63話、葵と御一行はギルドに行く
バチッと目が覚めて視界には見知らぬ天井。
「どこよここーーーーっ!!!」
「うるさい!」
『うるさいーー』
私の絶叫に即座に反応してくれる2匹。
ノアちゃんはスノーのマネしてるだけな気がするけど。
「こんな天井、私は知らない!!」
「何を寝ぼけた事を…昨日この街に居る間は離れを使えと言われて案内された部屋だろう」
『あるじどうしたの?』
バタバタバタ!ドンドンドンッ!
「今の絶叫何!?なんかあった!?」
「主が寝ぼけただけだ!気にするな」
「あ、なぁんだ。もしかして泊まってる事忘れてる?」
「そのようだな」
ジルがめっちゃ慌ててるっぽいけど、2人の会話のおかげで思い出してきた。
「あ、あぁそっかぁ。伯爵様に離れを使えって言われてスノーが受けたんだった」
「主、まさかこの前の宿でも同じような事したのではなかろうな?何も聞こえては来んかったが…」
スノーが怪訝な顔で聞いてきた。
「いや、してない。こんな天井に絵が書いてあるような豪邸泊まった事ないし、天蓋付きベッドも初めてだから…」
話しながら起きて、軽く身支度を整えてリビングに行くとジルももう居た。いつも1番遅いのに、バッチリ起きてる。…ん?クマできてる??
「ジル、おはようございます。お騒がせしました!」
「おはよう。アオイ、スノー、ノア。寝ぼけるくらいよく眠れたみたいで良かったよ」
疲れた顔して嫌味飛ばされた。どうした?
「眠れなかったんですか?」
「今まで使った事もないありえないレベルの天蓋付きふかふかベッドと目を開けてたら見える天井の絵に圧倒されて一睡も出来なかった…」
よく眠れたなっ的な視線がビシバシ飛んでくる。
「緊張しすぎて眠れないかなぁって思ってたんですけど、横になったら案外すぐ寝てました」
「くっ!羨ましい!!」
「なんか、すみません。ご飯どうしますか?」
「和食でお願いします」
「了解です!」
白米と焼き魚、お味噌汁、沢庵セットは"和食"ってそのままの呼び名でメニュー化しました。
ちなみにパンとスープ、サラダのセットは"洋食"でメニュー化してます。
オリジナルの呼び方作るの無理だった。
ジルは和も洋も意味分かってないけどいいさぁー!
ちゃっちゃと出して朝ごはん。
スノーは約束通りお肉なし、野菜だけにしようかと思ったけど可哀想だから、和食にしてあげた。
不貞腐れながらもおかわりしてた。あはは!
ノアちゃんは鶏そぼろ丼。こっちもおかわりしてた。
お屋敷での出入りは自由にして良いって事だったから、何も言わずに門から出る。警備の方かな?門衛さんが居て開けてもらったから、伝わってるでしょう。
目指すはこの街の冒険者ギルド。
しばらく歩いてたら看板があった。ジルを先頭にして入ったら、バッチリ注目の的!
何も言ってないのに受付の人が走っていってちょっと小太りのおじさん連れてきた。
「ヴァンガの冒険者ギルドにようこそ!アティスなギルドマスターから連絡を頂いて今か今かと待ってましたよ」
手をコネコネしてるけどなんで??
「初めまして。俺はジル、彼女がアオイで隣の2匹が彼女の従魔でフェンリルとケット・シーです」
「えぇ、えぇ!聞き及んでいますよ!解体に寄るだろうとの事でしたが、魔物はどのくらい??」
ゲイリーさん!解体頼む事言ってくれてたんですね!
初めて名前呼んだ気がするけど、覚えてて良かった!
ありがとうございます!!!!
「あぁ、魔物は結構ありますね。ここじゃちょっと…」
おっと、私が答えなきゃ行けない気がするけどジルが進行してくれるらしい。対人関係はよろしくお願いします!
「では、倉庫の方で出して頂きましょうか!」
って言ってギルドマスターに連れられて倉庫に向かう。
ヴァンガのギルドはアティスに比べたらだいぶ小さい。
それでも大きいんだけど、小規模学校くらいかな?
倉庫もアティスの半分くらい。これ魔物全部出せなくない??
「アティスのギルドマスターからも量が多いだろうから気をつけろと言われておりますが、どのくらいの量でしょう?ここに出して頂いても??」
示されたのはすのこが敷かれた場所。まぁまぁ広めだけど絶対乗りきらない。
「アオイ、出せるだけ出したら?」コソッ
「どれから出します?」コソッ
「1番多いのは?」コソッ
「ミノタウロスですかね」コソッ
「じゃ、それから出そう!」コソッ
コソコソ話で相談してたら、ギルドマスターの不安そうな顔と目が合った。
苦笑いしながら
「取り敢えず、これからお願いします!」
ってミノタウロスを20匹出したんだ。そっと視線を上げたら、絶句したギルドマスターが居た。
「あのー??まだまだ出せるんですけど…?」
「ハッ!まさかミノタウロスが20も出てくるとは…他には何をお持ちですか?」
ジルと無言頷きあって次に多いレッドボアを15匹出した。
「レッドボアが15…今の口ぶりならまだ出てくる。あぁ、アイテムボックスの容量を知りたくない!知っちゃいけない気がする。」
ぶつぶつ言ってるのちょっと恐怖なんですけど…




