76話、葵と御一行ののんびり旅
「いつの間に侯爵様とそんな話を?」
この世界に来て知り合った人は見た目厳つかったり、キャラ濃ゆかったりするけど、基本良い人ばっかりだ。
団長さんも最初は泣上戸の優しい人だったし。怖いから積極的に関わる気は無いけど、いつかなんで冒険者が嫌いなのか聞いてみたいとも思う。
話逸れたけど、やっぱりどこの国、世界にも横柄な人は居るんだなぁ。
「騎士やめるってお願いした時にな!許可をもらえたらアオイ達と一緒に行きたいって話したら、アティスからダンジョンのあるセダールの街までに続いてる街で要注意なのはここだけだって教えてもらった」
・アティスからセダールの間は2つの街ヴァンガと、その街だけ。
・先代男爵様までは裕福では無いけど、平和で長閑な街だったけど、今代男爵になって一変した。
・自然災害の復興がとかではなく、領主の散財と成り上がりのための賄賂などで、税率が上がり民の生活が苦しくなり治安も悪化。
・冒険者ギルドと、商業ギルドへの圧力も酷いらしく、一時的な撤退も考えられているらしい事。
一都市一ギルドの規則があるので完全に撤退は出来ないから、今のところ縮小して運営中。
・普通なら伝説の魔獣フェルリルがついてる冒険者に貴族だろうと下手な手出しは出来ないと考えそうなところを、平民だからと横暴な事を言う、行う可能性が高い。
・王宮などでも問題として上がっているが、決定的な悪事などの証拠がないので今のところどうにも出来ない。
あくまでも街の裁量権は領主権限だから。
などなど色々あるらしい。
「男爵に会ったらまずスノー殿が爆発するし、アオイ殿も嫌な思いをするだろう。新たな従魔ケット・シーの身も危ない。なら近づかせない方が絶対国のためにはいい!って侯爵閣下が力説してた。」
一緒に行けなくなったとしてもジルか、侯爵様のどちらかが伝えるつもりだったんだって。
ちなみに剣の手合わせ中、伯爵様にも言われてたらしい。
「うへぇー。忠告してもらえてるのにわざわざそんな人の所には行きたく無いですね。…スノー、次の街寄らなかったらその次の街にはどこくらいかかるの??」
「ふむ。今のスピードなら5日、6日そのくらいだろう。ダンジョンのある街に直行すると言うのなら我的にはその方が楽しみが早まっていいな!」
「ダンジョン…めっちゃ行きたい訳じゃけど、興味はあるし……うん!みんなの安全を考えて一つ飛ばしてダンジョンの街セダール?でしたっけ?に行きましょう!!」
「おーっ!念願のダンジョン挑戦だーっ!!」
「了解した。ダンジョン…フフッ。楽しみだ!」
『??たのしいのやったーっ!!』
ダンジョンそんな行きたいのね。
とま、初めて寄らない街が出来たけど問題ないでしょう。
それからはさらに2日間狩りもせずに移動して、1日は休息日として移動せずに午後からスノーとノア、ジルで狩りに行き、また2日間移動だけして、1日全員で狩りに費やした。
「少しのんびりしすぎた気もするが明日の昼頃にはセダールとやらに着くぞ」
食後のデザートまでしっかりパクパク食べたスノーがゴロゴロしながら言ってきた。
あ、今日は満月だったので縁側にてデザートタイムです。
久々登場のシャトレーズのハロウィンシリーズ。
従魔組はホールケーキ、人間組はショートケーキです。
「5、6日って言ってたのが7日になっただけじゃん!全然予定通りでしょ」
「そうそう!急ぐ旅でもないしな!」
ゆっくりケーキを堪能してるわたしとジルで少しズレたくらい気にするなってフォローしたつもりだったんだけど、
「ダンジョンが待っておるのに、無駄に移動に時間をかけすぎた!」
…無駄にって。あのくらいの速さでちょうどいいよ??
「ダンジョンは逃げないから大丈夫だろ?普通はヴァンガからセダールまで馬車で3週間はかかるから充分早いよ!」
うんうん。
「そういえば、この国の領って街1つだけ守るんですか?もちろん大きさの違いはありますけど…」
今のところ立派な城壁に囲まれた都市しか見てない。通り過ぎた男爵領も城壁に囲まれてたし。
「ん?いや城壁に囲まれてるのはその領の主要都市だけ。アティスにもあそこ以外に点々と集落があるし。アオイがたまたま寝てたりで見てないだけで通り過ぎた中にも集落あったぞ?」
…………あ、すいません。
今回の移動中特によく寝た。背中をジルに預けてノアと一緒にお昼寝してたんだよ私。はっず!
アティスからヴァンガの時も寝てたけどね!
寝るつもりじゃなかったのに、爆睡してた時は起きてびっくりしたよ。ははは。
多分喋れる速度で、万が一手が離れても後ろに補助居るから落ちないって油断したの。
ジルが信頼して安心してくれてるって感じで嬉しかった!とか笑顔で甘やかすから、寝ないようにしてても結局寝倒してた。
「旅の始まりから寝落ちしまくってもたれててほんと、ごめんなさい!!」
迷惑料に新しいケーキを追加しながら、謝ったら
「この前も言ったけど、信頼されてる感じで嬉しいから全然大丈夫!でもケーキは遠慮なくもらうよ!ハハっ!!」
って笑い飛ばしてくれた。あざーす。
「主が寝ている時落ちぬように走っているのは我だぞ!」
とかスノーが文句言うから1ホール追加したら、ノアにもおねだりされてあげちゃった。
まぁ、たまには甘いもの食べすぎな日があってもいいか!




