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33話、続*葵と従魔は侯爵様に謁見する




ぶっ倒れたい気持ちの中開けられたドアの向こうには

白髪混じりの茶色の髪を後ろに流したナイスミドルと、片目ルーペを掛けたいかにも執事な初老の男性が居た。

「さぁ、入ってぇ」って小声で隊長さんが促してくれたから、スノーと一緒に中に入る。

ちょっと進んだ所で立ち止まって隊長さんが礼をするのに合わせて私も礼をした。横目に見えたスノーはおすわりしてた。


「おぉ、君がワイバーンを討伐してくれた従魔連れの冒険者だね!顔を上げてくれこっちに座ってくれ!」

さぁさぁ!って気軽な感じに言われていきなり過ぎて戸惑ってたら、隊長さんに背中を押されてソファーまで連れてかれたから、慌てて

「この街に来て冒険者になりました、アオイと申します!従魔はフェンリルでスノーと言います!」

って上擦りそうになりながら言い切った!

緊張で今回は思ってたより大声になってしまった。

ブフッ!ってすぐ横から聞こえて来たけど無視無視!

「ははっ!元気があってよろしい!私はこの街で領主をしているベンジャミン・アレン・アティガルドだ。爵位は侯爵位を賜っているが、まぁ気にするな!」

ワッハッハっ!て笑いながら言われてますけども、爵位は大事だよね?気にするよ??

「そう固くなるな。この歳になると立ち話も腰にくるからな、座りなさい」

ってまた言われたから「失礼します」って言いながら侯爵様に合わせて座った。

マナー違反じゃないかって不安で思わず執事さんを見た。

微笑んで頷いてらっしゃるので大丈夫でしょう。多分。

いや侯爵様がゆるいだけ?

「まずはワイバーンの脅威から街を救ってくれた事、領主として感謝する!これは討伐報酬だ。緊急だった事と、損害をゼロで収めてくれた事、あと魔力切れで倒れたと聞いたから見舞金も合わせて大金貨1000枚だ!」

「へっ!?」

ニコニコ機嫌良く出されてますけども、大金貨1000枚って桁間違ってませんか?

「大金貨1000枚は流石に嵩張るからな、白金貨で準備させた!」

その言葉のあと、執事さんが口を開けた状態の麻袋を見せて来た。うん。本当に白金貨だった。

「そして、本来ならあまりせんのだが、ギルドマスターと話し合って君のランクをAに上げさせてもらう。明日ギルドでランクカードを更新してくれ!」

うそーん。私は夢の中にいるのかな?

特に何もせずにランクがポンポン上がってる。

いや怖い思いはめちゃくちゃしてると思うけど、実力ともなってないんだけどぉー!

私が呆然としてる間も何やら話が進んで

困ってる事はないか?って話になってた。

困ってる事…団長さんに怒鳴られます。って言っていい?

「横から失礼します。私たち第三騎士団の団長アレックスが何故か彼女に対してだけ、話を聞かずに怒鳴りつけると言う行動に出ております。彼女の場合、実力的にも討伐参加を見送りた状況でも、従魔によって強制的に参加させられているのですが、それを理解せず聞こうともしません。」

言ってもらえて良かったけど、言っていいの?それ。

「うん?彼女の意思での討伐ではないのか?」

侯爵様、魔物に関して私の意思はどこにもありません!

「はい。どの魔物と戦うかはフェンリルが決めているようです。」

「我が居て主が危ないわけなかろう」

「………ワイバーンの討伐に関しては、フェンリルが暇を持て余し鬱憤を晴らすのに大きな魔法を使いたかったからだと思われます」

「……仕方なかろう!あの若造のせいで主が森に行かず、狩りが出来なかったんだ!ワイバーン相手でもあれくらいの魔法使っても良かろう!」

スノーくん我慢させてごめんね?

ちょっと申し訳なくなって来た。

「フェンリルを従魔にしているのも彼女実力の内だろう。何を怒る必要がある?」

「アレックスは、フェンリルが一緒に居る事で怪我をする事は無いと何度説明しても、彼女は養父が亡くなるまで魔物を狩った事がないのに危ないの一点張りです。」

「主には魔物の気配がある時な常に結界を張っている。魔力切れは起こしても万に一つも死なせはせん!何が危ないだ!」

スノーくん、自分の力を下に見られてる気がして怒ってるのかな?違う??

「アレックスが門に立っては彼女もフェンリルも活動出来ないと。…鬱憤が溜まって街で暴れられるのも困るが、出来れば君には拠点をここにして欲しいんだがなぁ」

ってこっち見ながらおっしゃられましても!

「えっと、いつかは何処かに落ち着くと思いますが、まだどこにとかは決めていなくて……」

「アレックスの問題が無くなれば可能性があると言う事だな!転属させるか?」

転属!?そこまでの対応になるの?私とスノーに??

話が大事になってしまった!どうしよう!!

「旦那様、とりあえずは彼女の活動に関して、一切団長を関わらせず、こちらに居るジル隊長にお任せしてみてはいかがでしょう」

「む?そうだなぁ。アイツは転属させるには惜しい。ジル頼めるか?」

「はっ!」

ビシィッ!と敬礼してる隊長さん。

「ふむ。我もジルならば安心出来る!」

え?海行くって話は?

執事さんのおかげで団長さんの転属は回避できたけど、また私置いてけぼりじゃん!




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