56話、続*葵と御一行の道中は
「ど、ど、どうしましょう!ノアちゃんはまだ子どもで、魔法の威力も私より弱いのにっ!!」
スノーもそのまま行かないでよ!引っ付いてるの気づいてるでしょーっ!!
慌ててトランクの外に行こうとしてジルに止められた。
「スノーが付いてるから大丈夫でしょ!今から追っかけても俺らじゃ追いつけないし、どこ行ったかわからないからどうにも出来ない何処か迷うから!」
ぐっ!追いつけない、どこ行った、迷う。正論やないか!
「スノーだって「主の為にならん事はせん!」って言い切ってたんだからノアの事ちゃんと連れて帰ってくるって!」
「そう…ですよね!心配なのは心配ですけど、大人しく待ちます。うん。そうします!」
って言ってもソワソワするけど。
「フフッ!何もしないで待つのはソワソワするだろうから、何かトランクの中でやれる事、やりたい事とかないの?」
やりたい事ねぇ……なんかあったかな?
「あ、罰ゲーム!」
「おっと、そっちに行くか。それは思い出さなくても良かったんだけどなぁ」
「思い出しました!ジルの罰ゲームはいくつかお肉をミンチにする事です!」
アイテムボックスからミンサーと空いてるボールを取り出しながら言うと
「これで肉をミンチに。思い出されたらしょうがない!どうやれば良いの?」
シャツの腕を捲りながら乗り気になってもらったので、容赦なくやってもらいます。罰ゲームなので!
「ここにお肉を入れて、ここをこうやって…………」
「単純作業なのに量が。なかなか重労働っぽそうだな…」
って言いながらやり始めるジル。
ジルにはテーブルでやってもらって、私はキッチンでお肉を取り出して冷凍してみる。
スノーにやってもらってたけど、私も出来るようになりたいからね!
魔法の使い方はイメージが基本。維持するのは集中で、威力上げるのはひたすら使うって感じだ。
目を瞑って、お肉が凍るイメージ。お肉が凍るイメージ。
「アオイ、肉が氷付けになってるけど何してるの?」
ジルにそう言われて目を開けたら
ゴロン!ゴロン!厚さ10センチくらいの氷に包まれたお肉がありました。
「お肉を軽く凍らせようとしようとしてたんですけど、やりすぎました!」
あはははは。
「凍らせてどうすんの??」
不思議そうな顔をしながらパッと氷を溶かしてくれた。
え?待って、氷だけ溶けてる!?
「え?え!?すごっ!お肉凍ったままだ!!」
「結構簡単だよ??」
なんと魔力操作の師匠がいた!
「教えてください!師匠!!!」
「なんだよ師匠って!」
そっからはジルが口頭で教えてくれる事を実践してって感じでやってたら1時間くらいでお肉をいい感じに冷凍できるようになった!わーいわーい!!
「出来るようになりましたぁー!」
言いながらジルの方を見たら、まぁなんて素敵な上腕二頭筋!あ、下ろしちゃった。残念。
「腕疲れた。ちょっと休憩!!」
筋肉に目がいってたから気づかなかったけど、ギガントミノタウロスのミンチ山盛り2つ出来てる!
「わぁーお。もうそんなに出来てたんですね!」
さっさとアイテムボックスに入れる。
「出てくるところ見るのなんか面白くて、つい」
頑張ってもらってるし、私も少し疲れたから時間的にちょっと早いけど、コーヒーとケーキでおやつにしよう。
シャトレーズで、チョコレートと、チーズのケーキを買って朝から補充しておいたコーヒーと一緒に準備してたら
「ケーキだぁ!!」
一気にハイテンションになってさっさと着席しておられた。
罰ゲームじゃなくてもケーキとか甘い物で釣れんじゃね?
「甘い物出てくるとちょろそうですね…」
「だって甘味は正義じゃん!!」
さいですか。
ケーキでテンション爆上げのジルさんは爆速でロックバードのミンチと、オークのミンチを仕上げ、私がやり始めたばっかのお肉のスライスもオーク、ギガントミノタウロスと2種類やってくれた。
なので暇になった私は、作り置きとしてやってもらったばっかりのロックバードのミンチで鶏そぼろを大量に作った。
「今日の晩飯はどんなのが出てくるの?」
作業が終わってミンサーとスライサーの片付けをしてくれてるジルが聞いて来た。
「そうですねぇ…、お肉のスライスもいっぱいやってもらったし、最近夜は冷え始めてきたんでお鍋にしましょう!」
そう!こっちの世界っていうかこの辺は日本と一緒で春夏秋冬あるみたいだけど、昼と朝晩の温度差が半端ない。
まだ9月なのに夜と朝方は冬か!?って言いたくなるくらい冷たい。なのに日が登り始めてから沈み始める昼の間は残暑が厳しいですねってレベルの暑さなの。
風邪引く。状態異常無効化あるから引かないけど。
だから夜はあったまる物が食べたい。
「お鍋??どんなやつなの?」
ジルは元騎士らしく、料理も出来るから興味津々のようなので一緒に準備しましょう。
またしてもスーパーの活躍で、土鍋を追加購入。
一緒に白菜を買って、1枚ずつ剥がす。
剥がした白菜と豚のスライスを重ねて好みの幅で切る。
土鍋に縦に敷き詰めてって、お水、粉末出汁、酒、醤油、生姜を入れて煮る。
出来上がりである。
「スッゲー簡単なのにうまそー!腹が減る匂いだなぁ」
「スノー達が帰ってくるまでにあと4つくらいは作っておきましょう!」
「了解!」




