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74話、葵と御一行 ヴァンガ最後の夜




そのままギルドに向かって魔物を出せるだけ出す。

結局1回じゃ無理だったから、2回に分けて出し切った。

・ロックバード×7

・ブルーシープ×1

・キングブル×2

・レッドサーペント×1

・マーダーグリズリー×1

・オーク×5

・ワイバーン×2

のお肉は返してもらって後は全部買い取ってもらった。

ジビエ肉って子供の頃に誰かからもらって食べた時、あんまり好きじゃなかった記憶があるから、とりあえず1匹分にした。

スノーは「なかなか美味いんだぞ!」って言ってたけど、やっぱ苦手ってなったら嫌だし。

あーだこーだいって最後は、美味しかったらまた狩って来ればいいって事で落ち着いた。

金額は大金貨900枚になりました。

またしても大金貨ゲットだぜぇ〜!


只今、この街最後の夜だから、伯爵様と晩餐です。

ワイバーン倒した後アティスの時みたいに、呼ばれるのかと思ってたけど、今日この時まで何もなかった。

そして今も当たり障りない話しかしてない。2匹だけだったからかな??でも、ジルも不思議がってたな。

てか、3度目だから少しはマシかと思ったけど、やっぱり緊張するから早く終わりたい。

ジルはしれっと剣の相手をしてもらってたみたいでその話で盛り上がってる。お酒も笑いも豪快な伯爵様はまだ、解放してくれなさそうだなぁ。

「お前達は明日の朝にはこの街を発つのか…ジル君との手合わせ、久しぶりに楽しかったのだが…」

急にシュンとしちゃった伯爵様。

ジルも楽しかったみたいだから、昼間に冗談で残りますか?って聞いたらダンジョン行きたいんだってば!って全力で焦ってた。なんならスノーも慌ててた。何故。

伯爵様の後ろに控えてた執事さんが何か耳打ちしてハッ!としたあと

「いかんいかん!忘れるとこだった!先日のワイバーン討伐感謝する。聞くところによると、ジルの雷魔法で仕留めたと?間違いないか?」

急なワイバーン。忘れてたんですね。

私はとりあえず他人事だからうんうん頷いとく。

自分じゃない人の話は心臓も胃も痛くならなくて済む。

ジルは遠慮がちに照れながら、頬をぽりぽり。

「間違いないかと聞かれれば、まぁ、そうですね…」

ジルの返事を聞いた伯爵様はぱぁーっと明るい顔になって

「くっ!ワイバーンを1人で倒せる実力。やっぱりうちの騎士団に欲しい…やっぱりダメか??」

瞬時に悔し気な顔になってた。表情筋忙しいな。

聞かれた本人より先にスノーが唸り出したら

「旦那様。ジル様を困らせてはなりませんよ!それにフェンリル様がお怒りです。お二人とも我、主人が申し訳ありません」

って執事さんが伯爵様を止めて誤ってた。

…他人事…他人事……っ!違う違う!スノーは私の従魔だから、スノーがやらかしたら私首ちょんぱされる!

「スノー!伯爵様に失礼でしょ!……お願いだから唸るのやめてぇ〜」

怒っても続けるから涙目なった。いや涙流れちゃった。

ぎょっとした顔でジルがハンカチ渡してくれて、ノアちゃんが慰めに来てくれた。ハンカチ持ってたんですね。

今度から私も持ち歩く事にします。

スノーは唸るのやめてバツの悪そうな顔してる。

「おぉ!欲しい人材だが、お前達を困らせるつもりではなかった。申し訳ない!」

慌てて伯爵様が頭下げてくるから、ジルと2人でなんとか頭上げてもらうよう説得したよ。

すぐ泣いてすみません。ほんと。


「あぁ、そうそう。ジルには緊急討伐の報酬の大金貨200枚と、俺からの推薦と1人でワイバーンを倒せる力があるって事で冒険者ランクもAに格上げだ!!」

…え!?CとかBとかじゃなくていきなりAっすか!?

「私のランクがAに…?いくらなんでも上げすぎでは!?」

私もジルもびっくり。

スノーは興味ないのか伏せして目を瞑ってる。

「実力はある。魔力量も申し分ないと聞いている。ギルドマスターも納得してたからな!今日この時からAランクだ!明日ギルドでカードを忘れずに更新するんだぞ!」

わっはっは!って最後に大笑いしながら説明された。

反応が気になってジル見たら、放心してた。

『ジルどうしたのー?じるー?』

固まってるジルをノアがツンツン突いてたけど、全然反応しないからか、猫パンチになって

「痛っ!…痛いって事は夢じゃない?俺ほんのちょっとでAランク??」

じわじわ嬉しそうな顔になって最終的にデレって顔になったジルを間近で見たノアは毛を逆立てて離れてた。

デレ顔なんかおもしろい。

「ブフッ!良かった。これでジルも目立つ冒険者の仲間入りですね!!ブフフッ」

右手でノアを宥めつつ、顔がおかしくて笑いながら言ったら、一瞬で真顔になって

「アオイみたいな感じで目立つのはヤダなぁ…」

って心底嫌そうに言うから爆笑してしまった。

伯爵様も爆笑してた。執事さんやメイドさん達は控えめにだけど笑ってて、お開きまでみんなで和やかに時間過ごした。

最後の最後で緊張とか色々吹っ飛んでていい思い出になりました。



離れで寝ようとベッドに入って、嫌そうなジルの発言と顔を思い出してちょっとムカついたけど、私よりアップ幅凄いから同じくらい目立つだろうって思ったら落ち着いた。

おやすみなさい。






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