F・G王国はモンスターハントでFPSより人気が出ていて、あの2人は忙しいけど今から向かえば夕食前には会えるよ」


 本日の秘書は超優秀なレティだったりするのでジェット完成後の行動を予想してインテンスの情報を上げてくれる。城からビギンに通う洋介は足に困っていると聞いていたのでアーレイは出来たばかりのジェットに乗り込むとフィリーサと共にインテンスに向かう。


 <<I・F・G王国・エルフ城>>


 ベクスターと瓜二つの真っ白な機体と、それより二回り大きな複数の可変翼を持つ小型機がエルフ城近くまで一気に降下してくる。


 <ねぇアーレイ、大きくてもすんごく応答性が良いし凄くいい機体ね>

「あーね、当時の技術者(ウラッツェン)に礼を言ってくれ」


 フィリーサが操縦する新シンフォニーバードは、より応答性が良くパワーのある1式のエンジンを4基掛けにして抜群の操縦性を得ていた。なので喜んでドリフトしながらエルフ城の脇に駐機すると侍女たちが慌てて飛び出してきたよ・・


「ようこそ参られた、ささ散らかっているが我の部屋へ来てくれ」


 出迎えてくれたアルテミシアは凄く幸せそうな表情を浮かべ私室へと案内してくれる。中に入ると結婚式に向けて準備されたウェディングドレスが飾ってあって、一目見たフィリーサは自分も忙しなく動き準備した時の事を思いだし優しく微笑む。


「ねえアルテミシア、不死って興味ある?」

「へっ?ふし?」


 フィリーサは不死仲間がほしいのと洋介も同じなので、このまま歳を重ねれば先に死ぬのは貴女の方だと説明する。長寿であるエルフ族は実感が湧かないのかアルテミシアは腕を組み凄く悩みだすのだった。


 <<洋介の私室>>


 一方のアーレイは洋介の帰りを待って機体の説明のために私室を訪れていた。


「ベクスターと基本同じだがコストを抑えるために廉価版のエンジンを積んでいる」


 アーレイの愛機であるベクスターはポコやマドックが勝手に弄り回し、量産前の高性能な装置をそれも実証実験をする体をとり、ほぼタダで取っ替え引っ替え組み付けているので超高性能だったりする。同じスペックで注文を出した場合は前衛を務める哨戒艇とほぼ同額だったりする。外貨が少ないインテンスでは持て余すのが必至で、エンジンは廉価版を使い補機類は使わなくなった装置を組み入れ格安で仕上げていた。


「ありがとう、これで視察と通勤が楽になるよ」


 洋介が使うポータルや転移魔法陣は便利だけどそれなりに魔法を消費するし、精霊の支援が少ないこの国では魔力回復をポーションに頼り胃腸に負担がかかるので体調管理が大変だ。この前、王様宣言をしたため数名の護衛が帯同する事になってしまい最近は移動用シャトルで時間を掛けてビギンに向かっていたりする。


「それで、結婚式は再来週あたりだろ、やっとだな」

「僕が王になることで色々ハレーションを生んで説得するのが大変なんだよ」


 戒律はないけど昔からのしきたりで王様はダークエルフと言う固定観念があり、人間を初めて迎えることにアレルギー反応を表す長老達に対し説得して回っていた。アルテミシアが前面に出て信任していることから強烈な反対は起きないが、頑固者のダークエルフを納得させるにはそれなりに時間が必要だったりする。


「洋介、取り敢えず飛ばしてくれば、絶対気に入ると思うぞ」

「そうするよ、ありがとう」


 アーレイが結婚祝いとして贈ったまだ機体名を付けてない真新しいプライベートジェットは、キューンと少し低めのエンジン音を奏で真っ青な空に消えて行く。

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